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432.処断



 「動くな!これよりこの軍は我々の指揮下に入ってもらう」

 「裏切り者?あなたがただただ“無能”なだけでしょう?少し計画より早いがここで王女殿下とウィルアス中将には死んでもらおう!」

 「待てッ!やめろ!」

 

 どうやら彼らはローザとウィルアス、ガルドをこの場で射殺し、この部隊ごと自分たちの指揮下にいれてしまおうという算段のようだ。

 ローザとガルドを人質に取られている為、周囲にいたコンダート王国軍側の警備兵はうかつに動くことが出来ず固まってしまっていた。

 アスカ中将も反応するのが遅れ剣に手を置いて固まってしまった。


 瞬く間に人質がとられてしまった為、誰もが諦めたその刹那。

何かが光ったと思うと両師団長の腕が銃ごと床に転がっていた。


 「なっ!うわぁぁぁぁ!」

 「う、うでがぁぁぁぁ!」


 両師団長は激しい痛みに襲われ絶叫する中、裏切る態度を見せた両師団の参謀とその部下達の腕も次々と切り落とされていった。

 切り落とされる瞬間彼らの周辺には一本の閃光が走っていた。


 「フッ、その程度か……」


 チンッ!

 

 鞘に剣が収めながらそう言うのはウィルアスだ。

 その様子から反旗を翻した人間に対して攻撃をしていたのは彼女だとわかる。


 「ウィルアスよくやったわ」

 「なんの、これぐらい朝飯前です」

 「一先ず騒がしいので……、ブストル!」

 

 ウィルアスは腕を斬られた痛さで悲鳴を上げている連中に対して止血魔法を使った。

 

 「な、何故殺さない!」

 「それは、貴様らが一番わかっているだろう?」


 彼らの問いにウィルアスは不敵な笑みで返す。

 ウィルアスの表情を見た瞬間、師団長達はこれから自分たちの身に起こる事を察し、顔から一気に血の気が引いていた。


 「ま、まて、話せばわかる、これには訳があるんだ」

 「ああ、そうだな、これからゆっくり話そうじゃないか」


 ウィルアスは言い終わると、後ろに控えていたアスカ少将に視線を送る。


「憲兵!こいつらを連れていけ!」

 「「「はっ!」」」


 アスカ少将に呼ばれた憲兵によって裏切り者たちは連行されていった。



 「これでわかっただろう?ガルド。君の部下、いや君の部隊のほとんどはこいつらによって侵されていたんだよ」


 ガルドはこれまで騙されていた事がわかりうなだれていた。

 さらにウィルアスによって現実を突きつけられ、彼は大きなため息をついた。


 「はぁ……、く、くそ……」

 「ただし、これはガルド中将だけの問題じゃない、だから、ガルド中将には命を懸けてこの問題に取り組んでくれ、これが女王陛下からあなたへの“罰”よ」

 「はっ!不肖ガルド、生まれ変わった気持ちで、精一杯やらせていただきます」


 しかし、ウィルアスの口から出た「女王陛下からの“罰”」という言葉を聞いたガルドはこれまでの態度とはうって変わり、背筋

を一気に伸ばし、挙手の敬礼をしながら再出発を誓った。




 「ただし、二度はないぞ、ガルド。もしその時があれば私が直接貴様を処罰する。いいな」

 「はっ、肝に銘じます、王女殿下」

 「頼むぞ」



 「良し、ではこれからについて君に伝えておこう」


 ローザはガルドの部隊の再構築についてとエンペリア・コンダート混成集団の今後の動きについて話し始めた。


 まず、彼には今も残る工作員と内通者の洗い出しはコンダート王国中央情報局や統合参謀本部情報参謀総局第3副総局第5局のエージェントが既に入りこみ開始していることを伝え、その調査が続いている間は首都に戻り再編成を行う事を命じた。

 部隊の再編成を行っている間は作戦を進むことが出来ない状態なので、代わりにウィルアス率いる近衛第1機械化騎兵師団とアスカ少将の率いるコンダート王国近衛第5師団、第3機械化歩兵軍団を編入させることになった。

 

 結果、エンペリア・コンダート混成集団はコンダート王国陸軍が主力になり今後の作戦を進めることになった。





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