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424.アレクシドロ最終決戦2

 

「報告!上空を偵察中の航空隊によれば、城の跡地に生存者が確認できるとのこと!」

「あれだけの砲撃に耐えたのか?それは確かか?」


 艦砲射撃でアレクシドロは陥落すると思われたが、上空からの偵察によって城があった中心部付近に人影が多数見受けられるという報告が統合戦艦「アルダート」艦橋にもたらされた。

 ロンダルキア中将はその報告に眉をひそめていた。


「はっ、AH-64F飛行中隊の低空飛行偵察をした結果からもその情報が確かと断定されています」

「わかった」


 さらに追加の情報でその残存している兵は地下から出てきていることが確認された。

 このことから、砲撃に耐えられるほどの地下施設をアレクシドロの守備隊は構築していたという事がわかる。

 ただ、どうやって51㎝砲の砲弾を耐えることが出来たのかが疑問に残った。


「念には念を入れよう。再度対地砲撃を行え、弾は榴弾ではなく全て徹甲弾に変更するんだ」

「「「了解」」」


 ロンダルキア中将は地下に潜む敵をできるだけ減らそうと考え、これまでの砲撃で榴弾を使っていたのを地下の施設まで貫通できるようにと徹甲弾に変更し再度砲撃を命じた。

 さらに加えて、これまでナパーム弾を装備していたCF-1戦闘機を地中貫通爆弾(通称バンカーバスター)に全て換装させ、山側に攻撃をさせることにした。


 二回目の砲爆撃を開始するという連絡を受け、再びアレクシドロ城から第5海兵連隊と第51海兵連隊は離れていた。

 ウェルフェン大佐と第51海兵連隊長の二人は再び始まった砲爆撃をただただ茫然と見つめていた。


「海軍は地形を変えるつもりか?」

「もはや原形留めてないな……」


 二人が言うように小高い丘のようになっていた城があった場所は、二度にもわたる激しい砲爆撃でえぐり取られ、今は町の高さとほぼ変わらないほどまでになっていた。


「連隊長!第11艦隊による砲爆撃が終了したとの連絡が入りました!」

「わかった、すぐに部隊を前進させろ!」

「了解!」


 砲爆撃が終ったという連絡が入ると、後退していた二つの海兵連隊は城を占領する為に再び前進しはじめた。


「もう奴らは攻撃してこないだろう」

「いいや、あれだけの陣地を構築していたんだ、彼らをなめん方が良い」


 前進し攻撃せよとの命令を受けた第5海兵連隊の各大隊は再び敵の最終防衛ラインへと到達していた。


 到着後各大隊はまず周辺に毒ガスを発生させる装置やブービートラップ等が仕掛けられていないかの確認作業から入った。

 案の定そこら中にトラップが仕掛けられており、中でも苦しめられた毒ガス発生装置がその多くを占めていた。

 仕掛けられていたトラップの全てを解除した各大隊は、次に敵の残存兵力がどれぐらいなのかを最終確認するために城へと偵察部隊を送り込んだ。


 偵察部隊は城へと侵入していった。

 侵入する際には本来であれば門をくぐっていくのだが、もちろんここも砲爆撃によって完全に破壊されており今は瓦礫だけが残されているだけだ。

 門であった場所を抜けると城本体へと続く道があるのだが、爆発によって地面が火口のように大きくえぐられており、進んでいくのが非常に困難。

 ようやくの思いで城があった場所付近に到達した偵察部隊は双眼鏡等を使って敵陣地を確認する。


「おい、嘘だろ」

「どうした?なにが見える?」

「敵兵がこちらに銃を向けて来ています!それに弓もです!」


 そこには瓦礫に身を隠しながらこちらに銃や弓を向けてきているアレクシドロ城守備隊と思われる兵がずらりと並んでいた。

 しかも、その数は少なくとも2000以上はいるだろう。

 その光景に偵察部隊長は驚きを隠せずにいた。


「おい、嘘だろ?本当に海軍の奴らは砲撃したのか?」

「隊長ここは、撤退し……」


 これ以上の偵察は続けるのは難しいと判断した隊員の一人が隊長に「撤退しましょう」と言おうした瞬間。

 前触れもなくいきなり城側から激しい攻撃を受ける。

 弓や銃での攻撃ではなく爆裂魔法も飛んできた為、全く抵抗できず10人で構成されていた偵察部隊は全滅してしまった。





 偵察部隊を送ってから数十分後。

 各大隊は偵察部隊が戻り次第攻撃を行うため、準備を整えていた。


 そのさなか突然、城の方向から発砲音と爆発音が鳴り響いた。


「今の音はなんだ?偵察部隊はどうなった?」

「城の目前まで侵入したとの報告から、通信が途絶しました」

「クソッ!やられたか。装甲車両がないのが痛いな」


 攻撃されている中でも比較的安全に敵地を進む事の出来る装甲車であれば、この状況でもある程度は進めるはずなのにと思ったウェルフェン大佐であったが、浜をとれていない現状、車両を陸揚げできないのでそれは叶わない。


「一先ず盾を前にしながら瓦礫があるところまで進めましょう」

「そうだな、今はそれしかない。必要に応じて重迫撃砲中隊に支援要請するように各中隊長に伝えろ」

「了解」


 こうしてアレクシドロ城での最後の戦いが始まった。


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←いつも読んで頂きありがとうございます。
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