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337.国内情報2

 

 手を伸ばした先には、軍や内閣府や各政府機関が作成した資料や報告書があった。


 その中からまず陸軍の報告書を手にする。


 王国陸軍参謀本部

 ・国境付近で帝国軍が再び活発になり、現代兵器で武装している王国兵だが、帝国兵がその兵器の特性や弱点を突き反撃してきている。その為王国側の被害が再び増え始めていた。


 同時に国境警備隊への被害も拡大しており、これに対し陸軍は戦闘ヘリや戦車を出動させこれの鎮圧に乗り出すも国境の多くが山間部という事もあってあまり効果がない。

 その為、陸軍は空軍に国境付近に設営している帝国側の前哨基地等への空爆を要請した。

 この空爆によってある程度の成果は上がったが、空爆後も帝国兵はどこからともなく現れ攻撃を仕掛けきている。


 これに対して陸軍と空軍上層部は、帝国側の国境付近に潜伏する帝国兵掃討作戦と国境から近い帝国軍基地や軍事施設の空爆を検討している。


 ・ベルン郊外の国境付近を偵察していた第32戦車軍団に所属する一個戦車中隊が帝国兵の罠にかかり壊滅


 この戦車中隊は丁度谷底を走行中、谷の上に陣取っていた帝国の魔法部隊から爆裂魔法を撃ち込まれ、敵は戦車のエンジンや車長ハッチを集中的に狙い、これによって多くの戦車が爆破炎上、若しくは行動不能に陥った。最終的な被害はM1A2 エイブラムス戦車11両、死者19名、負傷4名となった。これはこの世界で初めての戦車が撃破された戦闘になった。


 ・ガレア北検問所での小競り合いが戦闘へと発展


 国境警備隊が管理するガレア北検問所にてその検問所のすぐ目の前に位置する帝国側の検問所との間で、これまでも小さな諍いがあったようだが、最近は帝国側が何かと難癖をつけてこちらの検問所に押し入るようなことが何度も起きている模様。

 その際に国境警備隊との間で戦闘になり、こちらにも少なくない死傷者が出た模様。

 早急に対策を練る必要がある。


「ここには一度、軍を送って帝国の検問所をつぶしておいた方がいいかもしれない」


 毎日こんなことが目の前で行われていたら、守ってくれている国境警備隊員が余計に神経をすり減らしてしまう。


 そう思った俺は、指示書に「直ちにこの検問所の国境警備隊と陸軍の第三山岳師団を交代させ、帝国側の検問所を“鎮圧”するように、そして“鎮圧”したのち再度国境警備隊に警備についてもらう事」と書いておく。



 ・新型防弾プレートの開発研究開始


 現用の防弾プレートでも帝国の銃弾を止めることが出来る事とある程度の刃物(サーベル、片手剣等)を防ぐ事が確認されたが、それは銃弾とある程度の刃物しか対応できない。

 その為陸軍研究局主導で、ある程度の魔法への抵抗能力と防刃能力を強化したもので、且つ水にぬれても能力が減衰しないようなものを開発することになった。

 それと並行して新型のプレートキャリアも開発するようにする。


 この開発に際して軍内部だけなく職人ギルドとも協力することになっている。

 協力する理由は、防弾プレートを開発するに至って、その素材に研究中のオリハルコンより硬いメルケニカ鋼を使うためである。

 メルケニカ鋼の加工技術は、今もなお職人ギルドに所属しているドワーフの手に頼っている状況なのでなおさらだ。

 今後これはある程度の量を生産できるようにも計画中である。



 陸軍からの報告書の次は憲兵隊のものだ。


 国家憲兵隊対テロ対策本部


 ・国内に民間用として銃が流通し始める。

 これは王国が帝国に国内奥深くまで攻められるという最悪の事態に陥った時、国民に民兵として参加してもらうためにハミル商会を通して流通させたもので、それが思った以上に国民の間で話題になり、その考えに共感してくれた国民はこれを買い、何時か攻めてくるかもしれない帝国軍への備えをし始めた。

 さらに、大型動物の狩猟や時折現れるモンスターへの有効な武器としても認められ、冒険者の中では大流行しているようだ。


 しかし、これには大きな問題があった。


 銃の販売を開始するときには、いくつかの販売・所持制限を設けていたが、それをすり抜けた悪質な人間達はそれを使った凶悪事件を起こしてしまった。

 しかもそれが、1件や2件ならまだしも立て続いて20件以上も銃を乱射する事件が発生してしまっていた。

 一連の銃乱射事件の多くは酒場や集会所等人が多く集まる場所で発生していて、死傷者が累計で150人以上に上っている。

 これに新しく凶悪で誰しもがこの力を得てしまうと思った人々が、そんな危険な銃をなくそうと組織を立ち上げ、さらにその動きを見たハミル商会から銃製造を委託されている他の商会が連合となってライフル協会を設立し、しっかりと銃を“管理”して犯罪に使われないようにしようという動きを活発化させている。

 それに合わせて王立議会もこれを防ぐための法案の審査が始まっているようで、その草案は今手元にある。


「やはり、そういう人達は出てくるよなぁ……。結構厳格な法律をつくらないと再び同じようなことが繰り返されてしまう」


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