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384.重鎮たち


 陸上と海上侵攻軍を指揮統括するのは、王直属機関である王務院統合参謀本部だ。

 統合参謀本部議長にはメリアを任命した。


 国防総省では無く、王務院統合参謀本部が出てきているのは指揮下に全軍だけでなく国土保安省所属の準軍組織(沿岸警備隊、航空保安隊、国家憲兵隊等)に加え、エンペリア王国の陸海空軍が加わっているからである。

 さらに戦略目標をより円滑に達成させるために指揮の統一を図るという理由もある。


 そして、本戦略に参加する将官から一兵卒の全ては、これとは別に用意した行動要領(交戦規則(ROE)に近い物)に基づいて作戦行動をとるように命令されている。

 行動要領には主に、捕虜や敵国国民等の非戦闘員の扱いについて、敵領土内での王国兵の秩序維持のための決まり事等が詳細に書かれており、その締めくくりに「一兵卒から将校に至るまで何があっても生きて帰ってくるように」と書かれている。

 この行動要領は本戦略に係わる全員(後方支援要員や制服組至るまで)に配布し、これを厳守するよう厳命してある。


 もちろんこの中の一つでも違反すれば、階級関係なく一発で軍法会議行きとなる。


 今回の各戦線、各戦闘海域の全てに、前回の帝国との戦争で活躍して来た歴戦の指揮官を充てた。

 そのうちの一人スタルブ・ベイル海軍大将は、前回の戦争の経験に加え、現代化された海軍での指揮経験も豊富な為、さらに頼りがいがある。

 彼等を充てることによって、各戦線、戦闘海域の作戦を安定的に行えると踏んだからだ。


 その理由に加え、これまで帝国軍に捕虜となり屈辱を受けて来た彼等にとって、この戦いにおいて雪辱を晴らすことが出来るだろう、という俺なりの配慮。そしてこれまでの陸海の戦いで露呈してきた将校の“経験不足”を補い、これまで指揮してきた将校は再度彼等から学び次に生かすという理由がある。


 「……といった感じだが、何か意見のある人は?」


 作戦内容を全て国防総省長官カレンディア・マルシウスに読み上げてもらった後、俺は意見があるか聞いた。

 というより“重鎮”達に意見を求めたという方が正しいだろう。


 すると、俺が言い終わるとほぼ同時に手を上げる人物がいた。


 「恐れながら陛下、これでは帝国に対して少々生温過ぎではないででしょうか?」

 

 そういってきたのは、エレシアの父親であるハミルトン・トルドー大将だ。


 「というと?」

 「はっ、僭越ながら申し上げますと、これではただ正面戦力を従来通り帝国軍にぶつけて戦線を押し上げているだけです。そうではなくせっかく長距離ミサイルや長距離を飛べる爆撃機といった帝国が抗いにくい兵器を持っているのですから、それ等を十二分に活用した作戦を追加するべきです」


 確かにハミルトン・トルドー大将の言う通り、この作戦は帝国とただ正面から殴り合うだけで、せっかくの長距離攻撃能力を有しているのに一切使わないのは可笑しいと。

 生ぬるいと言われて当然だ。

 

(エレシアやエレシアに学んで欲しいとか言ってる本人がこれでは本末転倒だ……。これからこれまでの自分の動きを反省しつつ、彼等の動きを良く見て学んでおかねば)


 熟練の将校からこういった指摘を受けた俺は心の中で、これまで調子に乗って指揮していた自分の事を反省し、彼等の動きを学んで吸収しようと肝に銘じていた。




 これでは帝国だけでなく、我が軍も少しずつ疲弊していってしまうし、今兵力を損耗しては帝国と今後予想される帝都ディシアでの戦闘で我が方が不利にある可能性もありうる。

 ただ、そういった正面での殴り合いもありつつ、敵の戦意や経戦能力といったもの等を削ぐような攻撃方法も取るべきだと彼はいう。

 

 「確かに、ミサイルによる飽和攻撃で敵基地や重要施設を攻撃すれば完全に戦意喪失とはいかないまでも、大きな打撃になるな。ハミルトン・トルドー大将、何か具体的な策はあるか?」

 

 「はい、具体的に……、例えば、長距離ミサイルによる敵基地や敵兵器工場、防空施設といった場所への攻撃、また敵の司令部やそのほか重要施設へのピンポイント爆撃といった戦略的な攻撃を取るべきです。いかがでしょうか?」


 「トルドー閣下の意見に私も賛成です、我が海軍も似たような作戦を海上の空母や潜水艦……、いえ、この際もう間もなく就役予定の潜水空母や統合戦艦を重点的に活用すべきです。さらに各イージス艦が装備するトマホークミサイルによっての敵湾港等の攻撃もすべきだと考えます」


 ハミルトン・トルドー大将の賛同し、意見を述べたのは海軍のエルシダート・ジェイク大将だ彼もこの作戦に参加する重要人物の一人で、ハミルトン・トルドー大将らと共に帝国に捕虜としてとらえられていた一人でもある。


 エルシダート大将が言うのは、ハミルトン・トルドー大将の考えの海軍版というもので、どの海軍にとっても重要な湾港施設を破壊することで、帝国海軍の戦力を大きく削ぐ事できる。


 「ありがとう。早速その攻撃方法も追加しましょう、二人ともお願いできるかしら?」


 「「御意」」


 この二人の意見をメリアは採用し、そのまま二人に作戦の具体案作成と実行を命令した。


 いよいよ帝国反攻作戦が開始される。



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