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466.会議の後のひと時

 

 ディエナはメリアに意味ありげな言葉を残し、一行は帝国へと帰っていった。

 こうして数年にも及んだ戦争はこの休戦協定の締結を以って一旦幕を閉じた。


 ただ、あれほど好戦的だった帝国から休戦を申し込んでくるというのはどうにも怪しく、何かを企んでいるようにしか見えない。

 しっかりとした休戦協定を結んだとは言えこれからも帝国の動きには細心の注意を払う必要があるだろう。





 迎賓館の門で一行の見送りをした俺とメリア、エレオノーラはユリア達より一足先に後宮へと戻った。

 後宮に戻り小腹が空いていた三人は食堂へと向かう。

 そこには既にエミリアやウェリス達がおにぎりとみそ汁を用意して待ってくれていた。


「おかえりなさいませ、両陛下、会議で少々お腹が空いていらっしゃるのではないかと思い、梅干し入りのおにぎりとわかめとシジミの入った味噌汁をご用意してお待ちしておりました」


 流石はメイド長のエミリア。メイドとしてのキャリアが長い彼女であればこういった主の求めそうなことを察して出迎えることは造作もないのだろう。


「ありがとうエミリア、丁度小腹が空いていたところよ。ワタ食べちゃいましょう」

「ああ、そうしよう」


 当然二人はみそ汁のいい匂いに引き寄せられるように大きなテーブルの端に並んで座る。

 そんな中エレオノーラだけは座らず俺の後ろに立ったままだ。


「ほら、エレオノーラもワタの隣に座りなさいよ。エミリア、彼女の分も用意しているかしら?」

「もちろんでございます女王陛下、今すぐにお持ちいたします」


 エレオノーラの分も当然用意していたエミリアは扉の近くに控えていた他のメイドに目線で指示を出す。


「だってさ、ほらエレオノーラも座って」

「は、はい」


 自分もまさか一緒に食べると思っていなかったエレオノーラは少々驚きつつ、俺の隣に座らせた。


「これってウェリスもエミリアと一緒に作ったの?」

「はい、少しでも料理が上手くなりたいと思ってエミリア様に頼んで、今回のお味噌汁は私がご用意いたしました。御口に会えばいいのですが……」

「そっか、それは偉いね!じゃあいただいてみようかな」


 俺は早速ウェリスが作った味噌汁はどんなものかと一口すする。

 口に入れた瞬間しっかりと魚介系の出汁の風味としょっぱ過ぎず薄すぎない丁度いい塩梅の味噌汁が口の中に広がった。


「……っ!うまい!いったい何を教わったらこんなにおいしくなるの?」

「あ、ありがとうございます!実は料理する前に本を読んで勉強していたのでそれが功を奏したのでしょうか……?」


 彼女はかなりの努力家のようで、料理以外にもメイドの仕事や戦闘訓練も自分に足りないことできなかった事を仕事が終わった後にエミリアや教官のレナに直接教わりに行っていたという。

 しかも仕事の少ない合間を縫ってそれ以外に必要だと思った魔法の勉強していたのだとか。


 メリアも俺に続いて味噌汁を口に入れる。



「どれどれ……、うんっ!美味しいわね!」

「ありがとうございます!」

「では私も頂きます……、美味しいですね!確か出雲国で同じようなものを飲んだ気がしますが、そこよりもおいしいかもです!」


 


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