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336.国内情報

 

 次は国内にある法執行機関の情報を内務省機密情報部がまとめたものだ。

 この報告書は以前の報告でもあった国内にいる工作員と諜報員についてだ。


 ・国内にいる調査対象者について


 敵対国家である帝国からの工作員と諜報員の検挙数がここ数ヶ月間上昇傾向にある。


 工作員は特に王都周辺や中規模以上の都市での活動が多くみられ、その多くが王国国民に対してのプロパガンダ工作が主なものとなっている。

 それ以外にはエンペリア王国にて起こった兵器盗難事件と同じような事件が起きている。幸いなことに、その事件は全て各法執行機関によって実行する直前で検挙されている。


 一方諜報員は王国と帝国との国境付近で確認される事が多く、これらは王国軍若しくは国境警備隊の配備されている人員や実力等を調査しているとみられる。


 検挙数が上がってきている理由については、帝国国内にいた優秀な工作員や諜報員の多くが出雲方面やエンペリア王国に回されてしまっており、その関係で王国に回せる者が教育を受けたばかりの経験の浅い者しかいないという事なのだろうと断定された。それは検挙された諜報員や工作員からの聴取で明らかになっている。


 とはいえ、ベテランの工作員がいることは各機関の捜査や調査から明らかになっているので、引き続き調査及び捜査を続けていく。



 ・反王制派の動き


 現在国家反逆罪で指名手配中のクレエ・ゲオルグが扇動したとみられる、テロ事案や反戦デモが多発してきている。

 次に行われるアルダート城前での反戦デモも彼が関わっているとされているので注意が必要。


 しかし、彼の居所は今もなおつかめておらず、早急に対応しなければならない。

 一部ではゲオルグは帝国軍に匿われているという情報もあるので、軍との共同捜査も視野に入れたい。


「ゲオルグか……、彼は色々と邪魔してくるな……。この際生死を問わず始末するように指示書に書いておくか」


 アルダート駅爆破事件の時もそうだが、何かと“俺”に対して妨害若しくは殺害を試みてくる。きっと何か裏があるに違いない。



 次に国家保安省情報部からの報告書だ。

 ここは沿岸警備隊や国境警備隊、航空保安隊等準軍部隊を束ねる省だが同時に難民管理も行っているところだ。


 ・難民の流入


 帝国国内で起きている“粛清”によって住む町や親を亡くした人々がジェイルやオルセシーゼの国境付近に難民として陸路でこちらに向かってきている。

 残念なことに、難民のほとんどは国境にたどり着く前か国境を越える前に帝国兵に見つかり殺害されてしまっているようだ。

 そんな帝国兵から命からがら乗り越えて来た難民は、国境警備隊が保護し、ジェイルとオルセシーゼ周辺にある難民キャンプにて一時的に待機してもらっている。


 陸路だけではなく、船でコンダート王国東部沿岸に来ている難民もおり、そちらは沿岸警備隊が保護し、ジェイルの難民キャンプに移送し待機してもらっている。


 このように難民が増える一方なので、今後は新しい難民キャンプの開設か、元帝国軍人や政府要人でない等が証明された者に関しては移民として迎え入れるべきだとされる。


 ただ、この中に難民を装った工作員や諜報員がいる可能性が考えられるので、そちらの対応を怠らないように十分に注意しなければならない。


 ・国境警備隊の犠牲者の増加


 帝国軍による大規模な侵攻が一時的に止まっている事もあって、現在国境は国境警備隊のみで防衛している状況だが、ガレア北検問所に関しては小さな戦闘が続いている為、こちら側の犠牲者が増え続けてしまっている。

 これについては陸軍第3山岳師団による交代を受けるため、多少は緩和される。しかし、これ以外に、ジェイルとオルセシーゼに流れてくる難民を追いかけてこちらの国境を越えてくる帝国兵との戦闘も起こっており、こちらでも日々犠牲者が出てしまっている。


 ガレア北検問所だけではなく、ジェイルやオルセシーゼに関しても陸軍部隊やそれ以外の部隊からの応援が必要と考えられる。



「国境がかなりあれているのか……。これ以上犠牲者が増えるのは良くないし、このままでは帝国軍に押し切られてしまうかもしれないな」


 この報告を読んだ俺は、この国境地帯に陸軍部隊の再配置と海兵隊の増派と、被害を拡大させない為国境付近30㎞まで王国軍を侵攻させる作戦の立案を指示書に書く。


 これ以上彼等に出血を強いてしまうと、士気が下がり、部隊への入隊希望者も減ってしまうことも懸念される。




 悪い内容の報告を読み少々気が落ちてしまったが、この後の報告は明るい内容だ。




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