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490.筋肉的悪党成敗!

 

 こっそりと逃げようとする人物にマスルは肩を掴んだ。


「ドコに行こうとしているんデス?」

「い、いや~それは」

「もう逃げられませんよ、トリックスさん」


 そう、今回エビファイと共にこの計画を実行したのはトリックス・メイだった。オゼット達はこの前の夜にモンスター達の襲撃に出くわしてその黒幕を探ろうと捜査していたところモンスターが襲撃して被害があったのは皆、この料理対決に参加する料理人だと分かったのだ。そこでオゼットは今回の黒幕はこの会場にいると判断してマリーのおつかいである人物に変装していた。


 それはバサリオン・チキナゲである。本物の彼はモンスターによって怪我をしてしまい、出場ができなくなったところをオゼットが仮に優勝したらアーガイル・ブランドと賞金は彼に譲るという条件で仮に成りすましていたのだ。


 オゼットは他の参加者の控え室にこっそりと侵入して怪しい物がないか探しているとトリックスとエビファイが今回の計画の内容を聞いてしまった。

 その内容はこの国の人々をモンスターにする。エビファイが優勝したら賞金とアーガイル・ブランドを貰う話だった。トリックスはエビファイが勝つように小細工をしていたらしいが、エビファイは己の実力で勝ち取るからその必要ないと口論をしていた。


 それをマリー女皇達に報告するとマリー女皇はオゼットに“おつかい”を頼んでトリックスとエビファイを監視していたらしい。


「ちくしょう!!」


 トリックスが逃げようとするとマスルはラリアットをかます。


「ぐはっ!」

「逃がしまセーン」

「仕方ない」


 トリックスは持っていた魔石を自分の心臓に埋め込む。するとトリックスは巨大なモンスターに豹変する。


「皆纏めてあの世に送ってやる!!」


 マスルを吹き飛ばしてトリックスはマリー女皇を人質として奪おうとする。アルメリアの氷の壁は解除している為、マリー女皇は捕まってしまう。


「痛い!」

「マリー様!」

「動くな!動けばこの女を」

「その汚い手で彼女に触れるな、雑魚が」


 何処からともなく見えない“何か”がトリックスの腕を切断する。


「オゼット、こいつに手を出すなよ。こいつは俺自ら審判を下す」

「え、え?」


 その声の持ち主は料理長だった。しかし彼の姿の面影がないほどに違う。140cmの身長は2mまで伸びており小太りだった体型は筋肉質に変わっている。


「じゃ、邪魔をするな」

「誰の許しを得て言葉を話している化け物」


 料理長は手をかざすとトリックスは口を急に閉じて膝をついて動けないでいる。どうやら重力魔法で動きを封じているみたいだ。


「料理長サン。ワタシも手伝いマスヨ」

「よかろう。存分に働け」


 マスルは自身に肉体強化魔法を掛けてトリックスの顔面を殴り、それと同時に重力魔法を解除してトリックスを奥の壁まで吹き飛ばした。

 料理長はトリックスの下に魔法陣を展開して今度は彼をくし刺しにした。腕を組んでいる状態で詠唱も無しにどうやって発動したのか気になるがそれよりもどうして料理長がこんな姿になっているのかをマリー女皇に聞いた。


 彼の本名はエルキューレ・ナイン・ピック。彼は相手の魔法と能力の発動及び効果を無効にし、相手の身体能力や筋肉を自分のステータス以下になるまでダウンさせる。その後、下げた数値分だけパワーアップする“ワンサイド・ナイン・ピック”という能力を持っており、発動中自分は詠唱を唱えなくても中級~上級魔法を発動することができるそうだ。

 しかしこの能力はデメリットがあり発動終了後に一定時間味覚と温度感覚を失ってしまう為、本人は滅多に使わないらしい。


 2人のマッチョによってトリックスはぶちのめされながら意識が遠のいていくのだった。





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