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411.チーム3

 

 第5海兵隊連隊による上陸作戦が行われる前日。


 アランドロス大佐率いるネイビーベレーチーム3はアレクシドロの城下町の偵察の為、闇夜が支配する深夜に乗っていた「バターン」からゴムボートに乗り込み港町の浜辺に上陸していた。

 このチーム3を率いるアランドロス大佐は、チーム4のエルノイド大佐と同期で、彼もエルノイド大佐に劣らぬベテランだ。



 予め決めていた浜辺に上陸すると、乗って来たゴムボートを岩場に隠す。

 点呼が終ると、アランドロス大佐はハンドシグナルで合図を出し、ゆっくりと城下町の方向に歩き出していった。


 城下町を取り囲む城壁の周りと城下町の入口には複数の帝国兵が完全武装の状態で警戒している。

 チーム3の隊員たちは警戒している帝国兵を、サイレンサー付きのHK416A6で次々と射殺していく。


「櫓に一人、狙撃せよ」

「……了解」


 櫓の上で警戒している兵には本隊とは少し離れた位置にいる狙撃手が一発で仕留める。


 パスッ!

 ガン!ドタッ!


 狙撃は見事成功したものの、標的は後ろにのけぞるようにして倒れた為、その勢いで手すりを乗り越え櫓の上から落ちてしまい、落下の衝撃で大きな音がしてしまう。


「おい!今のはなんだ!」

「櫓の方向から聞こえたぞ!」


 音に近くにいた帝国兵が反応し、櫓に駆け寄って来てしまった。

 しかし、そんなちょっとしたアクシデントが起きてしまったが、チーム3の隊員たちは近寄って来た帝国兵を射殺し、事なきを得た。


「脅威排除」

「了解」

「入口も制圧完了」

「全員隠したか?」


 アランドロス大佐はチーム3の隊員たちに射殺した帝国兵を気付かれにくいように隠したか聞く。


「ええ、全て近くにあった小屋の中に収容してあります」

「よくやった。全員中に入るぞ」

「「「了解」」」


 上陸し城下町の入口の敵を排除した彼らは、偵察目標であるアレクシドロ城と城下町にある軍関係施設へと向かった。


 完全な闇夜に支配されているアレクシドロ城下町をチーム3の隊員たちは進んでいく。

 彼らは皆、ナイトビジョンゴーグル装備しているので、暗闇の中でも自由自在だ。


 隊員たちは町の中の各の家々を確認していくと、住民達が避難せず普段通り寝ていた。



「リーダー!他の家にも一般市民が残っています!」

「やはりか……、ビラや避難勧告程度では効果は薄いよな」


 隊員からの報告に対してそう漏らしたエルノイド大佐は、住民に対するビラや拡声器による避難勧告には元々懐疑的な立場だったからだ。


 というのも、もし仮に住民がこのアレクシドロの町から避難を開始したとしても、彼が既に得ていた情報から、既に南に20㎞先には王国陸軍が迫ってきていること。北へ向かえばケルハーフェンという町があるが、その町まで150㎞あるうえに道中には魔物が出る深い森林がある為非常に危険だということ。さらに、西側も北側と似たような大きな森がありこちらにはゴブリンが多く生息している為誰も行きたがらないといった事がわかっていた。


 このことから、危険を冒してでも自主的に避難しようと思う住民がほぼいないだろうという結論に彼は至っていたのだ。

 とはいえ帝国軍が全面的に住民を支援しながら避難させる事をすればその限りではなかったが。


 当然彼はこのことについて「バターン」の艦長を通して、第16艦隊司令に「この作戦は効果がない」という意見を具申したが、聞き入れてもらえなかった。


「これでは、明日の爆撃と砲撃に住民も巻き込まれてしまう。一先ずバターンのCICに報告いれろ」

「了解!」


 こうなってしまった以上はやる事が限られてくるので、通信員は一度強襲揚陸艦バターン艦内のCICに報告した。


「チャーリー1からブラックピアードへ」

 『チャーリー1、そうぞ』


 応答してきた通信員は夜遅いという事もあってか、少し眠そうな声をしている。


「小鳥は籠の中、繰り返す、小鳥は籠の中」

『ブラックビアード、了解』

「引き続き、偵察任務を行う、アウト」

『健闘を祈る』


 通信を終えると、チーム3は町の偵察を続ける為、また音を立てずに町の奥へと進んでいく。




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