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黒騎士と姫とハンナの呪い11




 短い作戦会議の結果、俺は魔法使いの左、ギャルルは右、ハンスはぐるっと回って後ろから近づくことにした。


 と言っても、ただ真っ直ぐ近づくのはちょっと気に入らないな。

 先手必勝だし。とりあえず一発殴ってみるか。


 そう思った俺は、地面に転がってる石を手に取って、魔法陣の上に立っている魔法使いたちに向かって投げつけた。


 シュッー!


 風を切るような鋭い音と共に飛んだ石は、魔法使いたちのそばに届く前に、透明な壁のようなものにぶつかって地面に落ちた。


「……ッ! 何者だ!! マジック・エロー!!」


 すると、シールドの衝撃に気づいた魔法使いの中の一人が茂みの方に魔法の矢を放った。

 魔法の矢が俺たちがいた場所を狙って素早い速度で飛んできた。


 しかし当然だが、俺たちはすでにそこにはいなかった。


 奴らの視線が茂みに集まった隙を狙って、奴らに近づいた俺とギャルルは、左右に分かれ、左右から同時に魔法使いたちに向かって攻撃した。


「はあッ! 喰らえ!!」

「うおおおッ!! 死ね!!」


 俺が拳でシールドを叩くと、反対側でギャルルがシールドに蹴りを入れた。

 そうやって何度も攻撃を重ねる。

 しかし、魔法陣はウーンという音とともに軽く揺れるだけだった。

 何度か割れそうに震えることもあったが、ギリギリという感じでシールドは割れなかった。

 魔力ひとつも込めない拳ではこれくらいが限界だった。


 しかし、ここまでは全て計画通り。

 ハンナと魔法陣で繋がっているのが、誰なのかわからない以上、無駄にシールドに大きなダメージを与えてしまうと、ハンナにまで被害が及ぶかもしれない。俺たちはそんなリスクを背負いたくないのが事実。

 だから俺たちがやるべきことは、ハンスが魔法使いたちの魔法陣を破るまでの時間稼ぎで十分だ。


 そんな俺たちの考えに幸いにも気づかなかった魔法使いの一人が、神経質な態度で俺たちを睨みつけながら言った。


「……ッ! 煩わしい! 貴様らいったい何者だ!!」


 イラッとなって叫ぶ魔法使いの声を聞いた俺は口角を上げた。

 実はあの魔法使いの正体だけは、ここに来る前からわかっていたのだ。

 魔法使いの声に聞き覚えがあったし、何より魔法使いの影に隠れている俺の影の気配がこの距離でも感じられた。

 俺は挑発するような声で魔法使いに言った。


「何者とはな。本当に知らないのか? 魔法使いのくせに鈍いものだな」

「なっ!?」


 皮肉のような俺の言葉に、魔法使いは額に青筋を立たてながら俺に魔法を放った。

 俺はそれを目に見えない速さで避けながら、再び魔法使いに向かって言った。


「まだ分からないのか? もしそうだとしたら、お前の魔法使いとしての素質を疑うよ。よくもまあ魔法使いになったものだな」


 そうつぶやくと、怒りのあまり肩を震わせた誘拐犯が、まもなく俺に向かって指を刺しながら言った。


「ま、まさか! 貴様! 前に俺の計画を邪魔したあの……!!」

「ああ、正解だ」

「……仮面の奴か!!」


 いや、そこまで言わなくてもいいけど。

 むしろ言わないでほしかった。

 俺は他の魔法使いの攻撃を避けるのに精一杯のギャルルをちらりと見てから、誘拐犯と話を続けだ。


「ちょうどいい!! お前のせいでどれだけ恥をかかされたか!! 前回の恨み、今ここで晴らせてもらう!!」


 そう言った誘拐犯はバババッと魔法を連射した。

 すると、この前と同じように目の前に土ぼこりが立って、視界が遮られた。


「コイツ、もしかして本当に頭悪いんじゃないのか?」


 前回も同じ方法で俺にやられたくせに、また同じ方法を使うなんて、バカとしか言えないな。

 しかしそれもほんの一瞬。

 俺はすぐに自分の考えを改めることになった。


「カス・オブ・アレスト!!』


 呪文を唱える誘拐犯の声が終わると共に、透明なロープのようなものが俺の体を縛ってきたからだ。

 

 なるほど。口だけのものじゃないということか。


 そんなことを考えながら、土ぼこりを突き破って飛んでくる魔法の矢を俺は体を地面に転がして避けた。すると、俺が立っていた場所を狙って、魔法の矢が突き刺さった。

 前回の間抜けな印象とは違い、かなり素早いキャスティングと正確な射撃だった。


 さて、それじゃ、どうしようかなぁ。


 束縛魔法にやられる直前に体を飛ばし、魔法の矢を避けた。

 ここまではこの言い訳が通用する。

 しかし、これ以上避けたり反撃したりすれば、さすがに前にいる魔術師たちも、そして隣で一緒に戦っているギャルルも状況がおかしいことに気付くだろう。 だから俺は今、選択の岐路に立たされている。


 この束縛魔法を壊すか、それともこのまま束縛魔法にかかったままいるか。


 悩んだ末に俺が選んだのは……後の方だった。



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 上がり過ぎてもっと頑張ろ!となるので!


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