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41.インターセプト!

 

 許可?を得たワタたちは敵斥候部隊を攻撃するため正面の街道を大きく迂回し街道沿いにある森に移動することにした。


 しかし、そのためには敵の斥候部隊の主力である騎兵よりも早く移動しなければならなかった。


 その問題を解決するために、途中道を少しはずれ、俺はLiSMを取り出し今回は車両を呼び出した。


 呼び出したのは、アメリカ軍で現在使用されているHMMWV(高機動多用途装輪車両)、通称“ハンヴィー”だ。

 民生用売り出している同型のものを“ハマー”いう。


 このハンヴィーはいろいろなキットや増加装甲などを取り付けることによって様々な任務に対応できる車両で、車両の屋根の部分にM249や今回の作戦で使用するM2なども取り付けることが可能だ。


 今後の移動や作戦でも使用しやすいのでこれを選んだ。


「よし!みんなこれに乗って敵の側面まで行くぞ!」

「ワタ様?何ですかこの鉄の箱みたいなものは?」


「これか?これは“ハンヴィー”って言って複数の兵士が移動するための、君らで言うと……馬なしに動く馬車みたいなものかな」


 説明を受けて不思議そうにしていたサクラは、ハンヴィーに近づくといろいろな箇所を見て回っている。


「こんなものどうやって動かすんだ?馬車より重くてとても動きそうにはないが?」


「こ、こんなものとは何だこんなものとは!ワタ殿が召喚したものに文句をつける気か貴様は!」


「黙れ!奴隷風情が!貴様に聞いておらん」


「まぁ、落ち着けってシルヴィア、サクラもそんなにいうことないだろ?確かに君からするとへんてこなものに見えるかもしれないが……まぁ、見てろってここをこうしてブツブツっと」


 車は今の今まで運転をしたことがなかったが、メリア曰くLiSM内のものはすべてマニュアルを読まずに俺は動かすことができるらしい。


 なので、運転も操作もしたことはないがエンジンをかけることに成功した、俺は試運転と彼女らへのデモンストレーションもかねて少しだけアクセルを踏み動かしてみた。


「どうだ?動くだろう?このハンヴィーは馬より速くて、馬より遠くに行くことができるんだぞ!」


「そ、それは本当か!?そうしたらわが軍は勝てるかもしれない、ワタ……いやワタ殿、感服いたしました、先の無礼お許しください」


「いいよ、わかってくれたみたいだし、とりあえずみんな乗って」


「これはすごいな!やはりついてきたかいがあったものだな、銃ではなくこのようなものまで召喚するとは……」


 エレザは一人でハンヴィーを見て何かをつぶやいているが、俺はあえてそれを無視することにした


 このハンヴィーを理解し、次々と乗り込んでいく中、だた一人、口をだらしなく開け動かないのがいた。


「なぁ、ミントどうした?お前も行くのだぞ?」

「はっ!へ?あッ、ハイ!つい見惚れてしまって……ごめんなさい」


「何を言っているんだ!しっかりしろ!行くぞ!」


 そんなこんなで、すし詰め状態でハンヴィーに乗った一行は、ものすごい勢いで森の中を飛ばしていく、途中何度か木にぶつかりそうになりながらも何とか目的地に到達した。


 到着すると運良く、森から200mぐらい離れたところに斥候部隊が小休止しているところを発見した。

 すると、車を降りるや否や俺以外全員、SIG716、HK416を構え臨戦態勢に入った。


 ちなみにサクラとミントには事前に王宮でこの作戦で必要になるからと、ほかの幹部や上級兵士・騎士たちと共に射撃訓練を受けてもらっていた。


「“隊長”ご命令を」

「隊長?なんで?」


「これから、ワタ殿は王となる身、これから多くの兵を率いていくうえで、今から指揮を執っていかなければなりません」


「おう!任せろ! じゃあ、安全装置解除!初弾装填確認!ベルは指揮官を各個狙撃、ミント、サクラ、シルヴィアは全力射!合図ののち射撃開始!」


「「「「ハッ!」」」」


 命令を受けたベルたちはきびきびと動き、銃に装備している二脚を立て、所定の位置に伏射の状態でつく。


「準備完了!」


 俺はハンヴィーの屋根の上に取り付けてあったM2に帯状になっている弾帯を込め撃つタイミングを窺う。

 敵はあれほどエンジン音がしたというのにのこちらに気付いていないのか、一切の動きが見られなかった。


「撃てッ!」


 俺はしびれを切らし、射撃を開始する。


 ドドドドドドドッ、ドドドドドドドッ


 合図に続きベルたちも射撃を開始する。


 ダンッダダダダダダッ、ダダダダダダ


 敵の兵たちは、何も反応できないまま意識を刈り取られていく。

 あるものはこちらの遠距離攻撃に気付き地面に伏せ身を守ろうとしたものがいたが、ベルの狙撃によって討たれていく。


 200人いたはずの敵であったが一分もしないうちに8割ほどが死に絶え、残りの2割中に動けるものはごく少数にまでになってしまっていた。

 用意しておいた弾の残弾を全て打ち尽くした時には、そこに動くものは残っておらず、無数の骸が残されていた。


 ただ、ベルによると一人だけ逃走を図り脱出したものが出てしまったとのことだった。


「さすがワタ様!雑兵どもを木っ端微塵にしてやりましたね!」


「俺だけじゃないよ、君だって指揮官らしき奴を討っただろう?それが一番立派な戦果じゃないか」

「えへへっ!ありがとうございます!」


 敵がいないことを確認してからいったんここで小休止をとることにした。



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←いつも読んで頂きありがとうございます。
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