451.間一髪!
次に西部海域についてだ。
この海域には第5・6艦隊と第2空母機動艦隊がエンペリア王国海軍とともに展開していた。
この海域では最近の情報にあった帝国海軍の最新鋭艦から、これまで一度も確認されてこなかった遠距離飛翔魔法による攻撃を受けてしまっていた。
攻撃を受けた第5、6艦隊はエンペリア王国海軍と共に海洋上に浮かぶ帝国の島を強襲上陸する為航行中だった。
攻撃は何の前触れもなく突然行われ、レーダーにも反応がなかった事から反応が遅れてしまっていた。
艦隊の外縁にいたイージス艦が艦橋から目視でその攻撃を確認しようやく迎撃態勢をとった。
ミサイルと主砲とCIWSで迎撃しようと試みたが、ミサイルはまずレーダーが反応を示さない為そもそもロックオン自体できず断念。
次に手動操作で主砲を発砲し攻撃をしたが手動での発砲だったため砲弾を上手く当てることが出来ず、何とか近くで爆発させて進路を逸らすか運が良ければ消滅させることが出来た。
それでも撃ち漏らしがあるので近くを通り抜ける魔法はCIWSや機関銃等といった火器で迎撃するが銃弾は全てすり抜けてしまい効果がなかった。
敵からの攻撃を迎撃失敗してしまったのは艦隊に向けて飛翔してきているものが配備されている艦艇に装備されている各種防空システムが想定している砲弾やミサイル、戦闘機といったものではなく、魔法で構成された塊だったからだ。
戦艦大和と武蔵は麾下のイージス艦が迎撃出来ないところを見て、主砲で三式弾を発射。
命中させる事は叶わなかったが、至近で爆発させる事には成功し、撃ち漏らしたものの内7割を消滅させることに成功していた。
しかし、全体の内数発が戦艦陸奥、長門、ビスマルクに着弾。
結果、被弾した戦艦陸奥と長門、ビスマルクは中破してしまった。
そのうち一番被害が大きかった長門は船尾に命中し爆発した為推進装置が損傷し、自力航行不能に陥っていた。
陸奥に至っては後部2番砲塔と1番砲塔の中間に命中してしまい、両砲塔が吹き飛ばされてしまった。
しかし、幸いなことにダメージコントロールが上手くいき弾薬庫には引火せず大爆発することは防がれた。
ビスマルクも前部1番2番砲塔に命中。砲塔内にあった弾薬以外の爆発こそ免れたものの大きく損傷してしまい使用不能に、さらに右舷側も命中し若干の浸水が発生していた。
被害を受けてしまったこれら3隻は戦闘継続不可能との判断がその場で下され、航行能力は問題ない陸奥とビスマルクに長門は曳航されながらファルナ海軍基地へと引き返し、今現在修理が行われている。
上陸作戦支援を終えた残存する第5・6艦隊はこの攻撃を仕掛けて来た帝国海軍軍艦の捜索を行ったが、その時には既に周辺海域から姿を消してしまっていた。
すぐに追跡して攻撃すれば沈める事も出来たが、それよりも上陸支援部隊をさらに攻撃を仕掛けてくるかもしれない帝国海軍艦艇から守ることを優先させていた。




