振りまくれ!
*ギャグです
「好きです、付き合ってください!」
放課後の屋上、女子の目の前にはずっと前から想いを寄せていた先輩が立っている。先輩は顔を真っ赤にしている彼女に、滅多に見せない笑顔を浮かべると…
「ごめん、俺ノーパンが好きなんだ」
「はいカットぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ここは放課後の屋上、ではなくて生徒会室。そしてやっているのは”相手を傷つけない告白の断り方”。先程までチャレンジしていたのは臨斗である。
「ツッコミ所がありすぎるんだけど!?」
「なんでだよ」
「その反応がなんでだよ!」
晴人や恭介が大爆笑のなか、女子役をやっていた心海と側で見ていた竜太が臨斗に食って掛かる。が、とうの本人は涼しげな表情だ。
「傷つけないんなら、成功じゃん」
「お前に乙女心を理解しろっていうのが無理な話だったよ!」
心海が諦めて溜息を吐く。
「次は俺いくな!」
「よっ、ナン恭!」
わざとらしく咳払いをして、恭介は役に入った。
「あの、急に呼び出しちゃってすみません」
「ぜーんぜん、気にしなくていいよ」
「ありがとうございます。あ、あの…ずっと前から好きでした!」
「うん、俺も好き!」
「「「「…は?」」」」
(恭介以外の)四人は軽くフリーズする。
「お前さ、わかってる?これ振るんだよ?」
「いやだって俺、女の子の告白断るとかありえないし!それって言わばあれだろ!?天使のお告げ無視する的な!」
「あぁ、そうだな…」
ハイテンションで語りだす恭介をスルーして、竜太が位置につく。
「竜太やんの?」
「うん、早めに終わらしておきたい…」
「好きです!付き合ってください」
「ごめん、俺巨乳が好きなんだ!」
「まんまじゃねーか!!」
心海が台本を床に叩き付ける。
「傷を抉りに行ったよ」
「リーダー最低」
臨斗と晴人が軽蔑の眼差しを竜太に向けた。
「うっ…!つ、次は心海だろ、俺が女子役やるよ!!」
「否定はしないのか」
「あの、先輩、ちょっといいですか?」
「うん、どうしたの?」
「初めてお会いした時からずっと好きでした!付き合って下さいませんか?」
「あ、うんごめんね。えっと、その…」
「ヘタレだ!ただのヘタレだ!」
「なんかダブって見えた…」
「オカンだっさぁ」
「心海、もっと男を磨こうな」
心海は精神的にダメージを受けた。
「あれ?俺は?」
「ああ、晴人は告白されるとしたら男子だからって…」
「皆なんか嫌いだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
クール系も変態になってた…!?
こんな俺らだけどよろしくね by竜太