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477.夜襲は宴の如く


 厨房はもはや異次元と化している。先程のミノタウロスのポワレといい、次にドラゴンのステーキ、コカトリスの唐揚げ、マンドラゴラのスープとモンスターを食材とした料理が運ばれており、しかもその料理達はたった一人の料理人によって作られている。

 

 「エビファイシェフ、次にマグマピラニアの刺身がご注文入りました」

 「かしこまりました」


 エビファイと呼ばれた料理人はマグマピラニアというマグマで生息している魚を空中に投げると目にもとまらない速さで捌き、刺身が出来上がる。その刺身はそのまま下に落下すると置いてある皿に盛り付けられる。

 そして彼は自分とウエイトレス以外に誰かがいると気付いた。

 

 「お客様、ここは関係者以外立ち入り禁止ですのでどうかお席にお戻りください」

 

 エビファイに注意を受けて渋々と席に戻ろうとする中、エレザは彼の目を見る。その目はまるで冷たく光のない人殺しの目をしていた。

 

 元にいた席に戻るとシルヴィアとミレイユは食事を終え満足そうな顔をしている。


 「お帰り、どうだった?」

 「ああ、凄い料理人だった」


 エレザとキューレは注文したドラゴンシュニッツェルを食べ、完食すると4人は店を出て仕事場に戻ることにした。

 しかし彼の料理はとても美味しかったんだが、何かが引っ掛かる。モンスター達を次々と調理するその姿はまるで料理人というよりも戦場で生き抜いた戦士みたいだった。もし機会があれば戦ってみたいものだとエレザは血がたぎっていた。





 時は流れその日の夜。


 アルダート城から南東にあるパルメで王立警視庁自動車警ら隊からの増援要請を受けた、モンスター対策課の武装捜査隊の隊員6名は現場に向かっていた。

 それは例の民間人がモンスターになって暴れ出すという内容だ。

 

現場に隊員たちが駆けつけるとゴブリンが人を襲っていた。

元は民間人とはいえ、被害が拡大するのは避けなければならない。

やむを得ず駆け付けて来た隊員はHK416A6を構えて動きを止める為足を狙い撃つ。


 スドンッ!ズドンッ!スドンッ!


 何発か撃った弾の一つはゴブリンの足を貫いて動きを止めることができた。

足を撃たれたゴブリンは悲鳴を上げながら倒れ、一人は被害者の保護に向かい、もう一人はゴブリンを確保する為に近づいた。

 しかし、ゴブリンは再び立ち上がり隊員を襲った。


 「キシャアアアア!」

 「この!!」

 

 隊員はテーザー銃に切り替えてゴブリンに向かって撃つがゴブリンは避けて走ってくる。

 そして間合いを詰められ、ゴブリンは隊員の頭を喰らおうと大きく口を開いた。

 

 (やられる!)

 

 ダンッ!

 

 先程被害者を保護しに行ったもう一人の隊員がS&W M360でゴブリンの横っ腹を撃った。

撃たれたゴブリンは腹を抱えて倒れる。


 次第にゴブリンは元の人間の姿に戻り始める。

隊員は何があったのかを聞こうとするが民間人は意識を失っている。もう一人の隊員が保護した被害者に事情を聞くと彼とゴブリンになった民間人は煙草を吸っている最中に突然獣に変異して暴れ出したらしい。

 

 詳しい事情を説明してもらおうと署まで連行すると通信が入った。


 「大変だ!エルベ、ネガリア、セレデア、フェリアで多数のモンスターが出現!!」

 「なんだって!?」

 「進行方向は………アルダート城です!!」

 「直ぐに近衛軍と陸軍憲兵軍に連絡を!国王陛下と女王のところに行くまえに何とか止めるんだ!!」


 街の辺りは街灯の光りよりもモンスターの赤く輝く目が広まっていく……。


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