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393.一斉突撃!

 

 一方ヤクトブルグ城塞都市内の帝国軍指揮所では、あれほどの砲撃を受けていながら歓声が上がっていた。


 帝国軍もこれまでの経験から王国軍は初手に砲撃や爆撃によって攻撃してくると読んでいたので、帝国軍は地上に5万体を越える魔法で一目では見破れないほど精巧に作られた人型の人形と複数のテント等を配置しわざとそこに砲撃と爆撃を集中させるように仕向けたのだ。


 そして、この指揮所には出雲国に潜入していた、カール・ネイサン大佐もいた。

 ネイサンは出雲国越之国湯之沢城の戦闘で片腕を失う大けがを負い、部下全員を失う大損害を被っていた。

 そんな状況に陥りながらもなんとか命からがら帝国へと逃げおおせることに成功したネイサンは、その戦闘で受けた屈辱と部下と恋人の仇を討つ為に、此の地に彼はいる。


 この作戦も魔法によって精巧に作られた人型の人形も、彼が主導したものだったのだ。

 彼は王国軍が魔法の攻撃に対して、脆弱で対策があまりとられていない事を前回の出雲国での戦闘でじかに知り得たのでこの作戦を実行させたのだ。



「ネイサン大佐、君の作戦は大成功だ!良くやってくれた」


 作戦の成功に、ヤクトブルグ城塞都市を治め、今はこの地の防衛軍の指揮官も務めているヤクトブルク公は大いに喜びんでいた。


「私が思っていた以上に王国軍がすんなりと攻撃してくるとは思っていなかったので、正直驚いています」

「これで、君の屈辱も少しは晴らすことが出来たのではないか?」

「お気遣いいただきありがとうございます。しかし、これはまだその第一段階にすぎません、本当の“仕返し”はこれからです」

「そうか、君のことは大いに信用しているよ、この後も頼んだぞ」

「はっ、お任せください」





 砲爆撃が終了した後、王国軍第一戦車軍団と近衛第4師団は警戒しながらその陣地までゆっくりと進んでいた。

 これは初戦のベンデンでの戦いの際に経験した帝国軍の奇襲を警戒してのことだ。


 第一戦車軍団第一機甲師団に守られながら近衛第4師団第41装甲化歩兵連隊が帝国軍陣地のあったであろう場所に到達すると、そこには死体はなく、骨の一つも転がっていない。

 その代わりにバラバラになり爆炎によって焦げた木材が転がっているだけの光景が広がっていた。


「流石に骨の一つも残っていないのは不自然だな……」


 降車した歩兵がくまなく爆撃地点を確認して得た情報が現場指揮官である第一機甲師団師団長に上がって来ていた。

 しかし、その情報を聞いた師団長は何か引っかかりを覚えていた。


「一旦全部隊をD集団本隊がいる場所に後退させろ、それとこの情報をリレイ閣下にもお伝えするんだ」

「はっ」


 その様子を聞いて怪しいと感じた第一機甲師団師団長は、一緒にいた第41装甲化歩兵連隊と共にD集団本隊が陣地を構えた森の近くまで後退を命じた。


「師団長!敵襲です!」

「やはりか、全速後退しつつ応戦しろ!」


 丁度後退し始めた頃に帝国軍騎兵隊約4000が一気に突撃してきた。

 間一髪偵察部隊の兵士は全て車両に乗っていた為、気にせず第一機甲師団と第41装甲化歩兵連隊は全速力で後退を開始する。


 両部隊は追いすがる帝国騎兵隊に目掛けて、容赦なく各種砲弾を雨の如く降らせる。

 流石に生身同然の帝国騎兵隊はひとたまりもなく、バタバタと倒されていき、一分も経たぬうちにその数を半数以上減らしていた。

 王国軍の圧倒的な火力に大損害を被った帝国騎兵隊は成す術もなく、撤退していった。


 このことをD集団司令官であるリレイに報告が来ていた。

 この情報からリレイは、敵は爆撃地点に我々本隊をおびき寄せ挟撃をしてくるつもりなのだろうと読み、部隊を半分に分け、平原の城塞都市からみて左側の丘の裏側に向かわせ、もう一方を森の中へ向かわせた。


 部隊が丘の裏と森に着いた丁度その頃、D集団司令部は敵の突然の攻撃を受けていた。


「敵襲です!」

「なんだと!」

「敵が攻撃してきました!」

「そんなこと知っている!すぐに迎撃するんだ!」


 敵は平原ではなく森に潜んでおり、D集団司令部は丁度敵の目の前にいた。


 当然奇襲を受けた司令部は一時混乱したが、司令部周辺に3個機甲師団とそれらの師団内の警備中隊(歩兵部隊)が残っていたのですぐさま彼等に応戦を命じ、難を逃れた。

 敵はこちらが応戦できる体制を整えた事を見るとすぐに反転し、森の中に逃げ帰っていった。


「敵が撤退していきます!」

「なんだと?こちらを誘いだそうという気なのか?」

「あからさまではありますが、恐らくそうでしょう」


 しかし、帝国軍のその動きは明らかにこちらを誘う動きに見える。


「ただ、また同じことをされては、この後そちらに気を取られてヤクトブルグ城塞都市へ向かわせる部隊が完全な力を出せないな」

「では、逃げた敵を掃討しますか?」

「ああ、その掃討作戦には海兵第五旅団を向かわせよう」

「了解いたしました、すぐに指揮官にそう伝えてまいります」

「頼んだ」


 リレイは森に逃げていった部隊の掃討作戦を増援として来ていた、海兵第五旅団を向かわせた。




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