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48.夜襲に備えよ!!

 

「さすがですね陛下!これによって敵に頭上から一方的に攻撃することができるのですね!さらにはこの城の兵たちにも扱えるようなものをご用意していただけるとは……うれしい限りです。それにこれなら帝国軍の秘策があっても対抗できそうですね」


「ん?エレシア、帝国の秘策って何だ?」

「確か情報によると今ここに率いてきている部隊の中に魔法に特化した部隊がいるようなので、もしかしたら何らかのこちらに対する対策を講じてくるのではと思いまして」


「確かな情報か?」

「いえ、以前そのような部隊が存在しているという話を耳にしたことがありまして」

「そうか、あとで詳しく聞かせてくれ、あとでこちらも何か対策を考えないと」


 兵器に興奮?しているエレザを見てサクラや他のメンバーは若干引いていたが皆この武器の有用性に興味を示してくれたようだ。


「この銃を使うのはいいけど、この銃たちは使わないの?」


 そういって戦闘が終わってからもよほど気に入ったのか大事そうにHK416を持ったままのミレイユが聞いてくる。


「使うけど……よほど気に入ったようだね」

「うん……だってあなたが私にくれたものだもの」

「ん?最後の方はよく聞こえないが?」


 そのあとは顔を赤くしたまま俯いてしまった、一体ドウシタンデショウネェ?


「ともあれ、すぐにでも“迫撃砲”とやらの運用方法を日が沈むまでには防衛隊に伝授したくてはなりませんねぇ、陛下いかようにされますか?」


 エレシアは少し困った表情で聞いてくる。


「すぐに広場かなんかに集めて講習を開こう!日が沈むまで時間はないだろう、とりあえず頭の良さそうなものを選りすぐって集めてくれ!」

「ハッ、直ちに招集いたします!」


 エレシアは近くにいた伝令を捕まえてすぐに思い当たった数名を呼び出すように伝え、講習の準備と戦闘準備に取り掛かった。


 城の南西に位置する広い(大体300m×100mぐらい)練兵場では次の侵攻まで時間は残されていないと思うので招集された者がつくと同時に講習を始めた。


 今回招集されたのは商人ギルド“ハミル商会”の社長(現代の会社のように課長や部長などの役職もあるようだ)を務めているハミルシア・ノアとその部下が招集されていた。


 このハミル商会は冒険者ギルドのような傭兵(ほとんど私兵に近い)をこの商会自らが所有していて、この商会の主力商品は武器や防具などの戦闘にかかわるものの販売とその武器に関してのレクチャー等をしている言わばPMC(民間軍事会社)のようなものだ、ちなみに今回の戦闘に商会所属の傭兵部隊も参加している。

 このほかに親衛隊長のローレンスとその部下やこの町の民兵集団のリーダーが参加した。


 講習を始める前に自己紹介を始めようとしたときどこかで見たことのある女性が挨拶をしてきた。


「お初にお目にかかります……ですかね、わたくしエレシア閣下の従妹に当たります、ハミルシア・ノアと申します」


「ん?君はもしや?」


「そうです、ご案内する際に先導していたのは私でございます。ご無礼をお許しください、その時は陛下のご身分を知らなかったもので……」


 申し訳なさそうな上目使いで俺のことを見てくるノアは、従姉のエレシアに似て蒼い色の髪をしており胸はそこまで大きくないものの全体的に整っている。


「先ほどの主人への無礼、その後身を以って贖え!」


 シルヴィアは会った時から相当頭に来ていたようで、ここぞとばかりに怒りを爆発させる。


「も、申し訳ありましぇん!お許しを!陛下には商会ともども一生付いていきますので」

「ま、まぁシルヴィア、本人には悪気はなかったみたいだし、いいじゃないか」

「失礼しましたご主人様、出過ぎた真似を……」

「私からも謝罪いたします。申し訳ございません……」


 ノアは涙目に、さらにエレシアはものすごく困ったような顔になってしまい開始早々暗い空気が漂ってしまう。


「さ、さぁ気を取り直して、今回せっかく集まっていただいたので、さっそく自己紹介をと行きたいところですが、残念なことに帝国軍の侵攻がいつあるかわからない状態なのですぐに講習を始めます!」


「よろしくお願いしますぞ、“陛下”!」

「やめてくださいよ、恥ずかしいじゃないですか」


「はははっ、私は陛下について行きますぞ!なんていったって此処まで強行軍で我々を救いに来てくれた恩あるお方でもあるのですからな!」


「ありがとうございます、ではさっそくですが――」


 ここに集まってくれたノアやローレンスとその両者の部下、さらには民兵たちを合わせて計20名の有志に講習を始めた。


 皆覚えるのが早く、すぐに実物を使った射撃訓練を行った、選りすぐられてだけあって射撃方法もすぐに身につき短時間の間に速射も可能になるほどだった。

 最終的にはローレンスがさらに兵を連れ教え込みはじめ、ノアも負けじと部下を呼び集め、総勢120名を超える人数にまで膨れ上がった。

 ここまでくると、当初考えていた“支援砲撃”ではなく迫撃砲もメインに加わるほどの“砲撃”になりそうだ。


 この講習(もはや軍事訓練)が終わるころには日が沈み始めた。


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