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516.最後の夜

「ローザ、大丈夫か?気分が悪いとかないか?」

「えぇ、だ、だいじょうぶよ。」

「そう、それならいいけど・・・。」

「ワタは心配性ね。」

「そりゃあ、こんなになるまで飲んだりしたら誰だってそう思うさ。」

「ワタのそういうところは嫌いじゃないわ。むしろ好きかも。」

「そう言ってくれると嬉しいんだけど。」

「ねぇ、ワタ。」

「ん、どうした?」

「キスして欲しいの。」

「へ!?」

「ダメかしら。」

「そ、そんなことない!全然良いぞ!」

「ふふ、ありがとう。じゃぁ、目を瞑るからゆっくり近づいてきてちょうだい」


 俺はローザの言う通り、彼女の唇に自分のそれを近づけていった。

 すると、彼女は俺の首の後ろに手を回し自分から舌を入れてきた。


「ちゅぱっ♡れろぉ~♡」


 ローザはしばらくそのままの状態でいたが、やがて満足して口を離してくれた。


「はむぅ。ごちそうさま。」

「お、おう。」

「ワタ、大好き。」

「・・・・・・。」


 そう言った後、ローザはまた深い眠りに落ちてしまった。

 そのあと俺はメリア達の元へ戻り、ほろ酔い状態のメリアやレナ、エレオノーラ達や他のメンバーと共に寝室へと向かった。


「ワタ様、お疲れ様です。」

「美鈴、まだ起きてたのか。もう寝た方がいいんじゃないか。明日は朝にはここを出るんだよ?」

「はい、承知しております。しかし、ワタ様が出発なさるまでの間は私もしっかりと務めを果たしたいのです。」

「・・・。分かった。じゃあ、ちょっと話でもしようか。」

「はい。」


 そうして俺たちはベッドの上に座りながら雑談を始めた。

 話している途中美鈴は少しの沈黙の後、少し息を整えてから俺に問いかけて来た。


「あの、ワタ様。」

「うん?なんだい。」

「これはもしもの話ですけれど、もし元居た世界に帰る方法があったら、いつの日かワタ様は元居た世界に帰ってしまうのでしょうか?」

「うーん。そうだね。帰る方法が見つかって帰れるようになったら、多分帰っちゃうかな。それこそ今度魔法学校に行く事が決まっているから、その時に魔法を使って元居た世界とこの世界をつなぐ方法を研究するつもりだしね」

「そうですか。それは寂しくなります。」

「もし俺一人が元居た世界に戻ったらそうかもしれないね、ただ、もしもみんなが一緒に来てくれるなら一緒に行くよ。それに、例え帰ったとしても、いつでもここに帰ってこられるようにしたいと思っているんだ。」

「そうですね!私も一緒に行きたいです!」

「ああ、約束する。だからそんなに心配しないでくれ。」

「はい、ありがとうございます。」

 その後、俺は美鈴とメリア達の寝る巨大なベッドに行き、一緒に寝た。


 翌朝

 今日までファンサ島でバカンスを楽しん出来たが、明日、俺とメリアは公務が控えているので帰らなけらばならない。

 一部のメンバーは此処に残ってもう少しくつろぎたいと言っていたが、メリアが一喝して無理矢理連れて行った。

 そして、来た時と同様王族専用機に乗って、帰途についた。


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