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黒騎士と姫、また森へ5



「みんないい子でお弁当を食べてくれたら、ナイトウさん特製のおやつをあげよう」


 そう言いながら、俺はマジックバッグから弁当箱を取り出し、そっと蓋を開けた。

 弁当箱の中には、真っ赤なリンガが砂糖でコーティングされた状態で入っていた。

 そう。リンゴアメなのだ。


 ああ、この世界式ではリンガアメかな。


 とにかく。


「みんな、今すぐご飯を食べたら、これをおやつに……」

「すぐ食べます!」

「ぼ、ぼくも!」

「た、食べてやらなくもなくもない!」


 ハンナを含め、子供たち全員が俺の言葉が終わるよりも早くお弁当を取り出し、食事を始めた。


 うーん。素直なことはいいことだ。


 でもギャルル君はパニックになったからだと思うけど、それは食べないってことだからな?

 とにかくそこまではうまく進んだが、その後問題が一つ。


 その問題はリンガアメに反応したのが3人の子供たちだけじゃなかったってことだ。

 俺の腕に抱かれて離乳食を食べていたベベの目がリンガアメに釘付けになっていた。


「……いや、ベベお前はダメだろ。まだリンガを食べられる年じゃないから」


 リンガに砂糖までたっぷり塗ったリンガアメはもっとダメだ。


 ヨダレを垂らしながらキラキラした目で見上げてもダメなものはダメなのだ。

 しかし、だからといってスルーするには、ベベが拗ねるのが怖い。


 いつ聖欲を暴走させて事故を起こすかわからないからな。

 ふぅ、仕方ない。


「さあ、ベベはこっちにしようか? いつもよりキラキラて綺麗いなリンガだよ!」


 どうせ食べられないだろうし、食べるとしても皮のほうを舐めるくらいしかできないだろうけど。

 そんなことを考えていると、


「ぷっーー!!」


 リンガを手に取ったベベがそれをそのまま俺の方に投げた。

 ギリギリリンガを避けたところ、後ろに飛んでいったリンガがパンと音を立てながら割れた。


 むむ。リンガは気に召さないらしいな。


 赤ちゃんとはいえ、さすが一国のお姫様と言うべきか、こだわりのあるお赤様だ。


「むむ。どうしよう」

「あの、ナイトさん」

「ん? 何だいハンナ?」


 さっきまで戦闘的にご飯を食べていたのに。いきなり何だろう。


「これ、ベベに食べさせてあげてもいいですか?」


 そう言ったハンナが、かごの片隅から布で包まれた何かを取り出した。

 ベベに食べさせると言ったのを考えると食べ物だろうけど。

 黄色いのなら……。


「卵?」

「はい! 卵黄だけを選んで細かく潰しました。だから、ベベちゃんも食べられると思います」


 ……ハンナ、なんていい子なんだ。

 自分の弁当を作るのだけでも大変だったろうに、ベベちゃんのおやつまで持ってきてくれるなんて。しかも卵の黄身はハンナも好きなところのはずなのに。ハンナは本当に本当にいい子だ(泣)。


「でも、卵は食べさせてもいいのか?」

「黄身は食べさせてもいいです。 私もこの頃に食べたって聞きましたし、ノールさんもそう言ってましたから」


 そうか。ハンナの実証に加えて、ノールさんの保証までついてるなら問題ないだろう。

 それじゃあ。


「ベベ、食べてみるか?」


 俺は少し緊張しながらベベに尋ねた。

 正直、ハンナがここまで気を使って用意してくれたのに、誠意を無視するのは人としてどうかと思うが、子供というのは違う。子供はいつでも拒否したいと思えば拒否できるし、それが許される存在なんだから。いわゆる赤ちゃん免罪符だ。


 それゆえ、大人はお赤様に捧げものをするとき、毎度どうか気に入ってくれますように、と祈るしかできないのだ。

 唾を飲み込みながらベベの口元に卵の黄身を乗せたスプーンを差し出すと、べべがそれをこれは何だろうという顔で鼻を鳴らした。

 この黄色いものが何なのか調べているみたいだった。

 しかしそれもほんの一時で。


 プイッ!


 ベベは興味なさそうにリンガアメの方に目を向けた。

 見た目もリンガアメに比べると地味だからか。べべの興味を引けなかったようだ。


 どうやら失敗したみたいけど……ハンナをどうなだめたらいいのやら。


 チラッとハンナの方を見ると、ハンナは残念そうにため息をついていた。

 食べないかもしれないとは思って持ってきたものの、いざこうなってしまうとやっぱりガッカリするらしい。


 ううッ。何だか罪悪感がわいてくるんだけど。


 そう考えた俺はベベをぎゅっと抱き寄せて、ベベの耳元で小声でささやいた。



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 上がり過ぎてもっと頑張ろ!となるので!


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