第1話 目覚め
新しい物語を書きます
こちらの作品は不定期更新です
魔法陣の淡い光が肌を包み、体が重く沈む。意識の端で、かすかな囁きのような声が聞こえる気がする。
「…ここは…どこだ…?」
口に出してみても、空間に吸い込まれたように消えていった。呼吸を整え、ゆっくりと目を開ける。
目の前の睡眠陣はほとんど消えかかり、かすかな残光が暗い部屋を淡く照らしているだけ。手を伸ばすと、陣の縁の石がひんやりと冷たい。
廊下に足を踏み出すと、空気が重く、埃の匂いと微かな魔力の残滓が鼻を刺激する。壁は崩れ、落ちた梁や瓦礫が散乱している。魔力の残滓がうねるように揺らめき、かつての繁栄を思わせる看板や旗は色褪せ、破れたまま風に揺れていた。
外に出ると、街は完全に廃墟になっていた。建物は崩れ、街路樹は根元から折れ、瓦礫の間に奇妙な光を放つ魔晶石が埋もれている。風が舞い、破れた布や紙片が宙を漂う。鳥の声も、人の足音も、何もない。
胸が締め付けられるように痛む。心臓はドクドクと鳴り、孤独が重くのしかかる。
「…生きている人、いるのか…?」
声はかすかに震え、風にかき消された。
倒壊した建物の陰に、小さな空間を見つける。夜露を避けるには十分だ。ひとまずここで、今日を生き延びるしかない。
胸に手を当て、力を込める。絶望は押し寄せるが、目の前の現実は変えられない。
「まずは生き延びる…何があっても」
瓦礫に埋もれた街を、そして失われた未来を、自分の手で切り開く――その第一歩を踏み出した。
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