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黒騎士と姫、ハンナの事情





「あッ……」


 ギャルルの視線に付いていったハンナがぎこちない笑みを浮かべながら、手でチョーカーを隠した。

 ギャルルの視線の意味を知っているからだろう。


 獣人にとって首飾り、特にチョーカーのように首を締め付ける形の首飾りは嫌悪の対象である。

 理由は他でもない、それが彼らの迫害された歴史の象徴のようなものだからだ。


 獣人は人族とは見た目から大きな差がある。

 獣の耳と尻尾を持つ彼らは、その見た目が原因で人族から獣のような扱いを受けてきた歴史がある。

 そしてそれから逃げるため魔界に逃げてきたのだが、魔界でも扱いはあまり良くなかった。

 なぜなら、獣人は魔族の根幹ともいえる魔気を使うことができなかったからだ。


 それが原因で、獣人であるカプカ・タイガーが四天王の一人になるまで、魔界で彼らは2等市民のような扱いを受けていた。

 だから獣人にとって首飾りというのは好きになれない、不愉快なものなのだ。


 俺も気になってはいたけど、今までちょっと聞くのを躊躇していたのだが。


 子供の無邪気さによる残酷さなのか。ギャルルはそれをハンナにためらうことなく聞いていた。


 むむ、もしかして、これは話を逸らしたほうがいいのだろうか。


 そんなことを考えていると、少し迷っていたハンナが、どこか居心地ない笑みを浮かべてギャルルの質問に答えた。


「これはお父さんが私のために作ってくれたものだよ」

「……ハンナのお父さんが?」

「うん。私子供の時、体が弱かったらしくて。元気になるようにて作ってくれたんだって」

「そうか、いいお父さんだね」


 ハンナの話を聞いたギャルルは、そう言ってすぐウサギ肉に視線を移した。

 ギャルルのさっぱりした反応に一瞬ぼーっとした顔をしたハンナは、ちょっと間をおいて『うん! 優しくていいお父さんだよ!』と答えるた後、ウサギ肉に手を伸ばした。


 どうやらさっきの居心地ない笑顔は、自分にチョーカーをつけさせたことでハンスが悪口を言われることを心配しただけのようだ。

 俺の悪友の娘だが、本当にいい子なんだよな。


「はあー。食った、食った!」


 お昼にウサギの丸焼きまで完食した俺たちは、お腹を叩きながらリンガアメを食べていた。

 サクサクと砕ける砂糖の皮と一緒に甘酸っぱい果汁が口の中に広がった。


 ん! おいしいな! さすが俺!

 

 心の中でそう自画自賛した俺は、口からこぼれる果汁を手で拭きながら、子供たちの反応を見た。


「おいしいです!」

「おいしい!!」

「はむッ! パクパクッ!」


 ハンナは頬に手を当ててとろけるような笑顔を浮かべ、デールは足をバタバタさせながらリンガを食べていた。そしてギャルルは……。おい、ギャルルくん、それじゃ種まで食べてしまうぞ?


 そろそろギャルルを止めた方がいいかなと思いながら、俺はチラッとバスケットの中で寝ているベベを見た。


 お腹いっぱいになって眠りについたようだが、途中で起きたりしないだろうな?


 途中で起きたら困る。

 俺たちがリンガアメを食べているところを見たら、きっと泣きながら駄駄を捏ねるはずだから。

 そんな俺の考えを読んだのか、ハンナがそっと俺の方に近づいてきた。


「ベベちゃん、よく寝てますね!」

「うん。そうだね。よく寝てる。あ、さっきはありがとう」


 ハンナのおかげですんなりベベをなだめることができた。

 ハンナが手伝ってくれなかったら、たぶん少なくとも30分はベベと揉めていたと思う。


 ひょっとしたら今までやっていたかも。


 ベベは聖力を持っている分、普通の赤ちゃんとは比べ物にならないほど体力があるからな。



 そんなことを考えていると、お腹を押さえているハンナの手が目に入った。


「……ハンナ、もしかしてどこか痛いのか?」

「あ、いえ! そんなんじゃないです!」

「本当? 痛いなら真っ直ぐいうんだよ。遠慮しなくていいから」


 そう言いながらハンナの頭を撫でると、ハンナがデレくさそうに言った。


「えっと、ちょっと、食べ過ぎたかもしれません。へへ」


 何とか笑みを浮かべながら話すハンナだったが、俺はその顔色があまり良くないように感じた。


「ちょっと早いけど、村に戻ろうか?」

「い、いえ! 大丈夫です! ちょっと食べ過ぎただけですから! 少し歩けば大丈夫だと思います!」


 そう言うハンナの視線は、デールとギャルルの方に向けられていた。

 せっかく二人と一緒に外に出たのだから、もう少し一緒にいたいと思ってるみたいだ。


 はあ、仕方ないな。


「じゃあ、もう少しだけ行ってみるか」

「はい!」

「その代わり、消化剤は今すぐ食べよう。そして、具合が悪くなったらすぐ言うこと! わかったな?」

「はい! そうします!」

「よし! いい子だ!」


 俺は元気よく答えるハンナの頭を撫でながらまた考えた。


 ハンナは本当にいい子なんだよなぁ。



 痛いの我慢する子って可哀想で、子供は我慢せず痛い時痛いとすぐ言って欲しいと思います。

 皆さんはどうですか?


***


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