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47.”ガトリング”と迫撃砲

 俺はハミルトン城に向かってきている敵を迎撃する為の兵器を召喚した。


 今回召喚した兵器はM134、通称「ミニガン」と呼ばれるものだ。

 これが「ミニガン」と呼ばれるのは、これの元になったM61バルカン20㎜機関砲を小銃弾サイズにスケールダウンしたものだからだ。


 この銃は六本の銃身を持ちその束になった銃身を電動で動かし給弾ベルトによって弾を送り込み高速で弾を撃ちだす、所謂「ガトリングガン」だ。


 その高速回転する銃身によって7.62×51㎜NATO弾を毎分約3000発発射することが出来る。


 この発射速度の速さのおかげで短時間に多くの弾を撃つことが出来るが、銃身が回転している状態で発射することが原因でまっすぐ飛ばずばらけてしまう。

 しかし、まっすぐ飛ばずばらけてしまうという特性をあえて生かして射程の長いショットガンのような使い方ができる。


 通常車や装甲車・ヘリなどに搭載されるものであるが、機関銃などと同様、三脚などをつけ使用することも可能なので、今回は三脚に据えて射撃を行うつもりだ。


 そして、さらにもう一つのガトリングガンも召喚した、その銃はGAU-19と呼ばれるものでこれは12.7×99㎜NATO弾を使用し、銃身は普通3本あるが今回は銃身が6本あるもの(実際に軽量化前で開発当初に存在していた)があったのでそちらを召喚した。


 一応このLiSMによって召喚したものは、知らない人でも操縦や操作ができるようにはなっているが、まだ銃の操作に慣れている人数が少なく、夜戦というのも手伝って今回これは他の兵たちには使ってもらわないことにした、こちら側の人間は一人当たりの火力が高いガトリングガンを選んだ。


 そして最後にもう一つ召喚したのが、陸上自衛隊やアメリカ軍が使っているL16 81㎜迫撃砲だ。


 そもそも迫撃砲というのは通常の砲と違い、砲身に照準器つきの二脚と砲身の下にある金属板の台座だけの簡易な構造からなる火砲で、普通の榴弾砲などのように大人数または車両によって運ぶことがなく、迫撃砲は大きさにもよるが(重迫撃砲はさすがに牽引されて運搬される)歩兵一人で運搬から砲撃まで行うことのできるものだ。


 そのため砲兵からの支援が受けにくいような作戦では歩兵にとって頼もしい火力になってくれる、撃つときは高い射角(45度以上)で撃ち、弾は曲射弾道を描き空気抵抗などにより着弾時が垂直に近くなるため、壁を隔てて撃つことも、敵の塹壕内に直接攻撃することも可能なものだ。

 ただ、この迫撃砲は真上に弾を撃ちあげる特性上横風に流されやすくピンポイント砲撃には向かず、弾が落ちる時の音によって敵に気付かれる恐れもあり、さらに急な角度で落ちていくので長距離の射撃には向いていない。


 城壁の中から外を撃つことと夜戦なので照明弾の打ち上げも想定しているためこの兵器を選んだ。


 この迫撃砲は比較的安全な場所からの砲撃になるので、城の防衛隊と親衛隊に頼みこの迫撃砲の使い方を簡単にレクチャーして参戦してもらう、今回は質より量の作戦なので練度は問わない。


 そんなこと言ったらガトリングでもって思うかもしれないが、各兵器の役目は違うのだ。



 この兵器を召喚し終わった俺は、早速説明を始める。


 まずはこのM134ミニガンとGAU-19の使い方を今日の夜までにシルヴィア達に覚えてもらう、ちなみに両方とも城壁の上から撃ってもらう。


「じゃあ、まずこの兵器なんだけど、M――」

「おおっ!こんなにカッコいいものもあるのか!どれどれ……」


 エレザは説明をする前によほど気になっていたのか、俺の話を遮ってミニガンに食いつきいじり始めてしまった。


「おいおい、俺の話を聞いてくれよ……、まぁ今は弾が入ってないからいいけど……」


 そんなエレザを見て俺は呆れながらも説明を続ける。


「まず、あのエレザが操作している兵器は、シルヴィアに渡してある銃と一緒の弾を使う、その弾を一秒間に約100発敵に撃ち込むことができるもので、隣にあるものはハンヴィーの上にのせていた銃の弾と同じ物を使って、すさまじい速さで敵に弾を浴びせることができる。最後に足が付いた筒状のものが“迫撃砲”と言って、爆弾を斜め上に打ち上げて壁を山なりに通り越して攻撃できる。この性質を利用することによって今回の場合壁の内側から安全に敵を攻撃できる、さらに操作は比較的簡単だから城の防衛隊で希望する人たちには参加してもらおうかと思い召喚してみた。多くの兵士に使ってもらえるようならともっと攻撃力が飛躍するかと思う」



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