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398.モンスターパニック2


 指揮所でもとある戦車からの暗視映像や上空からの映像が映し出されているが、どの映像も無傷の魔物が何事もなかったかのように進み続けているのが映っている。

 さらに、前線で指揮を執る各師団長からも砲撃の効果が認められないと焦りが混ざった報告も上がってきていた。

 現場の指揮官からの他の報告には「どうやら魔法を使用しているようだ」といった情報まで上がってきている。

 死傷者の数も徐々に増えつつあるため、ここまま作戦続行することが難しくなってきていた。


 「なんだ、あの魔物は……、砲撃が効かない、だと?」

 「はい、戦車隊はほぼ確実に命中させているはずなので、状況的に確実に防がれているか単純に効果が無いかのどちらかと考えられます」

 「これでは、押し切られてしまう……、何か策はないか?」


 リレイは思考を巡らせ、何か良い案がないかを探す。

 一時脳裏に空軍に爆撃要請をという事が浮かんだが、かなり接近されている今、飛んできてくれた頃には敵味方入り乱れた状況の中の爆撃となってしまう。

 さらにAH-64Eによる機銃掃射や対戦車ミサイル等による攻撃も考えたが、これらも戦車砲等と同様はじかれてしまい有効打とはならない可能性が考えられる。

 残念ながらこれまで現代兵器に頼り切りだった為、今の彼女にはこういった現代兵器で如何に敵に反撃するかということしか頭に思い浮かんでこなかった。

 周りにいる幕僚や他の士官たちもリレイと同様、この魔物たちへの対抗策が思い浮かばず、沈黙が広がっていた。


 それでもリレイは何か策はあるはずだと必死に思案する。

 そんな時、ふとリレイのうしろからしわがれた声の老人が声を掛けて来た。


 「閣下、恐らくじゃが、あの魔物は特殊な防御魔法を自身に張っている可能性があるかもしれんのぉ」


その人物の正体は、コンダート王国の魔法研究の第一人者であるネガリス・ウルラという人だ。

 彼は魔法研究の第一人者であるとともに王国最強の魔術師でもあるのだ。

 そんな彼が呼ばれていたのは他でもない、帝国が今後魔法を多用した攻撃を取ってくると、ある程度予想していたからだ。


 「おお!これは、ウルラ殿お待ちしておりました!遠路はるばるご足労頂きありがとうございます」


 リレイは振り返りウルラを見るなり、勢いよく立ち上がり、敬礼で出迎える。

 同様に周囲にいた幕僚たちも敬礼でウルラを出迎えた。


 「ああ、ここまでくるぐらい散歩するようなものじゃ、なに気にするでない」

 

 聞けば彼は転移魔法を自由自在に使う事が出来るようで、このような移動は彼にとっては朝飯前なのだ。


 「流石はウルラ殿!来ていただいたところ……早速で申し訳ございませんが、あの魔物どもを一掃するにはどうすれば良いでしょうか?」

 「なぁに、簡単なことじゃよ、そう焦るな、まぁ見ておれ」


まったく予想していなかったウルラの答えに、リレイは状況が完全に読み込めず口を半開きにしたまましばらく固まってしまう。

 「は、はぁ」


 ウルラはそう言い残すと、リレイらにまともに説明もせず、さっさと指揮所のテントから出て行ってしまった。

 





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