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405.作戦会議

 

 レイブンの映像を見終わってから6時間後。

 オゼットと真理を呼び、再び執務室に集まってもらった。

 

「やぁ、オゼット、少しは休めたかい?」

「ええ、用意していただいた部屋で、数時間仮眠をとっていたので、軽くリフレッシュ出来ましたよ」

「そうか、それは良かったよ!ああ、それと彼女はエレザだ」

 

 そう言って隣にいた金髪美女の肩に手のひらをのせながら、オゼットに紹介した。

 エレザは黒い上下に黒いプレートキャリアと身に着け、右腰にはP226と袈裟懸けで吊った状態でHK416A6を装備していた。

 彼女がほぼフル装備なのは、先ほどまで後宮の地下の訓練施設で射撃訓練を行っていたからだ。

 

「よろしく、イスフェシアの勇者」

「どうも、オゼットです」

 

 相変わらずエレザは初対面のはずのオゼットに対して、前に一度会ったかのようなフランクな挨拶をしていた。

 

「ああ、悪いな、エレザはこういうやつなんだ」

「こういうやつとはなんだ!」

 

 エレザは初対面の俺や国王であるはずの俺に対しても変わらずフランクに接している事から、エレザは元々誰に対しても等しく話す性格なのだろう。

 

 そして今回オゼットがウェルフェナーダに向かう時に一緒についていってもらう。

 

 作戦空域上空に飛ばした戦闘機部隊からの上がって来た報告によれば、巨大ゴーレム(ジンマ)を率いる200万の軍勢はウェルフェナーダにとどまっているという。

 そして、その魔物の軍勢はアンデット、キメラ、オーク、ゴブリン、ドラゴン等で構成されていることが、確認されている。

 

 陸軍情報局からは過去の報告書を基に帝国は進軍している魔物の軍勢を分散させてコンダート王国周辺やエンペリア王国を襲撃してくるのではないかと予想した。

 魔物の中には容易には倒せないアンデットがいることから銃の攻撃による対策と思われるが、その程度の対策では無意味だと俺は笑う。

 

「手始めに、ウェルフェナーダにいる魔物目掛けて近くに展開している第一砲兵師団所属の地対地ミサイル部隊からミサイルを100発発射して、さらに空軍第2爆撃航空軍を向かわせよう、爆撃が終わった後に先発している陸軍第8戦車師団と第17機械化歩兵師団を向かわせ生き残った魔物たちを掃討といこうか」

 

 俺が考えた作戦は進軍している200万の魔物に対して、近くに展開中の地対地ミサイル(ハープーン)を100発発射、着弾後間を開けずに大小合わせて計160機もの爆撃機の絨毯爆撃によって十分の一まで魔物を減らす。

 次にウェルフェナーダ付近まで迫っているM1エイブラムスという戦車と自走砲で構成された陸軍第8機甲師団(戦車2128両)と第17機械化歩兵師団(約5万)向かわせて残り約20万まで減った魔物の軍勢を蹴散らす。

 ここまでの王国軍の攻撃を耐え残るであろうジンマにはオゼットの『オメガ・アイギス』で光に変換すればレイブンの企みも文字通り“光”になって消えるはずだ。

 

「何か質問がある人はいるか?」

 

 俺は作戦を一通り伝え終えると、この部屋にいる皆の顔を見渡す。

 するとエレオノーラは少し困った表情をしながら、申し訳なさそうに手を小さくあげた。

 

「どうした?エレオノーラ?」

「あの……ご主人様?私はどちらに向かえばよろしいでしょうか?」

「あぁ、言っていなかったね。エレオノーラには、真理とレナに同行して彼女を手助けして欲しい。君ならできるよね?」

「ご主人様のご命令とあれば必ずや」

「ありがとう。後はあるかな?」

 

 何も疑問点がないのか、その場は沈黙する。

 

「質問がないようなので。9時間後、君たちにはウェルフェナーダに向かってもらうことにしよう。レイブンの仮面をはぎ取ってやろうじゃないか!」

「「「おー!」」」

「あぁ、真理にはもう一つの作戦について話したいから、もう少し残って欲しいのだがいいかな?」

 

 俺は先ほど皆に説明した作戦とはとは別の作戦も並行して実施しようと考えていた。

 それは真理とメランオピス隊というレナが率いる特殊部隊と共にイスフェシア皇国に侵入しマリー・イスフェシアの洗脳を解き皇国を取り戻す作戦だ。

 この作戦は最初にテレン聖教皇国を抑える必要がある。先にイスフェシア皇国を取り戻したとしてもテレン聖教皇国の騎士団とイスフェシア皇国の騎士団では比べ物にならない程の戦力差があり、帝国の兵士達と共に攻められてしまえば作戦は失敗に終わってしまうからだ。

 

 そこで、複数のV-22オスプレイでテレン城の上空から侵入してハーゲン皇帝の洗脳を解き、ハーゲン皇帝を正気にさせたらテレンの騎士団と協力して国内にいるデスニア帝国の兵士達を国から追い出し、そのままイスフェシア皇国に突撃するという少し大胆な作戦となっている。

 ちなみにこの作戦の案を出したのは真理である。

 

 真理はオゼット達と共に王国軍がウェルフェナーダで盛大に暴れて敵の注目を引き付けている間に行動を開始する予定だ。

 つまりはオゼット達が行うのは真理達の作戦の陽動作戦というわけだ。

 それまではこれまでに王国軍が占領したゲルシュタイン(ウェルフェナーダの南側に位置する)に向かってもらい待機してもらう。

 

 ここからであればイスフェシア皇国も近い。

 

 話が纏まった事でレナと真理は早速ゲルシュタインに大型旅客機で向かう。

 ゲルシュタインは既に王国軍によって基地が整備され、大型航空機も受け入れられる滑走路も完成しているので、大型旅客機で彼女達を向かわせた。

 

 それぞれの思いを胸に抱き、それぞれの戦場へと向かうのであった。

 



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