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高校生でゲーム実況者?!  作者: 雨宮ヒロ
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美少女転校生①

午前6時30分。

 透は自室のパソコンでオズマというYouTuberの動画を見ていた。

 そう、オズマとは透がYouTubeで活動する時の名前である。

「再生回数はいい感じだな、コメントにハートマークつけてっと」

 いつもと変わらない日常。

 が、少し違った。

「あー、それにしても眠たいな。なんでこんなに気になってんだ……?」

 昨日、翔真とした話がなぜか頭から離れないのだった。

「転校生ねぇ……」

 呟きながらパソコンを閉じ、母親が作り置きしておいてくれた朝ごはんをレンジで温める。

 透の両親は透が小学生の頃に離婚し、今は母親とアパートで2人暮らしをしている。

 と言っても母親は、朝早くから夜遅くまで働いていて、透が朝起きた頃にはもう仕事に出ていて、夜寝た頃に帰ってくるため実質一人暮らしだ。

 それに最近は忙しいらしく泊まり込みで仕事ということもよくある。

「そろそろ自炊も本格的に始めなきゃな」

 透は料理もできる方なので特に心配なことはない。

 温めた朝食を食べながらスマホでTwitterをチェックする。

 昨日アップした動画についての宣伝ツイートにたくさんの返信が来ていた。

「オズマさんの声やっぱり好き!」

「オズマ本当にゲームうまいな」

 などの返信を読みながら朝食を食べ終え、学校へ行くための身支度をする。

 7時30分、家を出て学校へ歩き出す。

 十分ほど歩いていると後ろから声をかけられた。

「おはよう!透!昨日のオズマさんの動画見たか?!超かっこよかったよな!」

「お、おはよう、翔真!あ、あれかー!お、おもしろかったよな……」

「なんでお前ってオズマさんの話するといっつもカタコトになるんだよ」

 リア友に実況者としてのこと言われるとくすぐったいからだよ!なんて言えるわけもない。

「……そ、それより今日の転校生楽しみだよなぁ……」

「あ、そうだったな。どんな子が来るんだろうなぁ」

 そんな話をしていると学校についた。

 翔真とは同じクラスなので喋りながら教室に行く。

 教室に入り自分の席に座る。

 透の席は1番窓側の1番後ろだ。

 いわゆる主人公席。

 そして隣は空席だ。

「……隣は空席?!?!」

 急に大声を出した透をクラスの人達がびっくりした様子でこちらを見ている。

「あ、すんません……」

「なにやってんだよ」

と、翔真が少し離れた席から言う。

 俺の発言で静まりかえった教室がまた賑わいを取り戻す。

「隣が空席ってことは俺の隣の席は転校生なのか……?」

 そんな考え事をしていると朝のホームルームが始まった。

 いつも通りにあいさつなどを終えるとついに先生が気になっていた単語を発した。

「それではみんなが楽しみにしていた転校生の紹介です」

 ど、どんな子だ……。

 ガラッと教室のドアが開く。

 そして入ってきたのは……。

 透が想像していた倍ほどかわいい子だった。

「か、かわいくね……?」

 と、翔真にアイコンタクトを送る。

「ああ、そうだな!」

 と、言ってるようだった。

 そして転校生が自己紹介を始めた。

「転校してきました、木村香菜です!よろしくお願いします!」

 教室に歓迎の拍手が響き渡る。

「木村さんの席は1番後ろのあそこの席ね」

 と、先生が俺の横の席を指を指す。

 俺の隣の席に座った木村香菜は、

「よろしくね!名前は……」

「水咲透、透でいいよ。よろしく」

「透ね!よろしく!うちは香菜でいいよ!」

「分かった。よろしく」

「……あの、透、どこかで会ったことある……?」

「……は?」

 これが俺と香菜の最初の会話だった。

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