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27.キューレ救出作戦2

 通信を聞いたベルはキューレの周りを固めているリザードマンに対して狙撃し始めた。

 ベルは地面に伏せ、静かに息を吐きながらスコープ越しに映るリザードマンの頭に狙いを定め、息が吐き終える前に引き金を引いた。

 それを合図にシルヴィアも狙いを定め射撃を開始する。


 パスッ パスッ


 サプレッサーによって音が抑えられ気の抜けたような発砲音が聞こえ、その撃ちだされた弾は狙い違わず、狙われた頭に突き抜ける。

 

 最初に射殺されたリザードマンはなにが起きたのか分からずに倒れる。

 目の前の奴が音もなくいきなり死んだことに混乱し、あるリザードマンは何かが飛んできた方向に向け弓で応戦し始め、とあるものはどこから攻撃されているか分からず立ち止まったまま撃たれ、またある者は腰が抜けて動けなくなるものもいた。

 

 しかし、そんなことを意に介せずにベルは次々に淡々と狙撃していく、まるでそれが当り前だと言うように――。


 丘側からの狙撃が始まったのと同時にまず俺が玄関近くを見張っていた兵を射殺、そのままエレザとミレイユとともに建物へと近づく。


 中で混乱しているためか外には一兵も出てこなかった。

 何事もなく建物に近づくと、まず玄関の扉をHK416と共に召喚しておいたC4(プラスチック爆弾)を設置し爆破後、フラッシュバンを投げ込み、入り口付近にいた敵を一時的に行動不能にさせる。


 その強烈な光と音で行動不能に陥った敵を俺は無言で射殺していく。


 ベランダ側に集中していたリザードマン達は弓と石で応戦していたがこちらの爆発音に気づいた敵はこちらにも向かってきた、しかも全員棍棒やナイフ以外の装備はなく服も身につけておらず、下の方は先ほどまで目の前の“ご褒美”に対して反応していただろうが今は恐怖のためか委縮してしまっている。


 俺は怒りと戦闘による興奮を覚えながらHK416で次々に射殺していく。


 接近戦が多くなるとエレザとミレイユはHK416を使わず、そのまま剣で応戦し始めた。

ミレイユはまるで穢れたものを見るかのような目で、敵を淡々と斬り捨てていく。

 一階を制圧し終わると二階へと向かおうとするが、この家は地下もあるらしく、階段では二階と地下階から敵がぞろぞろと湧き出てきた。


 階段での戦闘でついにHK416の弾が尽きると、俺はHK416を背に回すと、近接戦闘に備えて持っていたP226をホルスターから抜き出し素早く持ち替え、すぐさま残りの敵に向かって弾を浴びせていく。


 気付くと辺り一面死体が転がり血の海になっていた。

 慣れていないこの凄惨な状態に俺は少し嘔吐感を覚えていた。


(流れでここまで殺してしまったけど、俺ってこんなに残忍なことも平気でできてしまうようになってしまった……)


 以前ゴブリンを討伐したときは、あまりにも多い敵だったのでそんなことを気にする余裕すら与えてもらえなかったが、今こうやって冷静になって考えてみると、俺はもうすでに「殺す」ということをなんの躊躇や戸惑いを感じずにやっていることに気付いてしまっていた。

 しかし、ここまできてしまった以上もう元の俺に戻ることはないだろう。



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←いつも読んで頂きありがとうございます。
拙作のスピンオフ作品です!(執筆者は別人)
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