463.女帝との会合4
今回は短めです、、、
遅れてやってきたエンペリア王国の女王によって一時は一触即発
場の空気が一旦リセットされたところで、メリアはこれまでずっと気になっていた事を口にする。
「そろそろ、そのベールとってもらえる?私たちにさんざん失礼って言っておいて、自分たちは顔を見せないのはどうなの?」
「おっと、これは失礼」
メリアの指摘に素直に従って、女帝は自分の顔を覆っていたベールをとる。
「これでいいかしら?」
しかし、その顔を見たメリアはすぐに彼女が女帝ではなく別の人物だという事に気付く。
「……あなた、宰相のレレーナよね?」
「フフッ、どうやら隠しても無駄なようだな」
バレたと分かると、レレーナはすぐ隣に座っていた同じ格好をしている女性に視線を送る。
「バレたなら仕方がない」
隣の女性も観念したのか、自らの顔を覆うベールをとる。
「やはりあなたが女帝ディエナね」
「ご名答、久しぶりメリア」
「ええ、あの時以来ね」
メリアは最初から彼女の事を知っていたようで、顔がわかったところで特に驚く様子を見せなかった。
さらに二人は以前あっていたようで、簡単な挨拶を交わす。
隣にしわっていたヴィアラやエレシアも面識があったようで、顔を見た瞬間「ああ、こいつか」というような表情になっていた。
しかし、一人だけは周囲の人間と明らかに違う反応を見せていた。
俺はディエナの顔を見た瞬間その驚きのあまりに固まってしまったのだ。
それは驚くほど綺麗だとか、好みだったとかそういうものではなく明らかに見たことのある人物が目の前に現れたからだ。
「っ!……うそ、だろ?」
あまりの驚きに心の声がそのまま漏れ出ていた。
「どうしたの?」
メリアは驚き動揺する俺の様子に心配そうな顔を向ける。
「人の顔をみて、固まるとは何事なの?“ワタ”?いいえ、今は違うわねコンダート王国国王?」
「俺の名前をしっている?だと?」
女帝と呼ばれる彼女は俺の亡くなった「葵姉さん」にそっくり……、否、“同じ”だった。
背丈や唇の左下にあるほくろや細くきりっとした目、胸の大きさ等々、特徴が怖いほど同じだった。
ただ、それ以上聞くことが出来ないまま、会議は始まった。
「フフッ、やっと会えたわね?それより早く始めましょ?自分の国じゃないから落ち着かないの」
「え、ええ、ではユリアあの書類をお渡しして頂戴」
「はい」
(葵姉さん?葵姉さんが生きている?何故だ?あの時死んだはずなのにどうして?しかも「やっと会えた」って?)
俺はディエナの最後の一言によって頭の中の思考が全く追いつかず、ただただ茫然とするだけだった。
そんな固まったままの俺は話せる状態にないと思い、メリア、そしてユリアや外務大臣、エレシアやヴィアラが話を進めてくれた。




