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416.帰還

 

 イージス巡洋艦レイク・シャンプレインによって無事救出されたチーム3の隊員たちは船体後部飛行甲板上で、艦内で作られたばかりの暖かい料理を食べていた。


 しかし、食事をとっている彼らの表情は複雑で、ようやく安全な場所にたどり着き安心したという気持ちと二人の仲間を失った悲しみの気持ちが入り混じっていた。


 そんな部下達に対して、アランドロス大佐だけは、食事もとらずレイク・シャンプレインのCICに向かっていた。


「すぐに統合戦艦にいる第11艦隊司令官に繋げてください!」


 アランドロス大佐はCICに入るや否や、レイク・シャンプレインの艦長に掴みかかる勢いで統合戦艦にいるロンダルキア中将につなぐように詰め寄る。


「わ、わかったすぐにつなげる。おい!アルダートに繋げてくれ!」


 詰め寄られた艦長は、その気迫に押され理由を聞くことなくすぐに通信兵に繋げさせた。


「……、繋がりました!」


 繋がった事がわかるとアランドロス大佐は何も確認せずに艦長の前にあった受話器をとる。


『私だ、ロンダルキア中将だ』

「ロンダルキア司令官、私です、アランドロスです」


『おお、偵察ご苦労だった、無事でよかった。途中事故があったようだが、何があったんだ?』

「そのことをいち早くお伝えするために、今繋いでおります」


『聞かせてもらおうか』

「はい」


 そのまま、アランドロス大佐はロンダルキア中将にアレクシドロ城下町で起こっている事の次第を伝えた。


『そうか……、それが原因で住民がアレクシドロから逃げていないんだな……、というより、逃げられなくさせたというのが正しいかな?』

「司令官のおっしゃる通りです、恐らく……、いえ帝国軍のことですので、住民達を肉の壁にしてあわよくば王国軍に対して攻撃させようという目論見でしょう」


『私もそう思うよ。既に作戦は始まってしまったが、海兵隊の指揮官にもしっかりとこのことを伝えておく。よくやってくれた、一先ず君も休むんだ、いいね?』


「はっ!お心遣い感謝いたします!」

『では、失礼する』


 報告が終わった事で少し肩の荷が軽くなったアランドロス大佐は、静かに息を吐く。

 受話器を元の位置に戻したアランドロス大佐は、艦長に向けて頭を下げた。


「艦長、突然押しかけたのにも関わらず受け入れて下さりありがとうございます。また先程は失礼しました、このご無礼お許しください」

「いや、いいんだ。むしろ、ありがとう。狭いがこの艦で少し休んでいってくれ」

「お気遣い感謝いたします」

「それと、明日には彼を送り出そう」

「はい」







 アランドロス大佐からの報告を聞く前に、上陸作戦は既に開始されており、統合戦艦や各強襲揚陸艦の上空には先遣部隊が設営した前線基地へ向けて、兵員と兵器を輸送するヘリが絶え間なく飛び回っていた。


 ロンダルキア中将は聞いた情報をもとに指示をする為に、既にアレクシドロ城の内陸部側にある前線基地に到着している第5海兵連隊連隊長のウェルフェン海兵大佐に通信を入れていた。


「私だ、ロンダルキアだ、ウェルフェン大佐か?」

『はっ、ウェルフェン大佐であります』


「先ほど、アレクシドロに潜入していた部隊から町の情報が入った」

『無事だったんですね』


「ああ、2名戦死者がでてしまったがな……。それもそうだが、君に伝えなければならない事がある」

『はっ、何でしょうか?』


 ロンダルキア中将は


「……、という事だ。そういうことだから、アレクシドロ城下町にいる住民はほぼ全てが敵だと思え、ただ、やむを得ず従っている住民達もいるかもしれない、そういう人たちは必ず救出するように」

『それはどの様に判断させたらよいのでしょうか?』


「アランドロス大佐曰く、異常な行動が見られた住人は目の色が赤かったそうだ。さらにこちらの話を全く聞く耳を持たず、いきなり襲ってくる」

『目の色と行動を見て判断すれば良いのですね』


「ああ、そうだ。それと最後に、今回のチーム3が食糧庫の破壊する任務を失敗してしまったから。陣地に立てこもられる可能性があるからできるだけ早期に……、一週間を目処に攻略をしてくれ」


『了解いたしました。全部隊に周知徹底いたします』

「頼むぞ」


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