黒騎士と姫とハンナの呪い12
ギャルルに疑われるのを避けたかったし、何よりこの機会に奴らに協力者がいるかどうか、そして目的が何なのか聞いておきたかったからだ。
ずっと魔法使いに付けていた影で見ていたけど、あんまり詳しい情報は手に入らなかったからな。
得られたのはせいぜい、魔法使いたちの名前と序列、そしてあの魔法使いのめが一つにになった理由くらいだけだった。
俺は束縛魔法で動けないふりをしながら、誘拐犯、すなわち魔法使いピエトに言った。
「お、おい! そんな物騒なモノしまって話をしよう! 暴力反対」
「ふざけるな! 暴力反対なんて笑えたことを! 死ね!!」
俺が何かを言う間もなく、魔法使いピエトが再び俺に向かって魔法を打った。
この前、すぐに捕まえて拷問室にぶち込んであげてもいいところを見逃してやったと言うのに酷い奴だ。
少し会話でもして時間を引こうかと思っていたが、額に血管を立てて怒るところを見ると、どうやら話をして時間を引くのは無理みたいだ。
俺は仕方なく体を縛っていた束縛魔法を解いて、魔法の矢を避けながらつぶやいた。
「やれやれ、血気多い人だな。この前は一応話をしようとしてただろ? その間に何かあったのか?」
「 うるさい!! 黙れ!!」
「そういや、右目はどうしたんだ? もしかしてこの歳になって中二病にでもなったのか?」
思春期でもないのに、そんな流行病にかかるなんて気の毒だな!
わざと皮肉を言いながらピエトの攻撃を避けると、中二病が何なのかは分からないくても、自分をからかってることには気づいたのか、ピエトが一つ残った目を赤くして攻撃してきた。
「ぐあああッ!!」
魔法一つ一つのパワーは上がったが、それだけ。精度が落ちて、むしろ対応しやすい攻撃だった。
うん、話し合いで時間を引くのは失敗したが、理性を失わせることには成功したようだな
向こう側でハンスが『あいつまたやってるな』みたいな顔で見ているけど、気にしない。気にしない。
そうやってしばらく攻撃を避けていると、誘拐犯の攻撃がいつの間にか少しずつ遅くなり始めた。
中級に近い下級魔法使いなりに魔力量はかなりあるみたいだけど、だからと言って何の考えもなく魔法を連射して何分も耐えられるほどではなかったようだ。
そしてそれを通して俺は一つの事実を推論することができた。
あの魔法使いがあんなに疲れてるというのにハンナの顔色に何の変わりもないのを見ると、【犠牲の陣】につながっているのは、こいつじゃないみたいだ、ということだ。
そしてそれはおそらくさっきからギャルルと戦っているアルケという魔法使いも同じなはずだ。あの魔法使いもかなり消耗してるみたいだし。
ということはシールドをはってるのも、ハンナと【犠牲の陣】でつながっているのも真ん中で呪文を唱えている老魔法使いということだな。
そこまで考えた俺は舌を打った。
「面倒くさいな」
なんで寄りによって、あの老魔法使いと【犠牲の陣】とシールドが繋がっているのかなぁ。
【犠牲の陣】とシールドが別の人に繋がっていれば、シールドを破壞して老魔法使いを制圧できたはずなのに。
もちろんそこまで考えて、アイツらも【犠牲の陣】とシールドを一人に集中させたのだろうけど、それでももったいないと思ってしまうのは仕方ない。
こうなると、積極的な攻めは難しい。
シールドを破った瞬間にそのままハンナにダメージが入ってしまうからな。
そうなると、俺にできるのは正直、魔法使い達の目を引いて時間を稼ぐことくらいだ。
そんなことを考えている時、これ以上攻撃魔法を撃っても意味がないと思ったのか、俺の相手をしていた魔法使いピエトが言った。
「アルケ、このままでは埒が開かない。俺が呪文を唱えるからお前は掩壕しろ」
「仕方ないですね、協力しますよ。ピエト先輩」
魔法使いピエトの命令に、アルケと呼ばれた魔法使いが一歩後に下がった。
俺はその姿を見て身を引き締めた。
魔法使いの連係攻撃と言うのは無視できない。
組み合わせ方次第で出力が二倍にも三倍にもなるのが魔法使いの連係攻撃だ。
そしてそれは同じ師匠の元で学んだ同門同士であれば互いの相性も良くて、より強力な連係魔法を使うことができる。
「くそっ。人質さえなければ呪文が完成する前に倒せたはずなのに」
ハンナが人質になっていて、それが出来ないのが悔しい限りだ。
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