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黒騎士と姫とモンスター暴走3



 結局、俺が事件の首謀者である魔法使いを倒して子供たちのいるところへ戻ってきたのは、それから15分ほど経ってからだった。 オークを倒すまでかかった5分を含めて考えれば合計20分。

 人のいないところを探すのに時間がかかったと考えるとすると、便秘疑惑が出るか出ないかわからない曖昧なタイミングだった。


 ……本当に便秘だと疑がってるんじゃないだろうな。

 そんなことあったらショックで倒れる自信あるけど。


 そんなことを考えながら、子供たちのいるところに戻った俺だが。


「うわあああんーー!!!!」


 そこは便秘とかそういうことを言える場合ではなかった。

 真っ先に俺の気を引いたのは、ベベの泣き声だった。

 いつ目を覚ましたのか、ベベが大きな声で泣いていた。


 次に俺の気を引いたのは、ベベが一人で泣いているという事実だった。


 ギャルルもハンナも、俺よりずっと子守りが上手いから、二人がいればベベが起きても大丈夫だろうと思ってベベをここに置いて行ったんだが、これは一体……?


 そんなことを考えながら見慣れた茶色の髪を探すと、ハンナが胸を押さえて地面に倒れているのが目に入った。ギャルルとデールは真っ白な顔でそんなハンナに話しをかけていた。

 それを見た俺は驚いてハンナの元へ急いで駆け付けた。


「ハンナ!! 大丈夫か!? どこか痛いのか!?」

「う、ううッ! ナイトさん…! た、助け……!!」


 ゼエゼエと苦しそうな声を出しながら何か言おうとしたハンナだったが、結局最後まで言えずーー。


「きゃああああッーー!!!!」


 苦痛のあまりに悲鳴を上げた。


 そしてそれと同時に、俺はハンナがこうなった原因に気付くことができた。


 パチパチと、ハンナの体から青い光がはじけた。

 数日をかけて徐々に兆候を見せる一般的な魔力暴走とは違ったが、これは間違いなく魔力暴走だった。

 そこまで考えた俺の頭には疑問が浮かんだ。


 ハンナには魔力がないんじゃなかったのか?


 だからこそハンナもハンスの店をちゃんと引き継ぐことができないと気にしていたはずだ。


 しかし、今この瞬間ハンナから発せられている、目に見えるほどの魔力スパークだけを見ても、ハンナの魔力量は決して普通のものではなかった。

 これほどの魔力量なら、コントロール能力さえあれば今すぐでも魔法使いとして成功できるはずだ。さらに運と努力が加わわえば、大魔法使いの称号だって狙えることができるかもしれない。


 なのに、どうしてハンナに魔力がないと言ったんだ? 何か理由でもあるのか?


 一つの疑問から始め、次々と頭に浮かんだ。

 しかし、今それを聞くにはタイミングが悪すぎた。


 魔力暴走というのは一歩間違えれば、命を失う可能性もある危険なものだ。


 ハンナの状態がこれ以上悪化する前に手を打たなければならない。


 幸いにも、暴走の原因はすぐにわかることができた。


 ハンナの首にかかってるチョーカー。


 ハンスがハンナの健康を気にしてつけてくれたと言ってた首輪が魔力の流れを阻害しているのが原因だった。

 いったいなぜ親バカのハンスがハンナにこんな危険なものをつけさせたのかはわからない。

 しかし、原因さえわかれば対処するのは難しくはない。


 俺はハンナの首にかけられているチョーカーを外すために手を伸ばした。


 パチッ! パチチチッ!!


 さすが大魔法使いの卵というべきか。

 ハンナの体から発せられた魔力が手をはじき、その反発の強さに手の皮が剥がれ、血が飛び散った。


 しかし、それだけじゃ俺を止めるには足りない。


 手の皮など、少し時間が経てば元に戻る!

 痛みなどどうでもいい!

 俺は絶対にハンナを助けてみせる!!


「はああああッーー!!」


 貫け!!


 パチン!


 という音とともに、一瞬、ハンナの体を覆っている魔力の膜に穴が空いた。


 俺はその短い隙間を逃さず、一気にハンナの首につけられているチョーカーを手でちぎった。


 ビリッ!


 チョーカーがちぎれる音と共に、パッ! とかたまっていたハンナの魔力が周りに発散され、狂っていた流れが本来の流れるべき道を辿って流れ始めた。

 苦しそうに悲鳴を上げていたハンナが、ゆっくりと穏やかな息を取り戻した。


「はあー」


 ようやく緊張が解けた俺は、地面にぐったりと座り込んだ。

 状況が落ち着いたのを感じたのか、ベベも泣き止んでいた。いつの間にかベベとデールの前で盾になっていたギャルルも、安堵のため息とともにふらふらと地べたに腰を下ろした。


 一応一件落着か。


 しかし、まだ安心している場合じゃなかった。

 魔力暴走は一度起これば、何度でもまた起こる可能性が高い。

 俺は泣き疲れて寝落ちしたベベをギャルルに渡し、ハンナを抱きかかえながら二人に言った。


「はあ、みんな大変だろうけど、とりあえず村に戻ろうか」

「ああ、そうするよ」

「うん。僕も家に帰りたい」


 マジで、本当に、短いながらも波乱万丈なお出かけだった。


 はあ、帰りも気をつけないとな。



やっと60話になりました!

長かったような短かったような、いや、長かったですね、どう考えても。

リメイクと言って修正するのに1年くらいかかりましたから。


いずれにせよ、私としてはここで起承転結の起が終わる感じなんですけど。

60話もかけて起が終わるなんて、ちょっと長かったかな? とは思いますが、この前の内容も全部必要なものだったと思っているので、後悔はしていません。はい、してませんよ。たぶん。


とにかくここまで一緒に来てくださった皆さん、ありがとうございます! そしてこれからもよろしくお願いします!



***



 と思った方は、ぜひブックマーク!と、

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 そして、よろしければ作品感想もお願いします!


 するとなんと!作者のテンションがめちゃくちゃ上がります!

 上がり過ぎてもっと頑張ろ!となるので!


 よろしくお願いします!ヽ(o^▽^o)ノ

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