491.クレイジーな日常は元に戻る?
メリア達と合流すると状況を理解するのは難しいことになっている。
「どうなっているんだ?」
「あ、ワタ。エビファイはどうなりました?」
「あいつは魂を解放してやったよ」
「ん、今小さい声で何と?」
「気にするな、それで状況は?」
オゼットに状況を聞いた俺は2人のマッチョによってボコボコにされているトリックスを見てもうすぐでこの事件が解決すると察した。
そして数時間後、トリックスは捕まって王立警視庁首都警備師団によって連行された。
マスルは賞金を手に入れた後はまた旅に出て世界中の料理を学びに行くそうだ。
オゼット達もお土産を買ってイスフェシア皇国に戻っていった。モンスター化して暴れた観客達はマリー女皇とアルメリアの治療魔法によって応急処置をしたおかげで大事にならなかったらしい。
そして俺はというと……。
「はいワタ様、こちら報告書になります」
「ありがとう」
エミリアから今回の事件の報告書と書類が届く。俺はそれの事務処理をするのであった。
コンコン
「失礼します」
「ワタ~入るわよー」
レナとメリアが入ってきてどうしたのか要件を聞くと彼女達の何かを持っていてそれを後ろに持っている。
「ま、まさか追加の報告書か?」
「違うわ、この間の料理対決を見て私もワタの為に料理を作りたいなーって思ったから」
「ワタ様、昼食はまだ取っていませんよね?よろしければ私達がワタ様の為に作ってきました!」
2人が持ってきたのは豚肉のステーキ?みたいな料理とアイスクリームだ。
しかしステーキにかかっているソースは虹色に輝いている。
(ある意味芸術的だけど……)
それを見たエミリアは用事を思い出したと言って速攻で部屋から出た。俺も後に続こうと思ったが2人によって退路が塞がれてしまっている。
「さぁワタ様、私達一生懸命作りましたので、召し上がってください!」
「美味しいわよー」
この2人に悪意はない。むしろ逆に善意100%なのだがその善意によって俺は殺されそうになる。
「ほら、あーんして」
メリアがステーキの一切れを俺の口に運んできた。
(もう覚悟を決めるしかない!!)
俺は勇気をだして口に入れる。
(これはマスタード?でもワサビや唐辛子みたいな辛さがあるけど……)
そして口の中で“何か”が爆発した。例えるなら突如としてゲリラライブを行われてTNTを連鎖爆発し始めたぐらいに滅茶苦茶な味だ。
(何を言っているのか、俺もわからない。しかしこれはヤバい!)
思わずの辛さにアイスクリームを頬張ると見た目はバニラアイスに見えるが甘さが0%で、からしによる追加攻撃を口の中で繰り広げられる。
「み、水を……」
メリアは自分が作った特製のフルーツジュースを渡してそれを飲むと今度は苦味による嵐が口の中で繰り広げられる。
(フルーツジュースとはいったい?)
そのフルーツジュースが止めとなり、俺は意識を失うのであった。
外伝・異国の料理人編完
外伝異国の料理人は今話で終了です。
次話より新編に戻ります!




