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黒騎士と姫とサンドイッチ作り8




「ハンス、卵を使っていいか?」

「うん? ああ、いい。好きに使ってくれ」


 いつもならOKを出す前に一度ツンツンしたはずのハンスが、すんなりと許可を出した。

 たぶん、自分のせいでこうなったという自覚があるからだろう。


 俺はそんなことを考えながら、先ほど玉ねぎを焼いたフライパンをふいた後、ミノタウロスの乳と卵を混ぜたものを入れて、そっとかき混ぜた。

 すると、まもなく卵がふわふわのスクランブルエッグとなった。

 俺はそれをソースを塗ったサンドイッチパンに乗せて、その上に野菜を加えた。


「よし、スクランブルエッグサンド完成!」


 本当は中身がとろけるように柔らかいエッグサンドが食べたかったけど、あれは作るのに時間がかかるから今回はこれで我慢する事にしよう。


 そんなことを考えていると、横から何やら熱い視線が感じられた。


「お、おい。ナイト。それおいしそうだな。なあ、ハンナ」

「そ、そうだね。お父さん。すごくおいしそうだね、ルルちゃん」

「コクッ! うん。そ、そうだね」


 熱い視線で俺の手元にあるスクランブルエッグサンドを食いつくように見つめながら、3人がコックリと唾を飲み込んだ。


 三人とも、俺の手の上にあるスクランブルエッグサンドが食べたくてたまらないみたいだ。


 まあ、かなりいい匂いがしたから仕方ないとは思うけどさぁ。

 でも、ハンスお前はすでに2つも食べてるんだから、ちょっとは我慢したらどうだ?


 俺は心の中でそんなことを考えながらも三人にこう言った。


「作るのは難しくないから、みんなの分も作ってあげようか?」

「い、いいのか!?」

「いいんですか!? あ、いや、そうじゃなくて! い、いただけるのは嬉しいけど、流石にナイトさんに申し訳ないです!」


 いや、別に遠慮しなくてもいいんだけど。

 そもそもここにあるのは大半がハンスの家のもので作ったものだし。俺はそれを使って作ってるだけなんだから。


「すぐできるから、 気にしなくていいよ。あと、ハンナとルルは手に持っているものもう気にせず食べてくれ。俺の分のサンドイッチももうあるからさ」

「は、はい! ありがとうございます! いただきます!」

「ゴクリ。あ、ありがとう。いただ……きます」


 もう一度魔道焜炉の前に戻りスクランブルエッグを作っていると、ハンナとギャルルが『おいしい!!』と楽しそうな声を上げた。

 ハンスもそうだけど、みんなあんなにおいしそうに食べてくれるなんて嬉しいな。


「よし、みんな、スクランブルエッグサンドできたよ」


 俺はそう言いながら、作ったスクランブルエッグサンドをテーブルの上に乗せた。

 ちなみにスクランブルエッグサンドは一人に半分ずつである。


 ハンスはすでに2個食べてるし、ハンナとギャルルも1個食べちゃって、お腹がかなり膨らんでるはずだからな。


 さて、それじゃあみんなの分も作り終わったことだし。


「俺も食べてみようかな!」

「ぴゃあ! ぴゃあう!!」


 大きく口を開けてスクランブルエッグサンドを食べようとした瞬間、横から邪魔が入った。


 視線をそちらに向けると、ベベがものすごくほっぺを膨らませて俺のスクランブルエッグサンドを見つめていた。


「何だ何だ。ベベ、もしかしてこれが食べたいのか?」

「ぴゃあ! ぴゃう! うん!!」


 お前今『ん』と言ったよな。

 心を読むって事、隠す気ないのかよ。


 にしてもそうか、これが食べたいか。しかし困ったな。


 とりあえず前に作った離乳食でも試しに食べさせてみるとするか。


「ほら、ベベちゃん、これはどうかな? 前にも食べた美味しいベベちゃんのご飯でちゅよぉ」

「ぴゃ! ぴゃあ!!」


 マジックバッグから取り出したミルクスープをスプーンで救いベベにそっと差し出すと、ベベが手足をバタバタと動かしながらほっぺをもっと膨らませた。どうやら気に召さないらしい。今日はその気分じゃないのだろうか。


 さて、それじゃどうしようか。


 スクランブルエッグサンドを与えるのはまずなしだ。まだ離乳食もろくに食べられないほど小さい子にこんなガッツリしたものを食べさせるのがダメなのはさすがの俺でもわかっている。


 うーん。でも、離乳食は嫌ぽいし。今回はミノタウロスの乳を与えたほうがいいかなぁ。


 そんなことを考えているとき、


「ぴええええんーーーー!!」


 空腹に耐えきれなくなったベベがついに泣き出した。

 俺は慌ててスクランブルエッグサンドをハンスに任せ、ベベをなだめ始めた。


「はいはい、泣かないで、ベベちゃん。ほーら、ここに美味しいミルクがありますよぉ」

「ひ、ひぅ、ぴえええんーー!!」


 一生懸命になだめたものの、ベベちゃんは泣き止む気配を見せなかった。


 うん。これはダメだな。

 今日の昼ご飯は諦めよう。


「ハンス、まだ食べられるならそれも食べてくれ。どうやら俺はそれを食べられないようだ」

「いや……それはさすがに悪いだろ。それに、俺ももうお腹いっぱいだし」

「そうです、それよりお父さんがもうすぐ食べ終わるから、お父さんがベベちゃんを見たほうがいいと思います! ほら、お父さん、お願い!」

「ええッ!!」


 俺からベベを取り上げたハンナが、ベベをハンスに無理矢理抱かせると、ハンスが情けない悲鳴を上げた。

 ハンス自身が言ったとおり子守りがかなり苦手なようだった。


「よしよーし、いい子ですねー」


 しかし、情けない反応を見せたのはその時だけで、ハンスは意外とうまくベベを面倒を見た。

 泣きじゃくるベベを上手になだめたハンスは、もうすでにベベにミノタウロスのミルクを飲ませていた。

 俺はスクランブルエッグサンドを食べながらつぶやいた。


「びっくりだな。お前が子供の面倒を見られるなんて」

「は! 何が意外だよ。これでもローナとマレさんが忙しい時は、俺がハンナの面倒を見たんだからな!?」

「おまえ……それ、自慢することじゃないからな」


 ローナさんが忙しくなくても自分から面倒を見なきゃダメだろ。 しかも自分はマレさんの後かよ。ハンナはオメエの娘だろうが。

 まあ、しかし、ハンスが自慢するのもおかしなものではない。この世界でも乳母を持つ貴族ならともかく、一般的な家庭では母が子供の世話をするのが当たり前のものだ。


 それに、ハンナが生まれた頃はハンスも魔界に移り住んで間もない頃で、いろいろと忙しかったらしいし。


 俺はそれを聞いて知っていながら、悪友にいたずらをしているだけだった。

 しかし、そのことを知らないハンナは今の言葉でどうやら誤解をしたようだ。

 さて、ハンナは果たしてどんな誤解をしたのか!

 そして、ハンスは果たしてその誤解をどう解くのか!

 次回をお楽しみに!


***

 

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