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355.再びのアルダート駅

 

 アルダート北空港駅から、今乗っているアルダート北空港線でアルダート駅までは10分少々でつく。


 イメージ的には羽田空港から品川駅ぐらいまでの距離感だ。


 この路線は終点であるアルダート北空港駅と線路、信号機関連しか出来上がっていないので、一般人はまだ乗ることが出来ないようになっている。途中駅の建設は進んでいるので(途中駅は一つ(暫定))、このままいけば空港の民間への開放と同時に使えるようになるだろう。


 使用車両はE235系をベースに足回りや出力、車体を強化したものを採用している。その為140㎞の高速運転が可能になっていて、それに合わせて線路や信号等もその高速走行を許容できるように設計されている。


 アルダートに向かっている間、あんなに驚き恐怖さえ覚えていたはずの琴音と美鈴姫は、興奮した様子で車内を動き回っていた。

 見慣れないものを見た人というのは皆こういった反応をするのかと思いながら、俺はそんな二人を眺めていた。



 気付けば、乗っている電車がアルダート駅に入線していた。

 電車は巨大なこの駅の49番線に到着した。

 49番線は新たに追加された島式ホームで、その向こう側にはさらに他のホームが並んでいた。


 改めて思うが、この駅は非常に大きい。

 もしかしたら、国民はこの駅を“迷宮”か“城”とでも言っていそうだ。


 これを見た後に元の世界にもし戻れたとしたら、どんな駅さえも小さく見えてしまうだろう。


 そんなことをボーっと自動ドアの前で考えていると、聞きなれた音と共にドアが開く。

 電車から降りほとんど誰もいないホームを見た俺は、既視感のようなものを覚える。


 俺達が全員降りたと同時に、アネッサ駅長とテーシャ総裁がお出迎えしてくれた。


「「おかえりなさいませ!」」


「二人とも出迎えありがとう。こちらが千代姫と美鈴姫、それと琴音だ」


 三人を駅長と総裁に紹介する。

 二人は千代姫や美鈴姫ではなく琴音に視線を奪われていた。

 それは、王国では狼や犬、猫種の獣人族はいるが、この国の人にとって九尾の狐は伝承や神話でしか出てこない幻の存在だからだ。

 見られた本人は澄ました顔をしているが、九つの尻尾は正直なようでゆらゆらと嬉しそうに揺れていた。


 注目を浴びている琴音に対して、主役であるはずの千代姫は再び嫉妬した様子を見せる。

 なんとなくそうだろうと察した俺は、メリアに一瞥すると、千代姫の腰を抱き寄せた。


「な、何をなさるのです?」

「こうしてほしいんでしょ?」

「……、はい」


 千代姫は頬を赤らめ、そのまま何も言わず俺の傍から離れなくなった。




「テーシャ、この後駅ビルでこの子達と買い物をしようと思っているんだけど、その案内頼めるかしら?」


 わざと大き目の声でメリアは、琴音に目を奪われているテーシャに聞こえるように呼ぶ。


「こ、これは、失礼しました……。さようでございますか、でしたらこのテーシャが喜んでご案内させていただきます!」


 メリアのその大きな声にテーシャは少し狼狽するも、すぐに居住まいを正す。


「最初はどういった場所に向かわれますか?」

「そうね……、まずは食事がしたいわ」

「承知いたしました。では、おすすめの場所がございますのでそちらにご案内いたします」

「頼むわ」


 俺達はテーシャの案内でアルダート駅を散策することにした。

 その最初の目的地として、丁度昼食の時間なので、テーシャおすすめの場所に案内してもらうことにした。

 もちろん、そこに行く道中も完全武装の鉄道警備隊一個大隊が警備についてくる。


 ホームから駅のコンコースに上がると、そこには多くの人でごった返していた。

 昼の時間だというのに、さながら朝の通勤ラッシュ時のようだ。


 そんな人混みをよそに、俺達は王族関係者専用出入口から出る。


 アルダート駅に直結している商業ビル内も多くの周辺住民や、国内から観光に訪れた人々でごった返していた。


「な、なんという人の多さ……。大和の城下町でもこんなに人が集まることがないというのに……」


 千代姫は人の多さに驚き目を丸くしていた。

 思えば彼女がこちらに初めて来たときはここまで人が多くなかったので、驚くのは無理もない。


「千代姫が来た時はこんなに人がいなかったもんな。でも大丈夫、俺もこんなのは初めてだから」



 テーシャにこの混雑具合について聞くと、これは全国の主要都市を結ぶ路線が開通したことと、国民にとって憧れの王都という事もあって、これほどまでの混雑と人気につながっているのだという。


 さらに、これまで、旅行するのにまずその目的地まで行くまでに数日~数週間を要し、さらにそこまで行くために馬車を借りたり、途中で宿泊したりと膨大なお金がかかり、裕福な家庭か行商人のような人たちしか行けなかったが、運賃が最大でも半月ほどの給料ほどあれば良いので、比較的気軽に来れるというのも大きな理由の一つだ。


 またさらに、エンペリア王国の首都圏ともつながっているので、そちらからくる人も少なくないそうだ。


 今後は空港の整備と併せて国際線(エンペリア王国や出雲国)が就航すれば、これ以上に観光客が増えてくるかもしれない。


 そんな事もあって、商業ビルの最上階のホテルのみならず、アルダート駅周辺の宿泊施設のほとんどが毎日満室で来年まで予約が埋まっているほどなのだという。



 



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