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黒騎士と姫、また森へ3



「ぴゃあ! ぴゃあ!」

「いたたたたッ」


 ハゲる! ハゲるからやめて!

 

 心の中でお願いしつつ、ベベに引っ張られるまま頭を回すと、視界の片隅に何かほのかに光るものが見えた。

 あれ? あれってーー。


「……もしかしてヒーリングキノコ?」


 ヒーリングキノコ。

 ポーションの原料となるキノコで、見た目は松茸とほとんど変わらない。専門家でないと見分けができないと言われるくらいに。


 人々の間では、普通のキノコだと思って食べたら、実はヒーリングキノコだった、という笑い話があるくらいだからな。


 ちなみにこのヒーリングキノコ、普通に食べると普通のキノコと何の変わりもない。

 お酒と一緒に食べると二日酔いがなくなったり、腐った食べ物を食べてもお腹を壊さないくらいの効果はあるけど。どうしてもポーションに加工して食べるほどの効果はないのだ。

 しかも値段もそのまま売っても普通のキノコの10倍、いやそれ以上の差があるんだから、知らずに食べてしまった人にとっては涙が出るような話だろう。


 しかし、そんなヒーリングキノコにも見分け方はある。

 それは、キノコの近くで聖力を使うことだ。そうすると、ヒーリングキノコは今のようにほのかな光を発するようになる。

 恐らく今は聖力のコントロールがうまくできないベベがいて、漏れ出す聖力に反応したのだろう。


 正直、聖力を持っている人はヒーリングキノコなんて必要ないんだから、こんなのわかったところで何の意味もないだろ、と思っているけど。


 でもこんな現象を起こすのにも理由はある。なぜなら、ヒーリングキノコは周囲の聖力を集める性質を持っているからだ。そうして集めた聖力でヒーリングキノコは成長し。その成長過程のおかげでヒーリングキノコに治癒効果が生まれるのだ。


「それにしても、結構生えているな」


 せっかくだし採っていこうか。


「ナイトさん、何かありましたか?」


 ヒーリングキノコを採ろうと身をかがめると、俺が何をしてるのか気になったのか、ハンナが近づいてきてきた。


「ああ、ここにー」

「うわっ! ヒーリングキノコじゃないですか! ナイトさんが見つけたんですか? すごいです!」

「いや……」


 これはベベが見つけたものだけど。

 正直、ベベがいなかったら見つけることなんてできなかった。髪を引っ張って視線をこっちに向けるようにしてくれたのもベベだし、ヒーリングキノコを光らせてくれたのもベベなんだから。

 しかし、俺が何かを言うよりも、ハンナが他の二人を呼ぶのが早かった。


「ねえ、みんな! 見て見て! ヒーリングキノコだよ!」

「えっ! ヒーリングキノコ!?」

「へえー、こんなにたくさん生えてるの初めて見た。ていうか、これなんで光ってんの?」


 感嘆するハンナとデールの後で、ギャルルが鋭いツッコミを入れてきた。

 しかし、ギャルルのあのツッコミに答えるのことは、俺にはできなかった。


 ベベの聖力について秘密にしているのだからな。


 俺はギャルルの質問を聞かなかったふりをして、ハンナに話しかけた。


「欲しいなら、ハンナが採ってもいいぞ」

「ええっ! いいんですか?これ、結構高いんですよ!?」

「ああ、大丈夫だよ」

「ぴゃあ♥」


 キノコを見つけたベベもいいと言ってはないけどうなずいてるし。

 俺はこのキノコ使えないからな。


 聖力が含まれたヒーリングキノコは一般的には優れた治癒薬だが、俺みたいなアンデッドには違う。ただの毒だ。


 同じ理由でアンデッドである俺の領地の住人たちにも毒なんだから、持って行っても使い道がない。


 誰かを暗殺するつもりがあるわけでもないし。どうしても聖力が必要になった場合は、ベベの聖力を使えばいいだけだしな。


 まあ、店に売るという手もあるけど、別にお金に困ってるわけでもないし。

 

 何より薬を作ることもできるハンスなら、ヒーリングキノコでポーションも作れるだろうし、うまく使ってくれるだろう。ハンナが怪我をした時とかに。

 そんなことを考えながら一歩離れて見ていると、ハンナが感動した顔でこっちを見てきた。


「ナイトさん、ありがとうございます!」

「ハンナ、ほくも採るの手伝おうか?」

「うん! 一緒にやろう。デール!」


 そんな感じで、ハンナとデール、二人がヒールキノコを採るのを見ていると、後ろで一緒に見ていたギャルルが、なんだか不機嫌そうな顔で二人を眺めていた。


 あれ? 何であんな顔をしてるんだろ。


 尻尾もさっきと違って下に垂れてるし。

 なんかあったのか?


 そんなことを考えながらしばらく見ていると、ギャルルの視線が手に持っているウサギの方を向いて、キノコを採るハンナとデールの方を向いくのを繰り返した。


 ああ、なるほど。


 どうやら二人の注意をヒーリングキノコに奪われたのが気に食わないらしい。

 ちょっと慰めてあげようかと思ったが、俺は慰める代わりにしばらく様子を見ることにした。

 ハンナとデールはヒーリングキノコという珍しいものに気を取られてるだけだし、キノコ狩りももうすぐ終わる。

 それにもうちょっとしたらー。




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