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374.王立議会へ

 

 朝早く起きた俺は、温泉へと向かった。

 昨日入れなかった分、湯船にゆっくりと浸かり、疲れを癒す。


「ふーっ」


(やっぱり、疲れた後はこれに限る!)


 一時間ゆっくりと浸かった後、朝食をとるためテラス席へと向かう。


「おはようございます!ご主人さま!」

「ああ、おはよう、エレオノーラ」


 そこにはキラキラした明るい笑顔で挨拶をしてくる、エレオノーラが立って待っていた。

 彼女のそのキラキラとした笑顔をみて俺も自然と笑顔で挨拶を返す。


 (やっぱり朝から女性に笑顔で挨拶されると気持ちがいいな)


 この後エレオノーラは俺の護衛役として、同伴する事になっている彼女は、公の場に出るという事もあって、薄緑色のドレスに身を包んでいた。

 これはエルフにとっての正装なのだという。

 そして、彼女の足元には何やら少し大きめで蓋つきのバスケットが置かれていた。


 そんなエレオノーラと共に朝食を済ませた俺は一旦自分専用の部屋に入り、エミリアに用意してもらった正装に身を包み、今後の国の在り方についての議論を聞く為、王立議事堂へと向かった。



 王立議会を行う議事堂に向かう際は当然俺に護衛が就くのだが、今回はミセア大佐率いるミスティア隊ではなく、後宮武装警備隊のヴァルキュリア隊が護衛に就くことになった。

 ミスティア隊は出雲での戦闘で部隊がかなり消耗してしまったという事と、ヴァルキュリア隊がこれまで訓練のみで実動を経験したしたことがないという理由から任務を交代することになった。

 ヴァルキュリア隊の経験不足を補うため、ベルが師団長を務める近衛第4師団の1個大隊も護衛に加わることになった。



 王立議会を行う議事堂はアルダート城から北側に位置するファレイアという町の8割以上を占める官公街の中にある(ファレイアの町にある事からファレイア議事堂と呼ばれている)。

 この官公街には、外務省や厚生労働省などといった各省庁が集まり、さらにエンペリア王国の大使館もこの場所に設置してある。


 コンダート王国の王立議会は上院と下院で別れており、上院には貴族議員(世襲制)で構成されている、その為上院は属に貴族院と呼ばれる。一方下院には国民の投票によって選ばれた議員(単純小選挙区制)で占められているので、こちらは庶民院と呼ばれている。

 今日俺が訪れる場所は上院の方だ。


「「国王陛下御入来!」」


 議事堂に入る前に、扉の両脇に立つ警備員が大声で中にいる議員たちに俺が入る事を知らせる。

 この警備員は王立議会警備隊と呼ばれ、彼等は王立警視庁警備部に所属しており、上下両院の議事堂と議員会館、議員宿舎を専門に警備するのが主な任務となっている。


「「「「国王陛下万歳!万歳!万歳!」」」


 俺が一歩議事堂内に入ると、議事堂の中にいた議員のほとんどが立ち上がり、万歳三唱で出迎えてくれた。

 しかし、一部の議員は座ったまま顔を伏せている。恐らく彼等は俺かメリア、若しくは王や女王といった存在自体に否定的な議員たちなのだろう。


 議事堂の中を見渡すと建物の両脇から建物中央付近まで5段ある席が向い合せになっており、中央には赤いカーペットが敷かれ、丁度その中心には向い合せの発言台が二つ設けられている。そして入口から入って一番突き当りには周囲が見渡せるほど高さがある段が2段あり、下段は上院議長用の席で、上段が国王と女王用の席になっている。


 俺とエレオノーラはまっすぐ一番上の段の席へと向かい、俺は腰を下ろし、エレオノーラは俺の左後ろに立つ。


「これより今年度第一回上院議会を開会いたします!」


 俺が座ったのを合図に、白髪で長い白髭をたくわえたネガリア・ウェイド上院議長が開会を宣言する。

 ネガリア・ウェイド上院議長は、先代国王のときから上院議員や上院副議長、上院院内総務等といった要職を長年務めて来た大ベテランで、先代国王やメリアを陰から支えて来た。その経験と先代国王の信頼もあり現在上院議長としての座にある。

 俺を国王に推挙してくれたのも彼なのだという。


「まず初めに、現国王陛下の承認をおこないます。賛成の方は起立し拍手を!」


 ネガリア議長の言葉に、議事堂内にいた議員たちの9割以上は一斉に立ち上がり、盛大な拍手を俺に送ってくれた。

 俺はその拍手に対して、立ち上がり手を振って答える。


 この国では法的に「国王」としての存在として認められるには上院議会での承認を得なければならない。とはいえ、反対される事はほぼあり得ないことなので、実質儀式的なものに近い。

 これでようやく俺は“(仮)”がとれ正式な国王へとなれた。


 本来これは国王として即位した後にすぐ行われる事なのだが、帝国との戦闘にその国王であるはずの人物が出て行ってしまっていたことで、常に延期されてきたからだ。

 さらに、上院議員の一部が帝国に囚われの身となっていた事も延期されてきた理由として挙げられる。



「ありがとうございます。これにてワタ国王陛下が国王として承認されました。皆さまご着席ください。次に……」


「議長!発言の許可を」


 議長が次の話に移ろうとした時、とある議員が手を上げ発言の許可を求めて来た。


「アルザ議員、どうぞ!」

「はい!」


 アルザ議員と呼ばれた議員は、議長に発言を許されると、中心にある発言台に立った。


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