324.援軍到着
激しい銃撃によって敵にはかなりの被害が出たはずだが、それでも勢いは衰えることなく、相変わらずこちら側に突っ込んでくる。
「隊長!敵の足が止まりません!」
「何としてでもここで敵を食い止めるんだ!無反動砲を使え!」
「了解!」
止まらない敵の突撃を阻止する為、海軍特殊部隊ネイビーベレーがゴーレムを倒した時にも使った、カールグスタフ無反動砲を喰らわせることにした。
砲撃などの直接火力支援の無い歩兵にとって、無反動砲は心強い味方だ。
それを聞いた部下達は急いで射撃の用意を整える。
「弾種、榴弾!目標正面の敵」
「弾種、榴弾!」
「後方の安全確認よし!発射用意よし!」
「撃てッ!」
ドシュ!ドシュ!
次々に放たれた砲弾は敵の直上で爆発し、砲弾内に詰められていた無数の小さな鉄球と爆発によって、爆心地に近いものは原形をとどめない肉片へと成り果て、爆心地から少し離れたところにいた敵兵は飛んできた鉄球や爆風によって四肢や首をもがれ、そのほどんどが失血による死を迎える。
これによって敵は最前列にいた兵士のほとんどが戦死若しくは重傷を負い、ここまで一気に数を失えば“普通”であればここで怯むか止まるかすると、王国側の指揮官のほとんどがそう思っていた。
だがしかし、敵はそれでもスピードを一切変えずこちらに突っ込んでくる。
「た、隊長!止まりません!」
「怯むな!撃て!撃ちまくるんだ!」
敵の進攻を少しでも遅らせようとして放ったものが効かず、そのことによって逆にこちらが怯んでしまう。
それでもなんとか進攻を阻止しようと持てる火力を最大限に発揮する為、王国兵士達は銃身が白熱して溶けるほどまで撃ち続ける。
勢いの止まらない敵は、ついに王国の防衛ラインから20mの距離まで接近してきていた。
「各員!手榴弾を投げろ!」
「クレイモア!クレイモア!」
最後まで敵の数を減らそうと、王国兵士達は装備している手榴弾やあらかじめ設置していた指向性対人地雷M18“クレイモア”を起爆させる。
既に王国兵達はこれで敵が止まってくれるとは思っていないので、射撃をやめ、剣や銃剣を取り出し白兵戦の準備を始める。
「ひるむな!応戦するぞ!着剣!剣を佩いている者は抜刀!」
「了解!着剣!抜刀!」
現場指揮官は部下達が全員着剣か抜刀したことを確認すると、意を決し、首に下げていたホイッスルを加え勢いよく吹いた。
ピーーーーッ!
そのホイッスルの音を合図に、兵士たちは一斉にこちらに向かってくる敵に突撃する。
「みんな俺についてこい!突撃ッ!」
「うおおおおおお!」
戦闘開始からわずか数分の内に両軍はぶつかりあい、ついに接近戦へと突入する。
近づいてからわかったことだが、敵の3人のうち1人の割合で武器を持っていない兵士が混ざっていた。
その武器を持たずに突撃してきている敵兵は、戦死若しくは負傷で動けなくなった味方から武器を奪って突撃してきている。
接近戦となった後は双方ともに多数の死傷者が出るが、当然数が多く恐れを知らない帝国側にとっては100人や200人やられたところでお構い無しのようだ。




