306.城内戦闘2
態度を変えたネイサンはすぐに後ろに控えていた部下に指示を飛ばす。
それを聞いたネイサンの左にいた女はベルに、右にいた女はローザに斬りかかる。
指示を出したネイサンは腰にはいていた剣に手を伸ばし、居合斬りに似た動作で俺に斬りかかって来た。
ガキンッ!キンッ!
「ご主人様!下がってください!ここは私がお守りします!」
「ワタ下がって!」
ネイサンが俺に斬りかかって来たその刹那、俺のすぐそばに控えていたエレオノーラは俺の前へ躍り出ると、相手と同じ要領で剣を抜き迎え撃っていた。
間一髪、その刃は俺を切ることもなくエレオノーラの剣によって弾き返されていた。
メリアはネイサンの部下が別方向からワタに斬りかかって来ていたので、それを引き抜いた剣の勢いのまま切り伏せる。
「ワタ、一旦下がりましょう」
「下がるっていったいどこへ?」
ここにいては俺の身が危険だと感じたメリアは、近づいてくる敵兵を切り伏せながら俺の腕を引っ張る。
しかし、引いたところでそちら側にはレナやミレイユ、エレザ達が戦い敵の侵攻を阻止してくれているが、いつこちら側にやってくるかわからない。
「陛下、一先ずここはお任せして下がりましょう」
「ああ、そうだな」
ヴィアラからも逃げるように促された俺は渋々エレオノーラ達から離れる。
離れている間にも次々に敵が襲い掛かってくるため、俺も手持ちのP320やSIGMCXで応戦する。
バンッ!バンッ!
元居た部屋に後ろ向きの状態で入ると、背後から発砲音がした。
俺はP320を胸元で小さく構えたまま(C.A.R systemという近接射撃システムの“high”という構え方)素早く振り返った。
それに合わせてヴィアラもVP9を俺と同じように構え振り向く
「誰だ!」
そこにはどこかを負傷したのかところどころに血が付いた状態のレナが立っていた。
「ハァ、ハァ、私です、陛下、レナです」
「レナなの!怪我してるじゃない!」
「大丈夫か?レナ?とりあえずここに座りな?水飲むか?」
少し足元がふらつくレナの肩を俺は支えてあげながら近くにあった柱によりかからせ,腰に付けていた水筒の中の水をレナに飲ませてあげた。
「あ、ありがとうございます。すみませんこんなになっちゃって」
「何を言っているんだレナ大佐、君は頑張ってくれたんだろう?」
バンッ!バンッ!バンッ!
レナを治療しようとしている間にも敵は容赦なく近寄ってくる。
しかし、そんな敵をヴィアラが素早い射撃で次々に倒していく。
弾が切れスライドストップが掛かっても慣れた手つきで弾倉を替える。
彼女がここまで銃の取り扱いが上達していることに疑問を思った俺は後日、ヴィアラに聞いてみると、曰く「陛下が目の前で大けがを負った時以来。陛下から賜ったこの銃で、如何に早く多くの敵を倒せるか研究と訓練を続けてきました」なのだという。
「こんな時に!」
ヴィアラがそうしてくれるうちにメリアと俺はレナの治療を行う。
「おっと、こんなエルフの美人さんにお相手していただけるのは光栄!ハッ!」
「そんな剣の振り方で私に勝てると思っているの?」
ネイサンは跳ね返された
エレオノーラは恐ろしい速さで剣を振るいネイサンは防戦一方
「だがこれはどおかな?!」
そういうとネイサンの持っていた剣に風の刃が纏い始める。
「喰らえ!クワッドスラッシュ!」
するとネイサンが振るった剣から風を纏った四つの刃がエレオノーラに向かって飛んで行く。
「甘い!」
しかし、エレオノーラはその全ての刃を剣で弾き返す。
「私に剣で勝とうなど千年早いわ!」
「いやいや、エルフは千年生きられるだろうけど、こっちは人間だから無理無理」
「フンッ!そんなこと言える余裕があるんだったら、今度はこっちから……、フレイムスラッシュ!」
炎を纏った剣を真一文字に振るうと切った先には斬撃の形をした燃え盛る炎がネイサンを襲う。
「何の!」
しかし、それをネイサンは間一髪のところでひらりとかわす。
「やるわね!でも、これはどうかしら?ソニックストライク!」
攻撃を避け、体勢の整わないネイサンに対してエレオノーラは瞬く間に肉薄し、強烈な一撃を叩きこむ。




