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302.城内に潜む敵2

 エレザが敵を倒した瞬間。少し離れたところにも敵が潜んでいたようで、その場所からレナに向けて発砲された。

 事前に察知していたレナの部下はとっさにレナの前に飛び出し、撃たれた弾を自分の体で受け止める。

 撃たれた直後すぐにそちらにエレザは銃口を向け、その撃って来た方向に何発か撃ち込む。


「レレナ!」


 レレナと呼ばれた隊員は銃弾を腹部に受けそのまま倒れこむ。


「だ、大丈夫です、大佐、それより……」


 どうやらレレナにあたった銃弾はプレートキャリア内の防弾板にあたったようで、衝撃によるダメージで顔を歪ませてはいるものの、出血には至っていない様子だ。

 そんな彼女が指差す方向には、完全にばれたと分かった敵が潜んでいた場所からぞろぞろと出てきていた。

 どうやら隠れていたのは一人だけではなくかなりの人数が周辺に身を隠していたようだ。


「クソッ!もうこんなに城内に潜んでやがったのか!」

「各員射撃開始!」


 その様子を見たレナは、自分たちの後についてきてくれていた他の隊員数名に対して射撃命令を下す。


 ダダダダダダダダッ!ダンダン!

 パンッ!パン!


 王国側の射撃が始まったと同時に帝国側も負けじと撃ち返す。

 しかし、連続発射や命中率で劣る帝国側が直接戦って勝てる相手ではなく、すぐにその数を減らしてしまう。

 その様子を見ていた帝国側の指揮官は、銃での戦闘で勝てないと判断し、白兵戦へと移行するように命令していた。


 

「総員突撃!」


「「「「帝国に勝利を!うぉぉぉぉ!」」」」


 その命令が発せられたと同時に帝国兵達は剣を抜き放ち一斉に突撃を開始した。


「来るぞ!」



 当初は潜んでいる敵は偵察兵の一人であろうと高を括っていたところ、帝国兵の予想以上の抵抗にあいレナとエレザ達は徐々に押され始めていた。

 ただ、帝国側の銃撃があったにも関わらず、暗いこともあってかレレナ以外誰も負傷者が出ていないこともあって人的被害は抑えられている為、まだ寝室への敵の流入は抑えられている。


 バンッ!ダダダダダダッ!パン!パン!


 雄叫びを上げながらなりふり構わず突撃してくる帝国兵の侵攻を何とか弾幕を張って防ごうとするが、10人20人どころではなく100人近い人数が突っ込んで来てはさすがに接近を許してしまい、ついには帝国側の思惑通り銃撃戦から白兵戦へと戦闘が切り替わっていた。


 その為、最初はSIG516による射撃を行っていたメランオピス隊であったが、それでは近すぎて動きづらくなってしまうので、各自の判断で腰につけていたSIG P320やサーベルに持ち替え迎撃する。

 エレザとレナも接近してきた敵に剣に持ち替え迎撃する。


「オラオラどうした!貴様らはその程度か!もっとあたしを楽しませろ!」


 長年愛用していた剣に持ち替えたエレザは本来の戦闘スタイルに戻ったこともあって勢いづき、嬉々として近づく帝国兵を次々に切り刻んでゆく。


 敵を切るエレザは大量の返り血を浴び腕や顔が赤く染まっていた。

 対するレナも華麗な剣さばきで敵を圧倒していた。

 その二人の強さもあって、一時は敵の勢いに押され気味であった王国側はむしろ押し返していた。

 そして敵の突撃から十数分後。敵の指揮官とみられる人物以外を残し殲滅していた。


 しかし、そんな王国側優位が続いたのはそこまでであった。


「レナ!」

「っ!ファイアウォール!」


 レナは敵をあらかた倒し切り、後は指揮官とその取り巻きだけだと少し気を抜いていた時。エレザの声と指差す方向から向かってくる“火球”に気付きとっさに炎の壁を作り出す魔法を使い防いだ。


「フフッ、これからが本番よ!」


 すると、火球が飛んできた方向には黒いマントを着た女性が立っていた。




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