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宵篝

作者: 人類最弱

藍色の絵の具が空というキャンバスに塗り広げられたかのような深みのある夜空。


「カラン、コロン」と溢れ出す期待を代弁するかのように旋律を奏でる下駄。


夏祭りになると息を吹き返したかのように賑わう参道。


祭り特有の喧騒の中、数多の人の中から僕は探し求めていた人を見つける。


名前はわからない。


ただ僕は本能に従いその人を追いかける。


向かった先は裏山の寺。


静寂に包まれた自然。


神々しさを放つ仏殿。


一見均衡の取れているかのような二物が静かにせめぎ合う。


そんな均衡を凄まじい爆音が切り裂く。


花火だった。


僕は呆気にとられ、漆黒に垂れていく華に見入る。


一輪


心を奪われたあの日。


二輪


あの笑顔にどれだけ救われたのだろうか。


三輪


この世にこれ以上の美しさはあるのかと世界に問うた。


十輪


君と見た夜景。僕の心はとっくに奪われていた。


三十輪


君への思いが溢れ出る。


四十輪


君を愛すると誓った。


四十九輪


そうだ。事故に遭った。愛する人との思い出を失った。


五十輪


百八十五日間の思い出が蘇る。


「華」


愛する人の名前を呼ぶ。

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