407.統合戦艦「アルダート」
帝国東部アレクシドロから12海里離れた海上。
そこにはアレクシドロを海側から包囲するような形で、最新鋭の統合戦艦のネームシップ(一番艦)の「アルダート」と「ハミルトン」の2隻が配備されている第11艦隊と第4遠征打撃群が展開していた。
そしてこの第11艦隊は統合戦艦就役と共に新設された艦隊で、同じ艦隊が第11艦隊の他に6つ新設されていた。
新設された艦隊は統合艦隊2隻の他に、国産化したイージスシステムとVLS搭載の重巡洋艦2隻と軽巡洋艦4隻、駆逐艦8隻で構成された護衛艦群×2と給油艦×2隻と統合輸送艦(弾薬、食糧、兵器)×6、工作艦×2で構成された補給艦群によって編成されており。
それに加えて統合戦艦1隻につき9つの空母航空団が配備されていて、CF-1戦闘機とそのほか支援機(哨戒・輸送・救助、戦闘ヘリ、早期警戒管制機)を全て合わせると576機にもなる。これは元居た世界の航空自衛隊の航空機総数のおよそ3分の1の数に匹敵する。
これが2隻分ともなると元居た世界の中小国家の空軍に匹敵する(1152機)。
またさらに、統合戦艦船尾部にはウェルドックも備え付けられており、通常の揚陸艦よりは少し劣るものの、2個海兵大隊を揚陸する能力を持っていて、常に二隻が同時に動くので合計で1個連隊を揚陸することが可能だ。
つまり、この統合戦艦は戦艦、空母、強襲揚陸艦、イージス艦の4種がまとめられている為、単艦だけで上陸作戦・空爆・対地艦砲射撃・一定地域又は海域上空の制空権確保・艦隊防空といった各種任務こなすことが可能なのだ。
とはいえ、この艦が敵に何らかの奇襲を受け撃沈してしまっては大損害を被る事になるので、空母同様各種護衛艦艇に守られながら行動することになっている。
「いよいよですね」
そう隣にいる上官に話しかけているのは「アルダート」の艦長のガンダルシア・エミリア少将だ。
彼女は元戦艦「大和」艦長であったが、姉の推薦によりこの巨大艦の艦長として就任していた。これに伴い大佐から少将へと昇格していた。
「ああ、そうだな」
そして彼女の隣にいるのは、第11艦隊司令官のロンダルキア・コリー中将という白髪白髭が特徴の齢67の男だ。彼は先の大戦初期まで王国海軍で活躍していた人物で、大戦中期以降にとある病気を発症し療養していたが、最近回復した為今回復帰したのだ。
二人が見る先には1500mの長大な飛行甲板から次々と爆装したCF-1戦闘機が発艦していき、上空で編隊を組んでいた。
これから飛び立っていった戦闘機は、彼等より偵察の為に先行している戦闘ヘリと昨夜に上陸して偵察しているネイビーベレーチーム3が送ってくる情報をもとにアレクシドロの港町と城下町それぞれを爆撃することになっている。
統合戦艦、、、大分規格外の船になってしまいました(;'∀')




