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黒騎士と姫とサンドイッチ作り7




「なんだなんだ? 何でそんなに急ぐんだよ、ハンナ」

「ナイトさんのレシピでサンドイッチ作ったの! 一緒に食べよ、お父さん」

「ナイトのやつが……料理だと?」


 ハンナの言葉にハンスが怪訝な顔をして俺を見た。まるで『お前、料理なんてできたのか』と問いたげそうな顔だった。今この瞬間だけは、さっきの怒りも忘れているように見えた。


 ていうか、失礼だな。料理くらいできるって。

 しかし、そういえばハンスには食べさせたことないんだっけ。疑うのも仕方ないか。


 肩をすくめた俺はハンスに紙で包んだサンドイッチを一つ手渡した。


「一度、食べてみろよ。結構うまいから。 あ、包み紙は食べちゃダメだからな」

「けっ、そう言ってもどうせ男が作ったもんだろ」

「……お父さん」


 食べ物を前にしてぐだぐだと話をするハンスの姿に、ハンナが静かにハンスを呼んだ。

 ハンナの背中から黒いオーラが見えてる気がした。

 ただでさえ俺とハンスが喧嘩したことを気にしてるのに、ああやって非協力的な態度を取ったらイライラするのも仕方ないよな。


「......わかったよ、食えばいいだろ、食えば」


 ハンナに警告を食らったハンスが、めちゃくちゃ嫌そうな顔で俺が作ったサンドイッチを受け取った。

 俺があらかじめ忠告した通り、サンドイッチの包み紙をそっと剥がしたハンスが、ふぅ、とため息をついた後、目をぎゅっと閉じてサンドイッチを大きく口に入れた。

 サンドイッチの中身がサクッと噛み千切られる音が聞こえた。そして。


「……ッ!!」


 ハンスが何とも言えない顔で口を塞いだ。

 ていうか、なんか目元から涙まで出ているけど。


 えっ、もしかして辛すぎたのか? いや、そんなはずないよな!? ハンナならまだしも、普段からマスタードをモリモリ食べているハンスだし! ハンスお前にマスタード一匙なんて良いアクセントにしかならないだろ!?

 そんなことを考えているとき、


「……ウマイィーーーー!!!!」


 そう叫んだハンスが涙を流しながらガツガツとサンドイッチを食べ始めた。

 いつの間にかサンドイッチを両手に1つずつ持っているところを見ると、ハンスはあのサンドイッチがかなり気に入ったようだ。


 あっ。こんなことを考えてる場合じゃなかった!


「おい、ハンス! 1人に1個ずつなのに、2個も食べちゃったらどうする!!」


 今はハンスがさっきまで怒っていたとか、そんなことを気にしてる場合じゃなかった。

 俺の言葉に遅れて我に返ったハンナも、ハンスの服を引っ張りながら言った。


「はっ! そうだ! お父さん、酷い! 私も楽しみにしてたのに! この人でなし!!」

「ぴゃう! ぴゃあーー!!」


 ほら見ろ! ベベも怒ってるだろ! ハンスこの野郎! いくらおいしくても限度ってもんがあるぞ!

 俺たちが一つになって怒ると、無我夢中でサンドイッチを食べていたハンスがビクッと食べるのをやめた。


「くっ! ケホケホ! はあ……ご、ごめん! うますぎて、理性がぶっ飛んじゃった!」


 サンドイッチがむせたらしく、しばらく咳をしていたハンスが、目尻に溜まった涙を拭きながら言った。

 すぐ謝ったところを見ると、悪いと思ってるのは本気なんだろうけど、だとしても突っ込まずにはいられないな。


「そうだとしても、聞いてから食べろよ! 他の人もいるのに。良い大人が何やってるんだよ!」

「ぴゃう! ぴゃああーー!!」


 俺がハンスにツッコミを入れる声に合わせて、ベベが一緒に声を出した。

 おかげで妙に笑える雰囲気になった。

 最初から本気で怒っていたわけじゃないけど、ちょっとツボったみたいだ。なんだか笑うのを我慢するのがむずかしい。ハンスも同じなのか、ちょっと変な顔になっていた。さっきまで怒っていたのが嘘のようだった。いや、でもハンスお前はそんな顔しちゃダメだろ。


 あ、でも、ハンスの変顔を見たらもっと笑いが止められなくなったんだけど。


 仕方ない。 最初から本気で怒るつもりはなかったし、今回はここまでにしておこうか。今回はハンスの気がほぐれただけでも十分だし。


「ぷっ。こほん! と、とにかく次からは気をつけろよ!」

「くふっ。こ、こほん! ああ、わかった。そうしよう」


 笑い声が混ざったやり取りを最後に状況をまとめた俺は、ハンナとギャルルに2つ残ったサンドイッチを差し出した。


「ほら、ハンナとルルも食べて」

「えっ!いいんですか?サンドイッチこの2つが最後なんですけど!もうハムもなくなちゃって、新しいサンドイッチは作れませんよ!」

「コクッ。 ぼ、僕も、大丈夫だ。ほ、ほとんどあんたが作ったもんだし、あんたが食べろよ」


 ハンナが俺を止めて、ギャルルは唾を飲み込みながらも自分の分のサンドイッチを俺に譲ろうとした

ハンナの言葉通り、先ほどハンナが切ったハムが最後だったから、ハムが入ったサンドイッチはもう作れない。

 しかし、俺にそんなことはなんの問題にもならなかった。

 私はハンナとギャルルの手の上にサンドイッチを乗せながら言った。


「大丈夫だよ、俺は別のものを作って食べればいいから」


 そもそもサンドイッチの面白さは、中身を自由に変えられることにある。

 他の食材もまだたくさん残ってるから、それを組み合わせて他のサンドイッチを作ればいいだけだ。


 さて、何を作ろうかなぁ。


 とりあえず中身に肉っぽいのは一つ欲しいから……ん。それにしよう!


 小説には出てませんが、ナイトは辛味のあるサンドイッチが好みで、ハンスはマスタードがたっぷり入ったサンドイッチが好みです。

 二人どもちょっと違いながらも似たところがありますね。


 ***



 読んでいただきありがとうございます!

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 上がり過ぎてもっと頑張ろ!となるので!


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