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351.後宮での朝

 

 翌朝


 朝早く起きようとした俺だったが、体が鉛のように重く目も眠さでうまくあかない。

 これは昨晩酒を飲んだのと、あれからあんなことやそんなことをしたのが原因だろう。

 とはいえ、何とか重い体を持ち上げる。


「ひゃん!」


 その妙な声のする方向を見ると、アリサが生まれた姿のままで寝ており、俺は彼女の胸を右手で鷲掴みしていた。


 (あっ、柔らかい)


 俺は手を離さないといけないとは思いつつも、普段触らない柔らかいものをじっくりと触っていた。



「って、じゃない!ごめん、アリサ」

「いいえ、旦那様なら何しても構いませんわ。それとおはようございます!」

「ああ、おはよう」


 アリサはそんな俺を全く気にする様子を見せず、むしろ俺の手をさらに自分の胸に押し付けていた。

 さらに、朝日並みに明るくまぶしい笑顔で寝起きの挨拶をしてくれていた。


(ああ、ここは天国なのか……!)


 俺は、しばらくその天使のようなアリサの笑顔に見とれてしまっていた。


「どうかなさいましたか?」


 アリサの言葉に俺はハッとなり「なんでもないよ」と返す。


 気付けば、俺の左にはエリサと、さらにその隣にはメリアとレナがいる。


 (確か昨日はレナとエレオノーラ達と一緒に寝たような……、飲み過ぎて記憶がないのか?)


 しばらく、この状態になった経緯がわからずしばらく思い出そうとするが、どうやら昨晩酒を飲み過ぎたようで記憶がなくなったようだ。


「それよりアリサ、あんまり寝れてないよね?まだ寝てていいんだよ?」

「いいえ、旦那様。今日は私もお供いたしますので、このまま身支度してまいります」

「そっか、今日は4人で千代姫たちを迎えに行く日だったね。俺も着替えてこなくちゃ」


 そういうと、俺は大きなベッドから降り、着替えるために寝室の隣にある自室へと向かった。

 この部屋は俺が後宮にいない間に俺専用の場所として増設されたもので、ここには主に俺の各種着替えが入ったウォーキングクローゼットや頑丈なつくりのガンロッカーが設置してある。

 さらに、事務机や本棚、シングルベッド、トイレもあり、どうしても一人になりたいときここで過ごせるようになっている。


 本棚には魔法薬学書や魔導書、魔法医学書等々、魔法関係の本がずらりと並んでいる。

 これは恐らく、俺がこれまでの帝国との戦いにおいて魔法の脅威というものを思い知らされたので、しっかりと魔法とはどういうものか学ばなければならないという事を周囲に漏らしており、そのことを気にした誰かがこれを用意してくれたのだろう。



 自室に入ると俺は海上自衛隊の第一種礼装冬服に似た黒い軍服を身に着ける。この俺が着用している物は王族用の礼装で、コンダート王国軍や準軍組織の将校用第一種礼装は各軍で色分けがなされており、海軍は青、海兵隊は藍色、陸軍は緑、空軍は白と決まっている。


 万が一に備えてその下にはミスリル超合金で出来た、薄くて軽い防弾・防刃・魔防ベストも着用している。

 このベストは20×102㎜迄の貫通を防ぐことが出来(とはいえ、衝撃は防ぎきれないので、後ろに大きく吹っ飛ばされることになるが)、さらに中級魔法なら完全に防ぐことが出来るという優れモノだ。


「あとは、護身用の銃か……。さぁ、何にしようかな!」


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