季節企画話 『花見(3)』
「では、大罪と美徳の友好を願って――カンパーイ!」
『カンパーイ!』
宇宙が音頭を取り、乾杯。
くいっとそれぞれが一口飲み物を――。
「――少々少ないですね。これでは満足に食べられない」
「いや、お前の基準で考えんな! 普通はこれだけあれば十分だよ!!」
飲んだ所で食事を、という所で我夢が愚痴をもらし、裕樹がツッコミを入れる
「……(コクコクッ)」
「ちょっと詠、さっきから飲んでばかりじゃない。ほら、これでも食べなさい」
「……(野菜嫌い)」
「そんなこと言って……思ってるから背が伸びないのよ。好き嫌いって、こんな風に成長にも美容にも悪影響を及ぼす物よ?」
「……(死んでしまえ)」
自分の胸を抱え込むようにした月に、悪態をつく詠。
「――ZZZ」
「ここで寝てんじゃねえよグータラ野郎が」
「うあっ……めんどくせえ。座ってんのもめんどくせえ」
「だったらあっちで寝ろよ。心配すんな、お前の分はオレが喰っといてやるから」
「めんどくせえけどぶん殴る」
シバの悪態と、珍しくケンカ腰になる公人。
「……やれやれ、騒がしい事だな」
「まあまあ、良いじゃないか。楽しくにぎやかになんて、花見らしいよ。少しくらいなら大目に見たまえ」
「そう言う事だ。度が過ぎていなければ、ある程度は羽目を外す事も重要。緩める時と締める時の区別がついているなら、怒鳴るような事でもない」
そんな光景を、王牙と昴と凪は、笑いながら見守り、3人はコップを手に談笑する。
「ささ、どうぞ」
「あら、ありがとう」
「ねえねえ宇宙君」
「ん? どうかしむぐっ」
「どう、美味しい?」
「――アスカさん」
そして首相のコップに、飲み物を注ぐ宇宙――に不意打ちで、あーんをやるアスカ
それを見て苦笑する怜奈。
「――綺麗だ」
「全くだな……お前とは妙な所で波長が合う物だな。北郷」
「我とお前は対だ。似通っている部分位、存在してもおかしくはない」
「――だろうな。欲を言えば、もう少し静かな場でみたい物だが」
「それは仕方ないだろう」
そして、北郷と白夜は寡黙な者同士、静かに飲み食いしつつ桜の情景を楽しんでいる。
という風に、それぞれが思い思いに花見を満喫していた。
「――さて、一通り楽しんだ所で、そろそろ場を盛り上げようじゃねえか」
――そんな一時を打ち破るかのように、シバが突然の提案を言いだす。
「盛り上げるって?」
「わかってねえな。こういう場では、出し物して盛り上げるもんじゃねえか!」
「いや、元々が急な催し――まあいっか」
「という訳で、誰か一番手を買って出る奴はいねえか!!?」
誰からのが見たいか。
リクエストあったら承ります。




