ゆめのなかを歩くうた
森の奥深く
僕は座り込み
大きな樹にもたれかかり
木漏れ日の眩しさに
しずかに両眼を閉じる
小鳥が鳴いている
涼やかな風が
優しく頬を撫でてくれる
ゆめのなかを歩く
深い深い海の底で
鯨が泳ぐゆめをみる
鯨の家族が微笑んでいる
ゆめをみてしあわせな気持ちになる
真っ白な陽が
照りつける砂漠を駱駝に乗り
オアシスをみつけるゆめをみる
湖面に小魚が飛び跳ね
ちいさな水しぶきをあげる
ゆめをみる
蛇が足下に近寄ってきて
その孤独の深さを
魂をふるわせ僕に伝えようとする
「いつでもいつまでもそばにいて」
って
僕はその蛇に手を伸ばす
ふと目覚めると
新しい夜がやって来ようとしている
さぁ
僕はうちへ帰ろう
僕はゆめのなかを歩いて
山の麓の
しあわせの待つ
あたたかいうちに帰ろうと歩き出す