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25.エルベ村防衛作戦4


「撃てっ!」


 ダダダダダダダダダダッ!ダダダダッ!ダダダダダダダダダダッ!


 毎分約750発の発射速度で鉛の弾を敵の頭上に降らせる。

 すると敵はどこからともなく飛んでくる得体の知れない攻撃に混乱し隊列が乱れ始めた。

 その雨のように降り注ぐ弾に前衛にいた弓兵は撃つ暇もなく倒れていく。

 木でできた盾と剣などで武装していた兵はその盾で防ごうと密集形態を取ったが、その盾は7.62×51mmNATO弾によって易々と貫通し地面に縫い付けられていく。


 前衛が壊滅状態になったと知るや、あるものは恐怖からか逃走を図る者も出たり、なんとか戦闘を続行しようと隊列を整えようとする者もいたが、そんなことも関係なしに鉛の弾は次々にリザードマン達に命中していく。

 そんな中、ある者は懸命に部下を落ち着かせようと指揮を取っているところに頭を撃たれ、またあるものは勇敢にもこちらに向かって攻撃しようと向かってきたところで胸を数発撃たれ、生命活動を停止させていく。さらに銃弾によって腕をもがれたり足を切断した負傷者も増えていく……。


 一方、防御側は五人で一挺ずつ撃ち、一体も寄せ付けないように、銃身が過熱して赤くなるまで一心不乱に射撃を続け、さらに後方では村人たちが弓を持ち臨戦態勢に入っている。

 本来は剣や弓を持って戦っていたはずのエレザ達だが、今はそれを忘れたかのように射撃を続ける。


 しかし、あるときシルヴィアが射撃を開始しようと引き金を引いたが、運悪く弾詰まりが起きてしまっていた。

 シルヴィアは何が起きたのかわからず、焦って引き金を繰り返し引き続けるしかできなかった。

 その異変に気付いた俺はすぐにシルヴィアに近寄り、弾詰まりを解消する。


 その時二梃の銃の射撃が止まってしまったので、リザードマンへの弾幕がわずかに弱まる。

 敵はその状況を好機とみてこの防衛陣地まで突っ込んでくる。


 弾詰まりを直すのにまごついていた間、敵に50mぐらいのところまで接近を許してしまった。

 俺は、何とか詰まった弾を抜き出すと、ようやく射撃を再開し始めた。


 攻撃がやんだ後は今まで混乱がなかったかのように仲間の屍を越えつつ進軍を再開し始めたが、またM240による射撃が再開されると最初の時の混乱よりさらに混乱し、ついに部隊は散り散りになっていった。

 まとまって最後まで抵抗しているものもいたが、ほとんどは我先にと逃走を図るものが多かった。


 それからしばらく経つと、目の前には大量の死体が転がり、動くものはいなくなっていた。

 リザードマン部隊が消えたことを確認した俺は、すぐに射撃を中止させる。


「撃ち方やめ!そのまま追撃し敵本拠地を叩く」


「そういうことだったのですねワタ様!流石です!」


「このシルヴィアも参戦いたします」


「この“銃”というものを使うと、いとも簡単にあんな集団を敗走させることができるのだな、感心したぞ!そのまま私もついてゆこう。ミレイユお前も行くぞ!こんなにスッキリしたのは久しぶりだ」


「お姉さまがそう言うのならば……仕方がありませんね」


 エレザはよっぽど銃のことが気に入ったらしく、M240を興味深そうに見つめている。

 妹のミレイユは最初、嫌々といった感じだったが、今は射撃姿勢のまま銃を持ち続け先ほど敵がいた位置を見つめている。


「ありがとう!さてここでその銃とは一旦お別れだ、エレザ達二人はこの後他の銃を渡す、君たち二人はこのSIG716を手に反攻作戦に参加してもらう!この銃を信じて俺に付いて来い!」


「それはいいのですが、この銃の方が大量の弾を撃ち続けられるのでこっちを持って行った方がいいのではないのですか?」


 シルヴィアはかわいく首をかしげながら聞いてくる。


「いい質問だシルヴィア、このM240では連射しすぎて人質に当たってしまう可能性があるからこれは使わない、制圧するだけならもってこいだけどな、今回は遠距離から狙い撃つこともあるから一発一発が重要なんだ……ほかに何か質問あるか?」

「いえ、ないです!」

「では、奴らに制裁を加えに行くぞ!」


「「了解!!」」


「他にもあるのか、面白そうだな」

「……」


  シルヴィアとベルにはSIG716を渡し、二人には不釣り合いだが今朝渡しておいたプレートキャリアを装着してもらい、同時に予備弾倉を渡す。拳銃を渡そうかとおもったが銃のレクチャーは機関銃の射撃と少しだけアサルトライフルの射撃を行っただけだったので、今回の近接戦闘は4人の得意分野であろう剣にで戦ってもらうことにした。

 

 一行は先ほどの敗残兵が向かっていった方向に向けて出発していった――。


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