美少女転校生②
「あの、透、どこかで会ったことある……?」
「……は?」
朝のホームルーム後の1時間目までの休み時間、水咲透は転校生の木村香菜と早速話していた。
「会ったこと……はないと思うけど……?」
「そっかぁ、なんか聞いたことある声だなって思っちゃって、急にごめんね」
「こ、声か!よ、よく言われる……!」
こ、これは、もしかして……。
嫌な予感が的中した。
「そうなの?もしかしてそれってYouTuberのオズマって人だったり?」
「あ、あー!よく言われる……!」
「やっぱりそうだよね!うち、オズマのYouTubeよく見るんだ!」
「そ、そうなんだ、意外と見てる人多いんだな」
「結構多いと思うよ!だっておもしろいもん!」
「あはは……」
顔を少し赤くしながら返答する透。
翔真がなに照れてんだよ、と言う目でこっちを見ている。
「そういうことじゃないんだよなぁ」と思っていると1時間目を告げるチャイムが鳴り響いた。
昼休みに弁当を食べていると翔真がやってきた。
「なー、そういえばさ、この前教えてくれたアニメ見たんだけどさ……」
翔真の話を受け流しながら香菜を横目で見る。
茶髪で好奇心旺盛な目、明るそうな性格、いかにも男子にモテそうだ。
そういえば俺の声がオズマに似ている、と言っていたな。
俺の動画を見たことがあるってことなのか?
しかもおもしろいって言ってたよな、もしかして俺って結構人気?
なんて考えていると、
「……おい、透!聞いてるのか?なにニヤニヤしてんだよ、きもいぞ」
「きもい言うな、えーっと、で?この前の動画の話だろ」
「ちげーよ!この前お前が教えてくれたアニメの話してんだよ!」
「ああ、ごめんごめん」
笑って謝り話の続きを促す透。
平和な会話をしていると昼休みは終わった。
学校が終わり下駄箱から外靴を出し、上履きをしまって家を目指す。
ちょうど生徒玄関を出ようとしたその時。
「あ、透!今帰るの?」
香菜に呼び止められた。
「そうだよ」
「透の家ってどっちの方なの?」
「えっとー、あの公園らへん」
と、家の近くの公園に指を指す。
「あ!あっちなんだ!じゃあ方向同じだね!一緒に帰ってもいい?」
「別に大丈夫だよ」
春の爽やかな風が吹く帰り道を2人で歩く。
「透はなにか好きなことある?」
「うーん、アニメ見たりとか色々あるけどやっぱり1番はYouTubeみることかな」
「そうなの?!うちもなんだ!どんなの見る?」
「ゲーム実況……とか?」
「え!ジャンルまで同じじゃん!……うちら気が合いそうだね」
「そうだね」
「でねでね__」
笑いあいながら2人で下校する。
だが透が香菜の頬が少し赤らんでいることに気づくことはなかった。