黒騎士と姫とサンドイッチ作り5
ここからはリメイク前には出てなかったところです!
皆さん、これからもよろしくお願いします!
そう言った俺は、いつの間にか泣き止んだベベをバスケットに寝かせた後、食卓に戻った。
そしてボウルに残ってる白身に酢を入れた後、タッタタッとメレンゲを叩き、砂糖を加えてまたメレンゲを叩くことを繰り返した。 すると、透明だった白身が少しずつ白くなり、艶が出始めた。
俺はそれをスプーンで少しずつ取り出し、フライパンに入れて、蓋をした後弱火に合わせた魔道焜炉でメレンゲを焼き始めた。
チイイイッー。
小さい音とともに、ほのかに甘い香りがキッチンに広がり始めた。
少し時間が経って蓋を開けると、フライパンの中には、黄金色に染まったメレンゲ焼きがあった。
俺はそれを皿に盛り付けた後、ハンナの前に持っていった。
「ほら、ハンナ、食べてみて」
「は、はい!」
甘い香りにコクッと! 唾を飲み込んだハンナがメレンゲに手を伸ばした。
「あっ、あつい!」
「あっ! ごめん、ハンナ。熱かったろ! 今すぐフォークあげるから、ちょっと待ってて」
焼きたてのメレンゲが熱いのは当たり前のことなのに。 考えが浅かった。
急いでフォークを渡すと、それを受け取ったハンナがメレンゲをぶすっと刺した後、ふぅふぅーと吹いてから口に入れた。
そして、
「……美味しい~~〜〜!!」
頬を赤く染めながら叫んだ。
パクパクとハンナがメレンゲ焼きを食べるスピードがどんどん速くなっていく。
「すごく美味しいです!! 外はサクサクなのに、中はふんわりとろけて! 甘くて柔らかくて! 美味しいです!!」
「そう? それはよかった」
元気がないハンナを慰めるために作ったんだけど、思ったより反応が良くて俺の方が嬉しい気持ちになってしまった。
どうやらさっきのベベが投げたリンガで怪我をしそうになったのも、美味しい食べ物で吹っ飛んだみたいだし。本当に良かった。
そう安堵のため息をついている時、
「ゴクリ」
ギャルルの方から唾を飲み込む音が聞こえてきた。
いつからそうしていたのかわからないが。口をぎゅうっと閉じたギャルルが、ハンナの手にあるメレンゲ焼きをジィィと見つめていた。
メレンゲを焼く前までは時々俺を觀察するような目で見ていたが、今になってはそんな様子は一つも見えなかった。
俺に対する好奇心より、美味しそうな食べ物に対する食欲が勝ったのか。
そしてその中でもギャルルは、さっきのことで驚いたであろうハンナのことを考えて食欲を我慢していた。
じゅるり。
……それでも唾が流れるのは我慢できなかったらしく唇から涎が垂れだ。
「ルルちゃん、ルルちゃんも一緒に食べる?」
ギャルルの視線に耐えきれなかったのだろうか。ハンナがそっとガルルにメレンゲ焼きを勧めた。
「い、いや! 僕は別にいい! 別に食べたくないし! それ、ハンナのものだろう! ハンナが食べてよ!」
嘘だな。
別にいいって感じに見えないし、食べたくないようにも見えない。むしろ、めちゃくちゃ食べたくてたまらないように見えた。
尻尾がまるで獲物を狙っているかのようにそわそわ動いているし。
それでもハンナのことを考えて我慢しているところを見ると、本当にいい子なんだよなぁ。
ハンナもギャルルのその気持ちに気づいたのか、クスクス笑いながらギャルルに言った。
「私はたくさん食べたから大丈夫だよ。それに、どうせなら友達のルルちゃんと一緒に食べたいな。 ルルちゃんはどう?」
「ううっ! しょ、しょうがないな! た、食べてあげるよ! ……一緒に!」
デレくさそうに言ったギャルルが、ハンナからメレンゲ焼きを受け取って口に入れた。
「うっ!」
小さく唸ったギャルルが一瞬止まった。
え、もしかして口に合わなかったのか? それとも食べちゃいけないものでもはいっていたのか!?
いや、そんなはずはない、と思うけど! さっき食べたサラダと材料はほぼ同じだし!
と俺がパニックってた時、
「おいしいーーーー!!!!」
ギャルルが尻尾をぶるぶる震わせながら大きな声で叫んだ。
どうやら一瞬言葉が出ないほどうまかっただけらしい。
その様子を見たハンナが肩から力を抜いて、くすくすと笑いながら言った。
「そうだね。すごくおいしよね!」
「うん! ハンナも一緒に食べよう!」
「うん。わかった。一緒に食べよう!」
ハンナとギャルルが仲良くメレンゲ焼きを分けて食べた。
二人で仲良く食べていると、皿にあったメレンゲ焼きがあっという間になくなってしまった。
「あっ、なくなっちゃった。」
「そうだね……」
空になったお皿を見る二人の耳がしょんぼりになってしまった。
そんな二人の姿を見て、俺は苦笑しながら二人に言った。
「そんなに気に入ったなら、作り方、教えてあげようか?」
「ほ、本当ですか!?」
「マジ!? 本当に教えてくれるのか!?」
二人の声がハモった。
本当に気が合う友達だな。この二人。
それはそうと。
「本当だよ、作り方も難しくないからね」
「でも、これもナイトさんが一生懸命考えて作ったレシピなんでしょ……? マヨネーズの作り方も教えてくれたのに、これまで教えてもらうなんて……」
「まあ、なんなら、うちのベベが迷惑をかけた迷惑料と思ってくれても構わないよ」
「えっ、そんな! それはナイトさんが守ってくれたじゃないですか! いくらなんでもこれはもらいすぎです!」
俺は手を上げてハンナの言葉を止めてから言った。
「いや、なんとか止めることはできたけど、さっきは本当に危なかったから。 本当にごめん、ハンナ」
ベベの聖力は強力だ。
そしてまだ幼いから、その強大な聖力をまだうまくコントロールできてないところがある。
聖力という物が獣人にとっては大した危害にならない物だとしても、こんな使い方があることを知っていた以上、少なくとも俺はそれに備えておくべきだったのだ。
今回の事故は、全てを知りながら油断していた俺に落ち度がある。
だから俺がハンナに謝るのは当然のことなのだ。
そんなことを考えていると、隣で俺たちを見ていたギャルルが真剣な顔で割って入ってきた。
「ちょっと待って」
「ん?」
「その理由なら、僕はこれの作り方教えてもらえないのか?」
「「あっ!!」」
ギャルルが尻尾を下に下げながら聞いてきたその言葉に、俺とハンナは驚いて一緒に叫んだ。
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