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第61話

時分は夜の、とある山にて。

ふもとの街を一望できる見晴らしの良さから、昼夜問わず家族連れからカップルまでの幅広い方々の穴場として、有名な場所である。


――その為、道路が走り所々には休憩所が設けられ、頂上にはそれなりの施設も建造されている、そんな山のとある一角。


休憩所として設けられた、山の傾斜に手を加えて開かれた地点。

その一角に、ドロドロと未だに溶けた岩石が煙をあげる不自然な穴が開いており、その付近で――


「――ったく、上級系譜とも……」


常識外れに巨大な剣を持った男、憤怒の契約者朝霧裕樹がぼやく――


ボォンっ!!


途中で、顔面に砲撃が直撃し途切れた。

左腕に、“思念武装マインドアームズ”で展開したバズーカ砲を構えた正義の上級系譜、椎名九十九の砲撃で。


「――ってえな」

「……」


――しかし、当人は鼻血どころか顔に傷一つついてなかった。

それを見ても顔色一つ変えず、九十九は今度は腹からガトリング砲を展開し、有無を言わず言わさず砲撃。


「――おれと交わす言葉はないってか?」


マグマで模った翼を背に展開し、ガトリング砲の嵐の様な銃撃をガードするユウは、呆れた口調でそう告げた。

しかし九十九は、無言かつ顔色一つ変えず、両手にバズーカ砲を展開し--ユウの足もとを狙い、砲撃。


流石に足場を狙われてはたまらないユウは、たたらを踏みながら下がる。

――その次の瞬間。


パラパラ……


「ん? ――!」


その次の瞬間、ユウが立っている場所。

――背にアスファルトで舗装し、壁となっている場所の付近が砲撃の振動で崩れ、轟音をあげながら土砂崩れが巻き起こり、設けられた休憩所ごとユウを呑みこみ――


「――!」


九十九は両腕にプロペラを展開し、空へと飛び上がり難を逃れる。


「――ちっ!」


大罪が土砂崩れ程度で死ぬ事等、まずあり得ない。

しかしヘタに手を加えれば、目的を果たせなくなる。


そう考えた九十九は、砲撃ではなく空爆で目的地を破壊しようと――


ボコォォオオオン!!


旋回しようとした瞬間、土砂崩れの一角から爆音が響き――

鉄砲水の様に噴きだしたマグマが、一直線に九十九めがけて襲いかかった。


「――!」


バレルロールでマグマの軌道に合わせる様に、九十九は回避し――


ボゴっ……!


「――よう」

「――!」


その九十九の眼前に、マグマの中からユウが拳を握りしめた体勢で現れ――

九十九の顔面に、ユウのパンチがブチ込まれた。


「ぐはあっ!!」


パンチを受け、体勢を崩した九十九はバランスが取れないまま、墜落し地面にたたきつけられる。

それを追う様に、ユウがマグマに手を突っ込み、斬城剣を引き抜いて飛び降りる。


「くっ……」


よろよろと立ちあがる九十九の眼前に、なんでもないかのようにユウは着地。


「生憎、空中戦は宇宙相手に散々頭悩まされてんでな。対策位――」


またもやユウの言葉を遮る様に、九十九は腰に携えた軍刀を抜き斬りかかる。


「――って、無駄か」


斬城剣に両手を添え、上に向けて放り投げたユウは打刀“焔群”を構え――


パキン……!


「――!」


九十九の目に映った物は、へし折られ宙に舞う自身の愛刀の刀身。

そして――自身の身体を斬られ噴きだす血飛沫と……。


刀を返し、振るわれるみね打ち。


「……うっ……くっ……」


流れるような抜刀術で剣をへし折り、尚且つ二撃目はみね打ちでふっ飛ばし――

パチンと刀を鞘に納め、なんでもないかのように先ほど放り投げた斬城剣を受け止め、ゆっくりとユウは九十九に歩み寄る。


「ぐっ……くぅっ……」


今だ折れぬ戦意を芯に、よろよろと立ち上がりユウを見据える。

――怒りや憎悪と言った余計な物は何1つない、正義の兵として敵を見据える瞳で。


「――“破滅カタストロフの……暴風雨ストーム”」


自身の最強技を展開し始めた。


身体の至る個所から砲身が姿を現し、大砲の要塞と言わんばかりの姿へと変貌。

1発1発がビル1つを破壊するその砲撃の狙いは、全て朝霧裕樹と言う1人の男へと向けられている。


「……」


その方針を見てなお、動じることなく――

ユウは“焔群”を咥え、斬城剣を上段に構え相対する。


「――発射!」


全砲身が一斉に砲撃を開始し、街1つ薙ぎ払う暴風雨がユウめがけて襲いかかる。


「――斬城剣“山薙”」


ギリっと柄を握りしめ、刀身の背のブースターが起動。

一歩踏み込み、本当に山ごと斬り裂かんとばかりに剣が振るわれ――


轟音が響き渡った。


「――やっと来たか」


振り抜いた体勢のままで、ユウは視線の先に問いかけた。

問いかけた相手は、横たわる九十九ではなく――刀身を受け止める男


――正義の契約者、北郷正輝に。


「――かつての同胞として、部下の暴走を止めた事には謝罪と感謝はしておく」

「いらねーよそんなもん。それより首相の頼みとはいえ、手間かけさせやがったことに加えて、俺のナワバリ荒らしやがった分……大怪我で済むと思うなよ」

「貴様もな」


正輝が踏み出すと同時に、地面が唸り声をあげるかのように地響きを上げ――。

ユウが踏み込むと同時に、地面が破裂しマグマが噴き荒れる。


マグマと地震。

その力がぶつかり合い、大地が悲鳴を上げるかのように壊れて行く中、2人は対峙し――


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

「はああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


剣と拳がぶつかり合った。


そろそろほのぼの系書いたほうがいいかな?

と思うので、閑話書こうと思います。


候補として、コラボキャラで温泉話とか。

ひばりと愛奈のちょっとしたトラブルとか

龍清と凪、あるいはつぐみと怜奈の1日とか


というのを考えてます。

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