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445.一時休戦

 

 手紙を託された副守備司令はティガーⅠ戦車4両で構成された戦車小隊を引き連れ、一路4㎞先にあるコンダート王国第26機甲師団の指揮所へと向かった。


 副守備司令の率いる戦車小隊4両全ての車両上部には大きな白旗を掲げさせていた。

 さらに奇襲の意図はない事を王国軍に示すため、砲塔を車両後部に向けていた。


 陣地を出た戦車小隊は自軍が敷設した地雷原を通らねばならず、1㎞進むだけでも1時間かかってしまっていた。


 何とか地雷原を抜けた戦車小隊はその先の小高い砂丘を越え平地に出ると、そこには一帯を埋め尽くすほどの量の戦車や装甲車がずらりと並んでいる光景がひろがっていた。

 戦車や装甲車が縦横ずれることなく綺麗に並んでいる事から、しっかりと統率の取れた部隊だという事がわかる。



「副守備司令、王国軍戦車部隊が見えてきました」

「流石は王国軍といったところか。これをこれから相手にするのか……」


 車両前方右側にいる通信手から王国軍が見えて来たという報告を受け、副守備司令はキューポラにあるペリスコープ越しに前方を見て愕然とする

 その光景を見た副守備司令は心の中で「こんな大軍に勝てるはずがない」とつい思ってしまう。


「今が戦闘中でしたら、今頃我々は木っ端みじんにされているかもしれませんね。いやぁ恐ろしい」

「ああ、そうだな、小隊長。ただそう遠くない未来そうなるかもしれんのだぞ」

「おっと、これは失礼しました」

「小隊長、ちょっと気を抜きすぎじゃないですか?」

「あはは!そうか?」

「君たち、戦闘が一時中断されているとはいえ、目の前には敵が居るんだぞ!もう少し緊張感を持ってくれないか」

「これは副守備司令、失礼いたしました」


 ピリピリとした態度の副守備司令に対して、車内の兵達は戦う必要が無いと思っているためか、かなりほのぼのとした雰囲気であった。


「こちらに王国軍戦車が急速接近!その数16両!」

「了解、恐らく彼らは我々を迎えに来たんだろう。それにしても一個中隊もよこしてくるとはだいぶ大袈裟だな」


 王国軍部隊が見えてから暫く進んでいると、ものすごい速さでこちらに向かって戦車中隊が向かってきていた。


 あっという間に接近してきた戦車中隊は帝国戦車小隊の周りを取り囲んだかと思うと、我に続けという合図を出してくる。

 その指示に素直に従い帝国戦車小隊は王国軍陣地へと入っていく。


 陣地内に入り停車するとすぐ、10人ほどに守られた指揮官らしき人がこちらに歩み寄って来た。


「私はコンダート王国陸軍第26機甲師団隷下第26戦車連隊長である。部隊指揮官にお会いしたい」

「私が帝国軍ディア砂漠守備陣地副守備司令である」

「お待ちしておりました、戦車より降車して徒歩で指揮所までご同行願います」

「出迎えご苦労、判った。小隊長君も下りるんだ」

「はっ!」


 副守備司令は第26戦車連隊長に促され戦車を降りる。

 それに伴って小隊長も一緒に降りた。


「失礼ですが、身体調査をさせていただきます」

「勝手にやってくれ」


 戦車を降りた副守備司令と小隊長はやって来た王国軍兵士によってボディチェックを求められる。

 それに対して2人は抵抗することなく両腕を横に大きく広げ身をゆだねる。


「こちらの武器はお預かりさせて頂きます」

「ああ、構わない」


 副守備司令の腰に付けてあったColtM1911A1(通称コルトガバメント)とサーベルは王国軍兵士によって没収される。

 小隊長も腰に付けていたColtM1911A1も同じく没収されていた。


「ではこちらへ」


 ボディチェックが終った副守備司令と戦車小隊長はそのまま、第26戦車連隊長に連れられ指揮所へと向かった。



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