507.ビーチバレーもどき対決!
皆のところに向かうと、浜辺でベルやレナ、エレオノーラ、エレザ達がビニール製のボールを使って”遊んで”いた。
はた目から見たら遊んでいるように見えるが、遊ぶというよりそれは何かを掛けた戦いに思える。
そう思うのは、明らかにボールの飛ぶ速さや飛んで行った先で上がる砂の舞い上がる砂の高さが普通ではないからだ。
さらに彼女達は恐らく魔法で身体強化をして、その強化した状態でボールを飛ばしているのだろう。
ベルに至っては普段隠している白い翼を使って空高く上昇してから、勢いよく地上に向けて叩きつけていた。
「あっ!ワタ様!!こっち来て一緒に遊ぼうよ~!!!」
ベルがこちらに気づいて声をかけてきた。
するとエレオノーラ達もそれに反応し、エレザとエレシアが駆け寄ってきてメリアの手を握った。
「メリア、一緒に遊ぼうぜ!」
「そうですよ女王陛下」
「えっ、ちょっと待って!」
二人はそう言うとメリアを連れて砂浜を走って行ってしまった。
それを見て少し寂しく感じたが、エレオノーラが俺の腕に抱き着いてきてくれたので、そんな気持ちはすぐに吹き飛んだ。
「ねぇご主人様?ご主人様も混ざりませんか?」
そう言いながら上目遣いで見つめてくる。その表情がとても可愛らしくて思わず抱きしめたくなってしまう。
だが、今は皆と遊びたいので何とか抑える。
それにしても、この子はいつ見ても可愛いなぁ。
そんなことを考えていると、後ろから肩を叩かれた。
振り返ると、そこには美鈴と千代がいた。
美鈴と千代もいつもの着物姿とは違って、水着姿だ。
美鈴は白のビキニタイプの水着を着ており、千代は黒のワンピースタイプだった。
二人ともスタイルが良いのでよく似合っている。
二人とも露出が多い格好なので目のやり場に困るが、なんとか平静を保とうとする。
「どうですか旦那様、私の水着は」
そう言って美鈴が両手を広げてポーズを取る。
「うん、すごく綺麗だよ」
「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」
そう言いながら微笑んでくる。
「旦那様、私はどうでしょうか?」
「あぁ、千代もよく似合ってるよ。とても素敵だと思うぞ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
満面の笑みでお礼を言われる。
すると突然、横からエレオノーラとメリアの声が聞こえてきた。
「ご主人様、私だって負けていませんからね。ほら見て下さい、この胸の大きさを!」
「違うわ、ワタ。わたく方が大きいのよ。さぁ、触って確かめてごらんなさい!そして、もっと強く抱きしめて頂戴!」
「うんみんなのことは可愛いしいつでも抱きしめたいって思ってる、でも今はみんなで遊ぶんじゃないの?」
「ご主人様、申し訳ありません、つい……」
「ワタ、ごめんなさい、私もついむきになっちゃって……」
「気にしないでいいよ!それよりほら!」
ワタはそう言ってメリアの胸に顔を埋めて抱きしめる。
「あぁん♡」
「メリアのおっぱいって大きいよね~」
「もうっ……」
「じゃあそろそろ行くね」
そういうとメリアとエレオノーラ、千代姫と美鈴姫はレナ達の元へと向かっていった。
千代姫は俺の元から離れる前に「絶対勝って今夜一緒に……」と言っていたので、恐らくこれから今夜の俺との添い寝優先権をビーチバレーで争うのだろう。
この戦いの勝利条件は30点を2セット先にとったほうが勝ちのようだ。
審判はシルヴィアが務める。




