表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/80

黒騎士と姫、また森へ1




 そうやって、その日の出来事はとりあえず一件落着したと思っていたがー。


「……なんで今日もいるんだよ」


 あの日から5日ほど経って、ハンナと採集に行く約束の新芽の日。

 ハンスの店へ向かうと、なぜか店の前にギャルルが立っていた。


「……まさかサボり?」

「ち、違うからな! 新芽の日だから休むんだよ!」


 まあ、そうだろうとは思っていた。

 ギャルルだけじゃなく、ノールさんとデールも一緒にいるし。


 いったい何んだろう?


 じっとノールさんとデールを見ていると、ノールさんがデールを連れて俺の方に近ついて来た。


「こんにちは、ナイトさん。実は折り入って頼みがあるんだけど、今日一日だけでいいから採集にデールとルルちゃんを連れて行ってくれないかしら?」

「えっ! デール君とルルちゃん二人をですか!?」

「ええ、そう。実は今ちょっと困っていてね」


 慌てて聞き返すと、困ったような笑みを浮かべたノールさんが片頬に手を当て、頭を少しかしげながら事情を説明した。


 事情を聞くと、ノールさんは前回のミノタウロスの暴走事件をきっかけに、農場の設備を大幅に見直すことにしたそうだ。

 いくら危険に備えて魔道具を購入しておいたとしても、100パーセント安全だとは断言できない。

 なので、農場の設備全体を再点検し、二度とこのようなことが起こらないようにするつもりなのだそうだ。


 ここで発生した問題が一つ。

 

 農場の設備全体を点検するとなると大工事になるのが當然だが、子供たちの面倒をみてくれる人がいないということだった。

 大人は設備点検に付きっきりになって手を離す暇もなくなるだろうし、かといって大人が一人もいない状態で子供たちを放っておくわけにもいかない。

 子供たちだけで、誤って工事現場に入ったりして事故でも起こったら洒落にならないからだ。


 それでどうしようかと悩んでいたところー。


「そこでハンナに俺の話を聞いたんですね」

「ええ、そうなのよ!」

「外にあてはないんですか」

「それが困ったことに一つもないのよ。新芽の日は見習いがみんな休みだから。 みんな忙しくて」


 なるほど。だから暇そうな俺に頼みに来たのか。


 まあ、ノールさんがそう思っても仕方ないことだ。だって、ノールさんから見ると、俺は死の谷で働いてるくせに、なぜか子連れでここスターン村をよくウロウロしてる変な人にしか見えないだろう。


 しかも今日、ハンナと一緒に森に採集に行くとまで聞いたんだから。俺に頼まないという選択肢はなかったはずだ。


 だが、断る!! 


 何と言っても俺はこれ以上ギャルルと関わるのはまっぴらゴメンだ!!

 ハンナには悪いが、今日は急用ができたと言っておいとましてもらおう!


「あの、今日はーー」

「それで、報酬だけど、このノールさんの離乳食レシピ2でどうかしー」

「ありがたくお受けします!!」

「ぴゃあ♥」


 即答であった。

 ベベも嬉しそうに目を輝かせていた。


 そうだね。嬉しいね。ベベちゃん、ノールさんの離乳食代好きなんだもんね。

 それにしても、ノールさんも悪い人だ。そんな報酬があるなら、先に言ってくれないと困りますよ? まったく!

 この前にもノールさんのレシピにはたくさんお世話になったというのに。それが1だけで終わりじゃなく2まであるなんて! 


 これは手に入れなければ!


 そんなことを考えている時、ぽんと肩に手の感触があった。

 振り返ると、ハンスとバッタリ目が合った。


 えっと、何だろう?


「おい。困ったら困ったと言えよ。無理してまで引き受ける必要はないからな?」


 ハンスが眉間にしわを寄せながら言った。

 何だよ、今更。この前はハンナが新しい友達を連れてきたんだから仕方ないって言ってたくせに。

 もしかしてこの前、ハンナに怒られたことで少しは反省したとか?


 それに加えて何を考えたのか、ハンスは『嫌なら俺が代わりにやるからやらなくていい』とまで言ってくれた。

 しかし、その提案はどう考えても無理があった。


 ノールさんの農場の設備を見に行くのは誰か。


 聞くまでもなく、この村で唯一魔道具を修理することができるこいつだ。

 ノールさんの農場設備を見に行かなければならないハンスが、ノールさんがミノタウロス農場から遠ざけたいと言って俺に預けたデールの世話をすることなんてできないのだ。

 それに。


 ノールさん特製離乳食レシピ2を譲るわけにはいかない!


 そもそもハンスお前は離乳食レシピなんて必要ないだろ!

 ノールさんの離乳食レシピは渡さないぞ!!


「いいや。全然困ってないけど。 むしろ俺に任せてくれて嬉しいくらいだ」

「本当か?」

「ああ」


「ぴゃあ♥ ぴゃあ♥」


 ベベも指を吸いながら頷いた。


 そりゃそうだろうな。ベベの大好きなノールさんの離乳食レシピ2をもらうことにしたからな。


 実は困っていたとしても、ベベと俺の平穏のためになんとかしてやらないと。

 というわけで。


「ノールさん、レシピください!」


 報酬は前払いになります。



明らかに問題の多いこの依頼を断れなかった主人公ナイト君の運命はどうなるのか!

続きは次回に!



***


 と思った方は、ぜひブックマーク!と、

 ↓の★★★★★を押してください!

 そして、よろしければ作品感想もお願いします!


 するとなんと!作者のテンションがめちゃくちゃ上がります!

 上がり過ぎてもっと頑張ろ!となるので!


 よろしくお願いします!ヽ(o^▽^o)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓勝手にランキングに参加しています。面白いと思った方はクリックしてもらえると嬉しいです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ