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黒騎士と姫とハンナの呪い13





 そう呟いている間に魔法が完成され、


「この地に呪いを! カース・エリア!!!」


 ピエトがそう叫ぶと同時に、彼を中心として展開された魔法陣から邪気が溢れ出て、周りを呪いの沼にした。

 呪いと邪気が濃密に混ざり合った、人を呪い殺すためだけに作られた黒い沼。


「……うっ!!」


 逃げる間もなく広がるその黒い沼に触れてしまったギャルルは、悲鳴を上げることもできずに地面に倒れた。 その姿を見た俺は、舌打ちをしながら小さくつぶやいた。


「よりによって呪いとは運が悪いな」


 獣人族は魔法が使えないが、だからといって弱いわけではない。

 一般的な攻撃魔法、つまり先ほどまで魔法使いたちが使っていた魔法の矢のような物理力を持つ魔法は、十分に避けたり、力で打ち砕くことができる。


 しかし、呪いの魔法は違う。

 触れただけで呪いが全身に広がる魔法は、肉体能力だけを使って魔法の相手をする獣人族にとっては相性が悪い魔法であった。


 もちろん、獣人王であるカプカ・タイガーほどの実力者であれば、魔力を身体に纏ってうまく回避できるだろうが、まだ幼いギャルル・タイガーに獣人王であるカプカ・タイガーのような実力を求めるのは無理な話だろう。


 それにしても、今まで呪いの魔法を使わなかったから、弟子たちはまだ呪いの魔法をうまく使えないと思っていたが。


 魔法使い二人は少し疲れているようには見えたが、魔法自体は何のミスもなく完璧に具現されていた。


「どうやら今まで呪いの魔法を使わなかったのは、単に消費魔力を抑えるためだけだったようだな」


 消費魔力を抑えていたのは、老魔法使いが空間移動の魔法を準備する間、時間を稼ぐためなのだろう。

そんなことを考えている時、ピエトが人差し指を俺の方に向けながら驚いて叫んだ。


「き、貴様!どうして立っていられる!?」

「......あ」


 ピエトの言葉を聞いた俺は、ふと足元を見下ろした。

 ギリギリ呪いの沼の端っこにかかった足が見えた。


 うーん。あまりの弱さに気づかなかったなあ。


 そもそもアンデッドというのは呪いの塊のようなものだ。

 たかが中下級魔法使い二人が作った魔法に今更ダメージを受けるわけがない。


 むしろ俺が普段から周りに呪いをばら撒かないように気をつけないといけないくらいだからな。


 ところでこれからどうしようかな。


 今更倒れても怪しまれるだけだし。何より俺が倒れたら、ハンスが魔法陣を破壊する間、あいつらを相手する人がいなくなる。


「うん。やっぱり呪われたフリをするのはなしだな」


 そう小さくつぶやいた俺は、そっと足を後ろに下げた後、何も知らないよ、と言うような顔で言った。


「何を言ってるんだ? そもそも魔法に触れてもないのに倒れるわけないだろ」

「ふざけるな!! そんな話が通ると思うか!!」


 チッ。やっぱり効かないか。


 いや、それにしてもバカバカしいな。こんな弱い呪いで誰を倒せるんだか。


 このくらいの呪いの魔法で倒せるのは、普通の村人やギャルルのような獣人の子供くらいだ。

 うちの領地のアンデッド軍団じゃなくても、獣人王の領地の兵士程度でもなると、これくらいの呪いは拳で吹き飛ばすことができる。


 俺がそんなことを考えていることに気づいたのだろうか。

 ピエトが顔を真っ赤に染めて叫んだ。


「貴様、俺をバカにしてるのか!」

「あ、いや、まあ……」


 違うとは言えないなぁ。

 ぶっちゃけ、お前達下手くそなんだよ。お前、どこかで霊薬とか飲んだ素人じゃないのか?


 そんなことを考えていると、今度は顔を越えて目まで真っ赤になったピエトが叫んだ。


「貴様! この、俺を、素人だと……!!」

「あ、口に出しちゃった?」


 いや、うっかりだよ。うっかり。悪いな。


 まあ、本当に悪いとは思ってないけど。


 そもそも下手くそなのも、素人ぽいのも事実だからな。

 なんか魔力量だけそれぽい素人って感じなんだよなぁ。


「き、貴様……! この俺を魔力量だけそれぽい素人って!! 死ね!!!!」

「あ、また言っちゃったか。 ウッカリ。ウッカリ」


 ハンス、そんな目で見るなよ。本当にうっかりしただけだから。


 まあ、それにしても煽りがうまく通じたみたいでよかったな。


 どんな状況でも冷静さを失わないことは、戦闘において基本だ。

 特に高度な計算を必要とする魔法使いは、冷静さを失うと魔法の効率が極端に落ちる傾向がある。


 その証拠に、ピエトが怒り狂いながら乱発した魔法は、俺に触れることすらできず、すべて的外れなところに落ちてしまった。

 それに加えて、常に周りに呪いをばら撒いていた呪いの沼も、その範囲が広がったり狭くなったりするのを繰り返していた。


「うわー、発動した魔法もまともに維持できないなんて、基礎が足りなんじゃないか?」


 俺はそうやって挑発を続けながら、ピエトが撒く魔法を避けて倒れているギャルルに近づいた。

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